今日は、懐かしいSF作品群をもう一冊ご紹介。
(本の感想ブログがだいぶ溜まってます)



筒井康隆編 『70年代日本SFベスト集成2 1972年度版』


70年代日本SFベスト集成2: 1972年度版 (ちくま文庫)/著者不明

¥1,296
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黄金期の日本SFを、希代の小説家にしてアンソロジストが同時代に編んだシリーズ第二弾。星新一のニューウェーブ「門のある家」、小松左京の力技「結晶星団」に加えて、編者自身の傑作「おれに関する噂」、松本零士のセクシー美女が登場する「セクサロイド」など、一作一作が長編なみの濃さと読みごたえを持つ作品がずらりと並ぶ1972年度版!(Amazonより)




かつて70年代に筒井康隆が編んだ日本SFアンソロジーの復刊第二弾。


収録作は、


星新一 「門のある家」

筒井康隆「おれに関する噂」

山野浩一「メシメリ街道」

松本零士「セクサロイド」

豊田有恒「両面宿儺」

河野典生「彼らの幻の街」

荒巻義雄「柔らかい時計」

藤本泉 「ひきさかれた街」

小松左京「結晶星団」



日本SFのレジェンドとも言うべき作家たちが勢揃いしており、なんとも豪華である。


どれも素晴らしいけど、今回は小松左京「結晶星団」にすべて持っていかれた。


とんでもないスケールで描かれる本格SF。
いま日本にこれほどのSFを書く作家はほとんどいないし、時代的にもこういった作風はウケなくなってきているのかもしれない。


しかし、いま読んでもやはり圧倒的に面白い。
科学性や現代性に囚われない、壮大なSFだ。



他には、荒巻義雄「柔らかい時計」と星新一「門のある家」が良い。


藤本泉「ひきさかれた街」だけはどうにも馴染めず、途中で飛ばしました。




この70年代アンソロジーシリーズは5巻まで刊行され、復刊も5巻まで出そろっているので、そちらもどうぞ。