大原まり子 『ハイブリッド・チャイルド』


ハイブリッド・チャイルド (ハヤカワ文庫JA)/大原 まり子

¥778
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長期にわたるアディアプトロン機械帝国との闘いに終止符を打つべく、最終兵器が軍の施設内でひそかに研究・開発された。組み換え自在の特殊金属ユニットの骨組みに、バイオ技術で創り上げた細胞を肉付けした宇宙戦闘用生体メカニックのサンプルB群。そのうちの一機が意志を持ち、軍から脱走した。さまざまな形にメタモルフォーゼしながら逃亡の旅を続ける脱走者の運命は……幻惑の未来を描く星雲賞受賞の本格SFの傑作。(Amazonより)




日本SFの歴史に名を連ねる名作。


しかしちょっと古い本なのですでに絶版。いま読むならこちらの電子書籍でどうぞ。


ハイブリッド・チャイルド/大原 まり子

¥価格不明
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中身は、表題作の「ハイブリッド・チャイルド」と「告別のあいさつ」という短編に加え、全体の半分以上を占める中編「アクアプラネット」で構成されている。



肉と機械の生体兵器サンプルB群から脱走したⅢ号が、ヨナという少女と融合し、260年の時を生きる。


昔の少女漫画を彷彿とさせる耽美で流麗な筆致は素晴らしく、それは特に短編において真価を発揮するような印象。
長編(というか中編)だと、やや冗長でもあるので一長一短かもしれないが。



面白かったけど、古い日本SF特有の濃密さが凄いので、なんだか疲れた。体力のあるときに読むのがよろしいかと。


個人的には、「告別のあいさつ」が一番良かったかな。