ジャック・ヴァンス 『奇跡なす者たち』


奇跡なす者たち (未来の文学)/ジャック・ヴァンス

¥2,700
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独特のユーモアで彩られた、魅力あふれる異郷描写で熱狂的なファンを持ち、ダン・シモンズやジョージ・R・R・マーティン等多くの作家に影響を与えてきた名匠ヴァンス、浅倉久志編による本邦初の短篇集が登場!代表作「月の蛾」からヒューゴー/ネビュラ両賞受賞作「最後の城」までヴァンスの魅力を凝縮したベスト・コレクション、全8篇。(Amazonより)




60年代SFの埋もれた傑作を掘り起こす《未来の文学》の一冊、ジャック・ヴァンスの傑作選である。


収録作は、


「フィルスクの陶匠」

「音」

「保護色」

「ミトル」

「無因果世界」

「奇跡なす者たち」

「月の蛾」

「最後の城」



世評に違わぬ、たいへん面白い作品集。


通俗さと高尚さが絶妙にブレンドされたような筆致で、訳の良さも相まって、非常に読みやすいし面白い。


どれも良いけど、やはり後半の中編三つ、「奇跡なす者たち」「月の蛾」「最後の城」が素晴らしいね。


この一冊で、ヴァンスにハマりました。



つい最近、同じく国書刊行会から《ジャック・ヴァンス・トレジャリー》というヴァンスの傑作選が全三巻で発売されることとなり、第一巻の『宇宙探偵マグナス・リドルフ』が出た。


もちろん買いました。
残る二冊も楽しみ。



しかしひとつ難点なのは、どれも高価なハードカバーなので気軽に読めない(買えない)ということ。


ハヤカワ文庫あたりの作品は軒並み絶版なので、ぜひ文庫での復刊を願います。