青崎有吾 『アンデッドガール・マーダーファルス1』
アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)/青崎 有吾

¥778
Amazon.co.jp
吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人間親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された…!?解決のために呼ばれたのは、人が忌避する“怪物事件”専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥篭を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。謎に満ちた悪夢のような笑劇…ここに開幕!(Amazonより)
「ファルス」とは「笑劇」のこと。
本格ミステリの若き担い手として注目されている著者の新シリーズは、古今東西の異人・怪人・化物などなど、人外が普通にはびこる十九世紀ヨーロッパを舞台にしたミステリーである。
物語は、あの吸血鬼ドラキュラが討たれた二ヶ月後から始まる。
(本書の前にブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』を読み終えたばかりだったので、実にタイムリー)
人類に歩み寄ろうとする親和派の吸血鬼一家の妻が、無残にも殺されてしまう。
そこで雇われたのが、怪物専門の探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)と、その助手・真打津軽(しんうちつがる)と、メイド・馳井静句(はせいしずく)。
なぜか鳥籠を持ち歩く助手と、その鳥籠の中にいるらしいが姿を見せない探偵、不愛想なメイド。
怪物たちに負けず劣らず怪物じみた彼らの正体は本書を読んでのお楽しみとして、この物語には様々な推理小説や怪奇小説のキャラクターたちが出てきて、それもまた楽しい。
ドラキュラやフランケンシュタインの怪物はもちろん、灰色の脳細胞を持つ警部や、あのM教授の影……。
ルールタビーユの名まで出てきたのはビックリだ。
そんな、なんでもありな世界観ではあるけど、謎解きは至ってロジカル。
設定はファンタジックであっても、骨格はあくまで本格ミステリなのである。
第一話は吸血鬼、第二話は人造人間と、怪物ごとの特性を活かした事件とその解決は見事。
ラストは(良い意味で)少年漫画のように敵チームの錚々たる面々が顔を揃え、次巻以降にも期待が増すというものだ。
そんなわけで、おすすめです。
アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)/青崎 有吾

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吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人間親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された…!?解決のために呼ばれたのは、人が忌避する“怪物事件”専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥篭を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。謎に満ちた悪夢のような笑劇…ここに開幕!(Amazonより)
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本格ミステリの若き担い手として注目されている著者の新シリーズは、古今東西の異人・怪人・化物などなど、人外が普通にはびこる十九世紀ヨーロッパを舞台にしたミステリーである。
物語は、あの吸血鬼ドラキュラが討たれた二ヶ月後から始まる。
(本書の前にブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』を読み終えたばかりだったので、実にタイムリー)
人類に歩み寄ろうとする親和派の吸血鬼一家の妻が、無残にも殺されてしまう。
そこで雇われたのが、怪物専門の探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)と、その助手・真打津軽(しんうちつがる)と、メイド・馳井静句(はせいしずく)。
なぜか鳥籠を持ち歩く助手と、その鳥籠の中にいるらしいが姿を見せない探偵、不愛想なメイド。
怪物たちに負けず劣らず怪物じみた彼らの正体は本書を読んでのお楽しみとして、この物語には様々な推理小説や怪奇小説のキャラクターたちが出てきて、それもまた楽しい。
ドラキュラやフランケンシュタインの怪物はもちろん、灰色の脳細胞を持つ警部や、あのM教授の影……。
ルールタビーユの名まで出てきたのはビックリだ。
そんな、なんでもありな世界観ではあるけど、謎解きは至ってロジカル。
設定はファンタジックであっても、骨格はあくまで本格ミステリなのである。
第一話は吸血鬼、第二話は人造人間と、怪物ごとの特性を活かした事件とその解決は見事。
ラストは(良い意味で)少年漫画のように敵チームの錚々たる面々が顔を揃え、次巻以降にも期待が増すというものだ。
そんなわけで、おすすめです。