本：あなたは誰？

ヘレン・マクロイ　『あなたは誰？』


あなたは誰? (ちくま文庫)/ヘレン マクロイ

￥972
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「ウィロウ・スプリングには行くな」匿名の電話の警告を無視して、フリーダは婚約者の実家へ向かったが、到着早々、何者かが彼女の部屋を荒らす事件が起きる。不穏な空気の中、隣人の上院議員邸で開かれたパーティーでついに殺人事件が…。検事局顧問の精神科医ウィリング博士は、一連の事件にはポルターガイストの行動の特徴が見られると指摘する。本格ミステリの巨匠マクロイの初期傑作。（Amazonより）




クラシック本格ミステリの名手としておなじみ、ヘレン・マクロイのウィリング博士シリーズの第四長編が邦訳された。




ウィロウ・スプリングという婚約者の地元へ向かうところだったフリーダの元に、脅迫電話のようなものがかかってくる。相手は声を変えており、誰なのかわからない。


それにもめげずにウィロウ・スプリングに向かったフリーダと婚約者のアーチーだが、脅迫電話はここにもかかってくる。おまけに、ポルターガイストでもあったかのように、フリーダの部屋が滅茶苦茶に荒らされる事件が起こった。


そしてとあるパーティーの晩、ついに殺人が起こり……。




シリーズ探偵のウィリング博士は精神科医で、本作もそんな精神医学を駆使した謎解きが容易されている。


いまでは使い古されたあのネタ。


原著が70年以上前のものなのでそれは仕方ないとして、そのネタが想像以上に巧みに、本格ミステリとして使われていることに驚いた。


しかも、その安易にそのネタだけで解決していないところもポイントが高い。



ネタそのもの以外には古さを感じさせない傑作です。


シリーズものだけど、本作から読んでもまったく問題なしなので、気にせずどうぞ。