仁木稔 『グアルディア』
グアルディア 上/仁木 稔

¥756
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グアルディア 下/仁木 稔

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22世紀末、遺伝子管理局が統括する12基の知性機械によって繁栄していた人類文明は、とあるウイルスの蔓延によって滅びた。そして西暦2643年、ラテンアメリカ―変異体と化した人間たちと種々雑多な組織が蠢く汚濁の地にあって、自治都市エスペランサは唯一、古えの科学技術を保持していた。その実験体にして、知性機械サンティアゴに接続する生体端末の末裔アンヘルは、混沌の世界を平定すべくレコンキスタ軍を組織、不老長生のメトセラにして護衛の少年ホアキンらとともに、サンティアゴの到来が近づくグヤナ攻略を画策していた。いっぽう民衆たちのあいだでは、サンティアゴを神の降臨と捉える参詣団が形成され、その中心には守護者として崇められる青年JDと、謎の少女カルラの姿があった。アンヘルは、ある思惑を秘めて二人との接触を切望するが…。精緻にして残虐なるSF的イメージと、異形の者たちが織りなす愛憎と退廃のオペラ―沖方丁、小川一水につづく新鋭の叙事詩大作。(Amazonより)
↑の長い長いあらすじの通り、物語も実に濃密で長い。長すぎるほどに。
簡潔に言うと、科学が発達した未来、とあるウイルスが蔓延して滅びた人類のその後を、変貌したラテンアメリカを舞台に、主に四人の男女を軸に描いていく重厚なアニメっぽいSF。
この物語はもちろんのこと、過去にもいろいろあった節が随所から伺えるので、SF的なイメージが広がると同時に、作者の緻密な世界設定に驚く。(実際、本書の続編は時系列的には過去の話となり、本書に至るまでの人類の過程を描いているらしい)
しかしそんなことよりも言いたいのは、とにかく長い、ということよ。
読んでも読んでも終わらない。
実際のページ数の倍くらい読んだ気分だ。
前半はともかく、中盤も後半もとにかく濃密で過剰な文章がこれでもかと続き、キャラもシーンも一から十まで全部描こうとするからまぁテンポが悪いのなんのって。
盛り上がるクライマックスでさえなかなかページが進まないのは、さすがにどうなの。
もう少し「“書かない”で書く」ことや「簡潔に書く」ということを意識してもらえるとちょうどいいかもしれない。
とはいえ物語は面白い。(それだけに、この長さと過剰さがわずらわしい)
かつての科学技術により、生体端末やら変異体(ムタシオン)やらメトセラやら生体甲冑(アルマドゥラ)やら知性機械(インテリヘンシア)やら亜人やら様々な“人ならざるもの”がうごめく未来。
誰もが、神たるコンピュータ「サンティアゴ」を目指して道をゆく。
世界を巻き込んでるわりに目的が個人的すぎる気がしないでもないけど、過去の大災厄(カラミダード)も含め、世界と人類のあれやこれやが気になって、なんとか最後まで読めました。
続編はもう少しコンパクトなようなので、そちらもいずれ。
これから読む人は、現時点での最新刊であり、時系列的には一番過去(つまり現代に近い)である中短編集『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』から読むのもいいかもしれません。ってゆうかそれ以外みんな絶版なので。
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22世紀末、遺伝子管理局が統括する12基の知性機械によって繁栄していた人類文明は、とあるウイルスの蔓延によって滅びた。そして西暦2643年、ラテンアメリカ―変異体と化した人間たちと種々雑多な組織が蠢く汚濁の地にあって、自治都市エスペランサは唯一、古えの科学技術を保持していた。その実験体にして、知性機械サンティアゴに接続する生体端末の末裔アンヘルは、混沌の世界を平定すべくレコンキスタ軍を組織、不老長生のメトセラにして護衛の少年ホアキンらとともに、サンティアゴの到来が近づくグヤナ攻略を画策していた。いっぽう民衆たちのあいだでは、サンティアゴを神の降臨と捉える参詣団が形成され、その中心には守護者として崇められる青年JDと、謎の少女カルラの姿があった。アンヘルは、ある思惑を秘めて二人との接触を切望するが…。精緻にして残虐なるSF的イメージと、異形の者たちが織りなす愛憎と退廃のオペラ―沖方丁、小川一水につづく新鋭の叙事詩大作。(Amazonより)
↑の長い長いあらすじの通り、物語も実に濃密で長い。長すぎるほどに。
簡潔に言うと、科学が発達した未来、とあるウイルスが蔓延して滅びた人類のその後を、変貌したラテンアメリカを舞台に、主に四人の男女を軸に描いていく重厚なアニメっぽいSF。
この物語はもちろんのこと、過去にもいろいろあった節が随所から伺えるので、SF的なイメージが広がると同時に、作者の緻密な世界設定に驚く。(実際、本書の続編は時系列的には過去の話となり、本書に至るまでの人類の過程を描いているらしい)
しかしそんなことよりも言いたいのは、とにかく長い、ということよ。
読んでも読んでも終わらない。
実際のページ数の倍くらい読んだ気分だ。
前半はともかく、中盤も後半もとにかく濃密で過剰な文章がこれでもかと続き、キャラもシーンも一から十まで全部描こうとするからまぁテンポが悪いのなんのって。
盛り上がるクライマックスでさえなかなかページが進まないのは、さすがにどうなの。
もう少し「“書かない”で書く」ことや「簡潔に書く」ということを意識してもらえるとちょうどいいかもしれない。
とはいえ物語は面白い。(それだけに、この長さと過剰さがわずらわしい)
かつての科学技術により、生体端末やら変異体(ムタシオン)やらメトセラやら生体甲冑(アルマドゥラ)やら知性機械(インテリヘンシア)やら亜人やら様々な“人ならざるもの”がうごめく未来。
誰もが、神たるコンピュータ「サンティアゴ」を目指して道をゆく。
世界を巻き込んでるわりに目的が個人的すぎる気がしないでもないけど、過去の大災厄(カラミダード)も含め、世界と人類のあれやこれやが気になって、なんとか最後まで読めました。
続編はもう少しコンパクトなようなので、そちらもいずれ。
これから読む人は、現時点での最新刊であり、時系列的には一番過去(つまり現代に近い)である中短編集『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』から読むのもいいかもしれません。ってゆうかそれ以外みんな絶版なので。