上遠野浩平 『殺竜事件』


殺竜事件 (講談社ノベルス)/上遠野 浩平

¥1,015
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竜。それは善悪を超越したもの。勇者を十万、軍を千万集めても倒せぬ無数の存在。その力を頼りに戦乱の講和を目論んだ矢先に、不死身のはずの竜は完全閉鎖状況で刺殺される──「事態が不条理だからこそ、解決は論理的なのさ」戦地調停士ED(エド)は謎に挑むため仲間と混迷の世界に旅立つが──ミステリーの“謎解き”とファンタジーの“異世界”がひとつの物語に融合する。さあ読者諸君、仮面の男と冒険の旅に出かけよう!(Amazonより)




上遠野浩平の《事件シリーズ》第一弾を、たぶん十年ぶりくらいに再読。


というのも、シリーズの最新刊(六作目)がついこないだ、七年ぶりに刊行されたから。
二作目までは読んでたけどすっかり内容を忘れてるので、イチから読み直して最新刊に挑もうというわけだ。




で、この一作目。


ざっくり言うと、異世界を舞台に、地上最強の生物である竜がなぜ、どうやって殺されたのか?という謎を、変わり者の戦地調停士と真面目な騎士と有能な女性軍人が解き明かすというお話。


竜に会った人物(容疑者)に話を聞くため、世界各地を旅するRPG的な雰囲気もあって楽しい。




世界観はファンタジーだけど、物語の核はミステリー。


謎の大きさもさることながら、その解決もまたアッと驚く論理的帰結が待ち受けている。





しかし再読して気付いたけど、正直その方法は無理がないか?と思わないでもない。


どうやって竜に気付かれず、凶器をそこまで持ち込んだのかね……。
方法も、論理的には可能だろうが、ちょっと想像しがたいのが難。



まぁそういうガチガチの本格を期待しなければ充分楽しめる。
異世界ミステリーとしては水準以上です。






かすかな記憶では、二作目の『柴骸城事件』のほうが面白かった気がするので、そちらも近いうちに再読したい。