小野不由美 『黒祠の島』
黒祠の島 (新潮文庫)/小野 不由美

¥767
Amazon.co.jp
「そう―ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教”が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか?式部が最後に辿り着いた真実とは。(Amazonより)
『屍鬼』や十二国記シリーズでおなじみの著者によるホラーミステリ。
筋立てや舞台装置はまさに王道の島(村)ミステリで、世俗から切り離された島(の村)で起こる凄惨な殺人事件を土着ホラーの装飾で彩っていく雰囲気が良い。
しかし本格ミステリ的なロジックやトリックを期待すると、やや肩透かしをくらうかもしれない。
探偵役の主人公が最後まで自力で真相に到達できず、犯人の口から教えてもらうというのはいただけないところ。
とはいえその犯人の造形がなかなかで、結局これはミステリの皮を被ったホラーなのだと思えば瑕疵も気にならなくなる。
犯人である人物は印象的であるわりに出番が少ないので、もっとそっち方面を前面に出して書いてもらいたかった気がしないでもなかった。
ともあれ個人的には楽しく読んだので問題なし。
黒祠の島 (新潮文庫)/小野 不由美

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「そう―ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教”が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか?式部が最後に辿り着いた真実とは。(Amazonより)
『屍鬼』や十二国記シリーズでおなじみの著者によるホラーミステリ。
筋立てや舞台装置はまさに王道の島(村)ミステリで、世俗から切り離された島(の村)で起こる凄惨な殺人事件を土着ホラーの装飾で彩っていく雰囲気が良い。
しかし本格ミステリ的なロジックやトリックを期待すると、やや肩透かしをくらうかもしれない。
探偵役の主人公が最後まで自力で真相に到達できず、犯人の口から教えてもらうというのはいただけないところ。
とはいえその犯人の造形がなかなかで、結局これはミステリの皮を被ったホラーなのだと思えば瑕疵も気にならなくなる。
犯人である人物は印象的であるわりに出番が少ないので、もっとそっち方面を前面に出して書いてもらいたかった気がしないでもなかった。
ともあれ個人的には楽しく読んだので問題なし。