伊坂幸太郎 『チルドレン』


チルドレン (講談社文庫)/伊坂 幸太郎

¥648
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「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。(Amazonより)




久しぶりに読んだ伊坂幸太郎。


陣内という破天荒な男を中心に、周囲の友人たちからの視点で語られる五つの物語。


連作短編集ではあるが、一編一編がゆるやかに繋がり、長編のような読み心地を与えてくれる。




本書は、とにかくこの陣内という男の魅力によって支えられている。


銀行強盗に巻き込まれてもひるまずに、強盗に向かってわけのわからない屁理屈をかます。


駅前の広場に同じ人間が何時間もいることに気付いた陣内は、「俺のために世界は時間を止めた」と言い出し、それはやがて驚きの真相へと導かれる。



陣内は愚直なまでに素直で、自分勝手で、なのに憎めない。


初期の伊坂幸太郎らしさが全開の傑作。


おススメです。