乾緑郎 『海鳥の眠るホテル』


海鳥の眠るホテル (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)/乾 緑郎

¥700
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恋人との関係に終止符を打ち、美術モデルのアルバイト先で出会った新垣と新たな関係を築こうとする千佳。新垣と行った廃墟で、何者かの気配を感じ―。認知症を患った妻・君枝の介護に専念すべくデザイナーの職を辞した靖史。君枝から目が離せなくなった靖史は…。人里離れた廃墟と化したホテルに棲む、記憶を失った男。ある朝、ホテルに一眼レフカメラを持った女性を見つけ、撮影を続ける彼女の後を追う。三人の記憶と現実が交差してひとつのファインダーに収まったとき、世界は、見事な反転を見せる。寂寥とした筆致が沁みわたる、ホラー・サスペンス。(Amazonより)




『完全なる首長竜の日』で《このミステリーがすごい!大賞》を受賞した著者の作品。


カメラマン志望の千佳と、妻が若年性認知症を患った夫の靖史。そして廃ホテルに棲む記憶を失った男。


この三組がやがて一本の糸で結ばれ、哀しい真相が明らかになる。




とはいえそう驚くほどの真相でもないし、それまでの展開が地味なのでちょっとツラい。


寂寥とした筆致はいいけど、若年性認知症のパートは、その描写がやけにリアルで気が滅入ってしまう。



『完全なる首長竜の日』は個人的にとても好きだったので期待したけど、こちらはあまりハマりませんでした。