ジェフ・ヴァンダミア 『監視機構』


監視機構 (サザーン・リーチ2)/ジェフ・ヴァンダミア

¥1,188
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《サザーン・リーチ》三部作の二作目。



合衆国南部に突如出現した謎の生態領域〈エリアX〉。その実態調査のために派遣された第十二次調査隊による調査は失敗に終わり、隊員たちは記憶を失った状態で発見・回収された。そんななか、監視機構〈サザーン・リーチ〉の新局長に着任した〈コントロール〉は、機構の改革に着手、帰還した隊員に訊問を繰り返していく。だが、彼は機構になんらかの汚染が進行していると直感していた。エンタテインメント三部作・第二弾(Amazonより)




前作『全滅領域』では、謎の領域〈エリアX〉の第十二調査隊の顛末が、生物学者の手記というかたちで語られた。


今作は、帰還した第十二調査隊に尋問を行う監視機構〈サザーン・リーチ〉側から描いた物語。



〈サザーン・リーチ〉に新しい局長としてやってきた主人公〈コントロール〉。もちろん本名ではない。


帰還した生物学者への尋問と、それに伴う〈エリアX〉の謎の解明……を望みたいところだが、全体の8割、いや9割はこの新任局長のお仕事奮闘記となっているのが正直退屈だった。



スパイもののように読めないこともないが、このスパイはあまり腕がよろしくない。


前局長の補佐だった女性からは目の敵にされ、過去の失敗までほじくり返される始末。


おいおいしっかりしろよ〈コントロール〉くん、と主人公を励ましつつ読むのが正しい。



我慢して読み進めると、ラスト付近でようやく事態は動き出す。というか急変する。


半分以下の分量で充分だったんじゃないかとは思うが、とにかく次の第三部、完結編が楽しみになる終わり方ではあった。



設定その他諸々を忘れないうちに第三部を読もうと思います。