歌野晶午 『密室殺人ゲーム2.0』
密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)/歌野 晶午

¥926
Amazon.co.jp
あの殺人ゲームが帰ってきた! ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。その凝りに凝った殺人トリックは全て、五人のゲーマーによって実際に行われたものだった。トリック重視の殺人、被害者なんて誰でもいい。名探偵でありながら殺人鬼でもある五人を襲う、驚愕の結末とは。<本格ミステリ大賞受賞作>(Amazonより)
〈頭狂人〉〈ザンギャくん〉〈aXe〉〈伴道全教授〉〈044APD〉というハンドルネームを持つ5人がAVチャットで語り合うのは、実際に起こった事件の話。
しかしその事件は、5人の中の誰かが起こした殺人事件だ。
自らが「犯人」でもあり「探偵」でもある5人は、ただ推理ゲームのためだけに人を殺す。
そんな常軌を逸した連中を描いたのがシリーズ前作『密室殺人ゲーム王手飛車取り』だった。
その前作からしばらく経ち、まさかの続編がやってきた。
前作を読んだ人は「あれの続編ってどうすんのよ」と思うだろうが、本書は冒頭から、まるで前作そのままのように5人が事件についてああだこうだ語り合う場面を読んで面食らうだろう。
やがて判明するのは、この5人はまさにタイトル通り「2.0」な存在であるということ。
数年前にネットで盛んだった「Web 2.0」という概念は、これまでは一方通行でしかなかったコンテンツを、受け手側も送り手側になって発信するようになることを言う。
つまり、模倣犯。
前作の5人の意思を継いだ(と言うとカッコよすぎるが)連中がまたもや始めたリアル殺人ゲームの行く末は果たして……。
5人のキャラがまんま同じなので、読み心地は前作と変わらない。
「実際に殺して仲間内で推理し合う」というトンデモな設定に隠れがちだが、各事件のトリックもまた素晴らしく、「うげぇぇぇ」とか「鬼畜……」とか「そこまでするかい」という驚きを味わえる。
ラストは前作に比べるとやや地味だが、このゲームの末路を暗示するような不穏さがじわじわくる。
ちなみに続編として『密室殺人ゲームマニアックス』が刊行されてるけど、こちらは続編というより外伝的な物語で、次に出る4作目が正式な続編であり完結編となるらしい。
それまで、外伝の『マニアックス』でも読んで気長に待つとしましょう。
密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)/歌野 晶午

¥926
Amazon.co.jp
あの殺人ゲームが帰ってきた! ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。その凝りに凝った殺人トリックは全て、五人のゲーマーによって実際に行われたものだった。トリック重視の殺人、被害者なんて誰でもいい。名探偵でありながら殺人鬼でもある五人を襲う、驚愕の結末とは。<本格ミステリ大賞受賞作>(Amazonより)
〈頭狂人〉〈ザンギャくん〉〈aXe〉〈伴道全教授〉〈044APD〉というハンドルネームを持つ5人がAVチャットで語り合うのは、実際に起こった事件の話。
しかしその事件は、5人の中の誰かが起こした殺人事件だ。
自らが「犯人」でもあり「探偵」でもある5人は、ただ推理ゲームのためだけに人を殺す。
そんな常軌を逸した連中を描いたのがシリーズ前作『密室殺人ゲーム王手飛車取り』だった。
その前作からしばらく経ち、まさかの続編がやってきた。
前作を読んだ人は「あれの続編ってどうすんのよ」と思うだろうが、本書は冒頭から、まるで前作そのままのように5人が事件についてああだこうだ語り合う場面を読んで面食らうだろう。
やがて判明するのは、この5人はまさにタイトル通り「2.0」な存在であるということ。
数年前にネットで盛んだった「Web 2.0」という概念は、これまでは一方通行でしかなかったコンテンツを、受け手側も送り手側になって発信するようになることを言う。
つまり、模倣犯。
前作の5人の意思を継いだ(と言うとカッコよすぎるが)連中がまたもや始めたリアル殺人ゲームの行く末は果たして……。
5人のキャラがまんま同じなので、読み心地は前作と変わらない。
「実際に殺して仲間内で推理し合う」というトンデモな設定に隠れがちだが、各事件のトリックもまた素晴らしく、「うげぇぇぇ」とか「鬼畜……」とか「そこまでするかい」という驚きを味わえる。
ラストは前作に比べるとやや地味だが、このゲームの末路を暗示するような不穏さがじわじわくる。
ちなみに続編として『密室殺人ゲームマニアックス』が刊行されてるけど、こちらは続編というより外伝的な物語で、次に出る4作目が正式な続編であり完結編となるらしい。
それまで、外伝の『マニアックス』でも読んで気長に待つとしましょう。