野﨑まど 『小説家の作り方』


小説家の作り方 (メディアワークス文庫)/野崎 まど

¥572
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「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイデアを閃いてしまったのです―」。駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。出向いた喫茶店にいたのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫。先のファンレター以外全く文章を書いたことがないという紫に、物実は「小説の書き方」を指導していくが―。野崎まどが放つ渾身のミステリー・ノベル改め「ノベル・ミステリー」登場。(Amazonより)




駆け出しの小説家である主人公の元に、「この世で一番面白い小説のアイディアが閃いたから書き方を教えてください」というファンレターが届く。


会ってみるとそれは絶世の美少女で、しかしどうも浮世離れしていて不思議な女の子だった。



まずこの女の子が可愛い。


年季の入った箱入り娘のように常識知らずだが、なんとこれまでに五万冊の本を読んできたという。


だが書き方を知らない。今までの人生で、一度も文章を書いたことがないとまで言うのだ。


そんな美少女に小説の書き方を教える主人公。


それは書き方だけではなく、人との交流から育まれる“経験”も含まれている。


初めて文化祭というものに行った彼女の新鮮な反応こそが、執筆に於ける大事な「取材」なのだ、と。





そんなこんなで「この世で一番面白い小説」に向けて進んできた計画は、ある日突然の終わりを迎える。


そこからが急展開。


ややネタバレになるが、まさかのSFに変貌するとは。


表紙やタイトルやあらすじからは想像もしない極地へと誘われる。これぞ野﨑まど。




これまでの3作品に比べるとインパクトは薄いけど、充分面白かったです。



「かるーく読めて、大きな衝撃」という安定の野﨑クオリティ。


おすすめです。