若者はなぜ大人になりたがるのだろう。


もちろん、ハロプロメンバーの話である。




若いハロメン(と言ってもみんな若いんだがここでは二十歳未満を指す)は口々に言う、「大人っぽくなりたい」「早く大人になりたい」「大人の女性を目指したい」etc.


そして大抵のヲタは言う、「年相応の魅力でいいんだよ」と。


これに気付いているメンバーもいた。
誰だっけ……高木さゆべえ?かな、たぶん。


若い魅力というのは若いうちしか出せないんだから、若いときに無理して大人っぽくする必要はない。大人になれば自然と大人っぽくなるんだし。これぞまさに『大人になれば大人になれる』。


まぁそんなようなことを。




まったくもってその通りであるが、それでもメンバーは何かのお約束のように言うのだ、「大人の女性を目指したい」。




これはひとえに、逆のことが言いにくいからではないかと思ってみた。


つまり、「子供っぽくなりたいです」とか「子供の魅力を出していきたいです」とか言った日には、向上心がないと思われる。


というか、なんかバカっぽい。あるいは(アイドル的に)あざとい。


そう思われそう、という印象がある。


「年相応の魅力」にしても同じことで、それだと「進歩がない」などと言われるだろう。



向上心や進歩というものは、常に未来形、前進の先にあるものだという認識があるのだ。



現代人は、後ろを振り返ること、現状を維持することは、すなわち向上心や進歩の停滞であるという固定観念に囚われている。


メンバーもそんな空気を察し、未来形、つまり「大人になること」を表明して評価を得ようとしているのだろうと推察する次第だ。





さっきも言ったように、多くのアイドルファンはそれを望んではいないだろう。


最近のハロプロの新人ラッシュで沸きに沸いているハロヲタを見ればわかるように、若く初々しい魅力というのはファンを虜にする。


メンバーの大人になりたい宣言もまたすべてが本気ではないかもしれないが、そういったふたつの事情(ヲタの求めるものと、常識的な空気を察するメンバーと)によってこの齟齬が生じるのだった。




そうやってこの連鎖は未来永劫続くだろう。


大人の魅力を得んとするメンバーと、それに異を唱えるヲタの群れ。


これは決まりきった約束事なのだ。
ぶっちゃけ、本気で大人っぽくなるとは本人もヲタも思ってはいまい。


もちろん多少の大人っぽさは出てくるだろうが、それはおそらく、普通の成長である。



この約束事もまた、アイドルを応援する上での通過儀礼……というか楽しみに違いない。



最近のハロプロ新人ラッシュの申し子たちも、いずれ言うはずだ、「大人の魅力を……」云々。


そしてそれを微笑ましく見守り、「年相応でいいんだよ」と言ってあげるのが我々の役割なのだ。




そういうことになっている。










だからなんだどうしたと聞かないでください。


パッと思いついたことを出来るだけ引き伸ばして書いただけです。



オチはない!(・∀・)