キャロル・オコンネル 『愛おしい骨』


愛おしい骨 (創元推理文庫)/キャロル・オコンネル

¥1,296
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数年前の「このミステリーがすごい!」で、海外編1位に輝いた作品。




十七歳の兄と十五歳の弟。ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、時が止まったかのように保たれた家。誰かが玄関先に、死んだ弟の骨をひとつずつ置いてゆく。何が起きているのか。次第に明らかになる、町の人々の秘められた顔。迫力のストーリーテリングと卓越した人物造形。『クリスマスに少女は還る』の著者渾身の大作。(Amazonより)




まるで最果てのような町に帰ってきた主人公を待っていたのは、個性的な町の人々と、夜な夜な玄関に置かれる失踪した弟の骨だった。


誰がなんの目的で骨を置いていくのか。
そして二十年前に森で消えた弟の真実とは。



殺人事件の捜査とはいえ、事件そのものはもう二十年も前のこと。


手がかりも少なく、町の人間はみな個性的で一筋縄ではいかない。


そう、まずこの登場人物たちが曲者揃いである。


中でも家政婦のハンナは、きっと誰もが好きになる魅力的なキャラ。
というか、ハンナ以外はあまり好きにはなれないタイプの曲者ばかりだったりする。


そもそも主人公も(読者に)好かれるタイプではないし、二十年前に失踪した弟の趣味もあまり褒められたものではない。


ヒロイン的な女性もいるが、主人公と久しぶりの再会となるや思い切り蹴飛ばし、車でひき殺そうとするのはもちろんのこと、ついには馬でまでひき殺す寸前までいったという凄まじいツンデレっぷり。(デレは1割くらいだが)




じゃあ物語はどうかといえば、中盤くらいまでは退屈だった。


やっと盛り上がってきたかと思うとまた失速し、また盛り上がり、また失速し……その繰り返しだった印象。



結果的には、つまらなくはないけどこれが1位?という感想に。



アメリカの田舎町をじっくり描いた作品が好きな向きにはたまらないのかもネ。