ハローネタが思いつかないので、こんな話を。
真野ちゃん主演の映画、『怪談新耳袋 怪奇 ノゾミ』を見たんですけど(2回目)、そこで真野ちゃん演じる恵ちゃんが読んでる本がなんともマニアックなものであったことに気付きました。
『久生十蘭全集』、『山尾悠子作品集成』、『ラピスラズリ』、『ク・リトル・リトル神話集』、『ナボコフ ボルヘス』
確認できたのはこれだけですが、なんと言っても山尾悠子!(『作品集成』と『ラピスラズリ』)
なんちゅうセレクションじゃ!
お目が高いと言うべきか、マニアックすぎるというべきか……。
誰が選んだんだこれ。
監督さんかな?
ちなみに山尾悠子とは、その筋では伝説になっているほどの幻想小説家で、まだ存命ではあるものの極端に遅筆であるため、新作が出るというだけでちょっとした事件になる作家なのだ。
しかしそれだけ書くのが遅いのに伝説になるほどに、その筆致は素晴らしい。
『山尾悠子作品集成』は定価1万円近い大書で、書評家の大森望氏によれば「きちんと手を洗って正座して心して読むように」しなければならないほどの神々しい小説なのである。
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しかし恵ちゃん、図書館から借りた本とはいえ、そんな伝説の本をアスファルトに落としてしまうという暴挙!w
だーめだよー。本は大切にしないとー。
ってゆうか図書館の本なら尚更丁寧に扱わないとーw
ホラー映画ということで、ラヴクラフトはわかるんだけど、久生十蘭や山尾悠子を持ってくるのがなんとも言えないセレクション。
まぁ確かにこの「ノゾミ」は、怖いホラーというより切ないホラーでしたけどね。
最近はホラーに℃ハマりしているんですが、テレビの怪談特集見たりホラー映画見たりしても、ちっとも怖くないんですよ。
どうしたことでしょう。
恐怖感覚が麻痺してるんでしょうか。
何を見ても、「ああ、そうなりますか」程度にしか思えない。
特にテレビや映画は、過度に恐怖を盛る傾向にあるから、フィクション性が顕著に浮彫りになって逆に冷めてしまうというのもある。
変なお化けが出てくると、「作り物感」が増してしまうだけ、といいますか……。
いきなり出てきて「ギャー!」というのも、恐怖というよりただビックリしただけじゃないですか。
あんな風に出てきたら、お化けじゃなくても驚くよw
そうじゃなくてもっと、原初的で潜在的な恐怖を……。背筋が寒くなるような、肝が冷えるような恐怖を……。
どちらかと言えば、何かが「出てくる」よりも、誰かが「いなくなる」ほうが怖いと思うんです。
さっきまでいたのに、いない。
隠れる所なんてないのに、いない。
実際このシチュエーションになったら、相当怖いでしょうね。
最初は不思議なだけ。
でも段々「おかしい」と思えてきて、最後は恐怖に包まれる。
ちなみにこれをやり過ぎて地球規模になるとSFになってしまうので注意w
そんなことを考えながら、暑い夏をなんとか乗り切ろうと頑張ってます。