全編新作書き下ろしの日本SFアンソロジー『NOVA1』



NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SF.../伊藤 計劃
¥998
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11人の現代SF作家の新作短編が読める、貴重なアンソロジーだ。



一番一般向け(SF好きじゃなくても楽しめる)のは、藤田雅矢の『エンゼルフレンチ』だろうか。

感動の宇宙探査機SFだ。



個人的に最高なのは、飛浩隆の『自生の夢』

これはもう、さすがといった感じの傑作。SF好きの間だけで読まれるには惜しすぎる作品といえよう。

この作者は、有名な文学賞だってとれるレベルだと思うが、SFが有名な文学賞をとることは、まぁまずない。無念。



円城塔の『Beaver Weaver』は、相変わらず、よくわからない面白さ。

よくわからないのに面白いなんて、実はかなり凄いことだと思う。

この作者の長編が早く読んでみたいような、恐ろしいような……。



『虐殺器官』が売れている伊藤計劃の絶筆『屍者の帝国』は、やはり最後まで読みたかった。

つくづく、作者の急逝が惜しまれる。



他の作品も、全部解説するのは面倒なのでしないが、どれも水準以上の面白さだと思う。



ちなみに、このアンソロジーの第2弾、『NOVA2』が近々出るらしい。

宮部みゆきや、神林長平、東浩紀など、豪華な執筆陣である。こちらも買おう。