ALL THE OLD PUNX VIDEO

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ロックンロール

最近Twitterで「パンクの定義」的な議論がなされていて、めちゃくちゃ考え込んでしまいました。

発端はジョン・ライドンがトランプ支持を表明したこと。本心かジョークかは置いといて、賛同できかねるようなジョンの発言についてはロマン優光氏のコラムを読めば何となく察しがつくと思います。
実際自伝でも「それマジで言ってんのか」と思うくらいめちゃくちゃな言動もあり、本音か単に逆張りしたい意図で言ったジョークか見分けがつかない発言はジョンにとって日常茶飯事ですが。

しかしそれに対してマジレスでキレ出した町山さんは非常に滑稽に見えましたが……。苦笑



それを受けて俺も考えました。



そもそもパンクって簡単に定義づけられるものではなくないか?



正直「パンクとは何か」という問に対して明確な答えは存在しないと思います。

初期パンクを愛好する人にとってピストルズやクラッシュの存在こそパンクだろうし、俺たち世代にとってはハイスタやグリーン・デイ、ブルーハーツや銀杏こそパンクとも思うだろうし、さらにCRASSやMINOR THREATなど独自の主義主張を持つバンドを通ってきた人にとってのパンクの考え方もまた違うはずで、パンクとはその時代、その国、その文化によって異なる価値観をすべて内包したものだと考えていて、何が正しくて何が間違っているという「答え」が存在しないからこそ成り立っているジャンルではないでしょうか。



高校まで親が聴いていた、或いは好きなミュージシャンがよく口にしていたバンドばかり聴いていたため、俺の中でのパンクとは初期のロンドンパンクやニューヨークパンクでした。

しかし大学時代に受けたハードコアの洗礼から、パンクは初期だけではなく今現在まで地続きに繋がっているものだと気付かされ、あまりにも奥の深いパンクの世界にノックアウトされました。
それでもめげずに様々なバンドの音源、ドキュメンタリーや文献に触れるうちに先に述べたような考えに辿り着きましたし、それでもまだ自分の知らないパンクが存在しているはずで、その探究の旅は終わることがないと思います。



一連のTwitterの議論で最も印象に残ったのが、過去のインタビューから抜粋された日高央氏の発言。

パンクが登場して40年近く経った今となっては、シーンの中に『パンクとはかくあるべき』っていう固定概念みたいなものができあがってますよね。でもその旧態依然とした価値観をぶち壊すのがそもそものパンクの精神性だし、(後略)

これ読んで、まさにその通りだと思いました。



日高さんの曲に初めて触れたのはBiSに提供した"BiSimulation"で、アイドルグループの曲としては恐らく史上初と思われるメロディックではないガチのハードコアナンバーでした。
その後彼女が元々ビークル好きで、持っているCDを聴いてみたら"BiSimulation"とは全くベクトルの異なるポップな曲ばかりで。

多分ビークルはブルーハーツやハイスタ、銀杏など時代とともにポップ化されていったパンクの「その先」を見据えて更にポップさを追求していったような気がして、今考えると日高さんは最もパンクを正しく理解している一人なのかも。
またパワーポップというジャンルも、パンクとは全く切り離せない密接に関わったものですしね。



歳と共に頭が固くなり、「パンクとはこうあるべきだ」という固定観念が定着してしまった時点でパンクではなくなります。
パンクとは常に進化し続けるもの。80年代後半からメロディックになったり、スラッシュ、スカ、エモ、ラップなど様々なジャンルと融合して進化を遂げ、今もなお新たなバンドが現れ続けることこそパンクのあるべき姿。

俺の意見は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない。
ただこうやって考えると、パンクって途方もないくらいあまりにも奥が深いでしょ?
9月から10月にかけて、ブランキーの御三方が怒涛のリリースラッシュとなりました。



ベンジーがSHALLOW WELLとして10年ぶりとなる2nd「Spinning Margaret」をリリース、それに関する記事は以前書きましたが、続けてキルズ名義では2年以上ぶりとなるシングル「TOO BLUE」をリリース。

表題曲は美しいハーモニーが印象的で、カップリング2曲も非常に穏やかなテンポの曲となっています。
久々のソロ名義となった「BLOOD SHIFT」、先述の「Spinning Margaret」での試みを経てキルズも新境地に突入したことを予感させます。

キルズとしての旅がまだまだ続くこと自体嬉しいですが、近年のベンジーの活動において非常にロックンロール色が強かったキルズに新しい風が吹いていることご大変嬉しく、次のアルバムが楽しみでなりません。



そして照さん。
9月18日にWELD MUSIC、THEREのサイトをリニューアルしたのですが、同じタイミングでBandcampを開設。
THEREのオンラインショップでは在庫があるものに限りCDを販売していますが、既に廃盤となったディスコグラフィーをBandcampで取り扱い開始。しかもアウトテイク集「Forgotten place -忘れられた場所-」もリリースするという充実ぶりで、配信のみとなってしまうのは仕方ないとして廃盤によりプレミア化してしまった過去作がオフィシャルで購入出来るようになったのは大変ありがたいことです。

自分は今月のBandcamp Fridayのタイミングを待って「Forgotten place -忘れられた場所-」と持っていない2作を一気に購入しました。
まずSignalsの3rd「NAKED FOOL」を聴いていますが、これもやはり素晴らしいですね。勝井さんの脱退を受けてゲストミュージシャンを迎え、最もロック的なアプローチが強い意欲作となっています。



更に10月2日には新プロジェクトROMENの1st「AO」をリリース。
早速購入して一聴したのですが、これも本当に凄い。

ROMENは照さんと細海魚さんとのユニット。細海さんはSignalsの4th「Moon Fiction」2部作からSignalsに加入し、ソロ3rd「IMPULSE」でもプロデュースと演奏を担当。と、昨年辺りから急激に距離を縮めた2人によるROMENの相性は非常に良く、打ち込みを導入することで椎野さんのドラムが肝となるSignalsとは異なるアプローチの音楽を鳴らしていました。

そもそも照さんはJim Spiderとして既に打ち込みを取り入れていて、従来の"新しいロック"に留まらず、テクノ的なアプローチも全く違和感なく仕上げていて、この2人が組めば最早敵なし、と思わせるくらい圧巻の内容となっています。





達也はここ数年の独り叩き、更にコロナ自粛の間に改めてジャズに触れたことで生まれたミソヅラ団など、フットワークの軽さとインスタを活かして即興演奏をメインに活動を続けていました。
ただライブ主体で動いているので今年中のリリースは無さそうだと半ば諦めていましたが、なんとMUGAMICHILLとして新作「MUGAMICHILDREN2」をリリース。

前作「MUGAMICHILDREN」は達也が即興で叩いた音源にナカコーとナスノさんが手を加えて形にしたものですが、同シリーズの2作目となる今作もそれは同じ。面白いのが、達也が時々インスタにアップするような"声ドラム"まで収録されています。笑

しかし音圧が凄いのも前作同様で、まず車で聴いたのですが全身がビートと不穏なノイズに包まれるような感覚になり、恐ろしさと心地良さの狭間に吸い込まれていくように感じます。
環境が整っている人は、5.1の音響で聴くといいかも。





最後に、ブランキーじゃないけどチバ。
SNAKE ON THE BEACHの3rd「real light real darkness」が早くもリリースされましたが、これが本当に凄い!!!

1st「DEAR ROCKERS」は打ち込みをバックにチバがボーカルを載せたような作風で、大沢伸一氏との交流によりエレクトロにも精通しているとはいえバンドスタイルでも十分そうな内容に違和感を覚えることも少なくない内容でした。

それから7年ぶりの2nd「潮騒」ではチバが密かに研究していた"ノイズ"に振り切り、17曲中ボーカル入りが3曲のみ。
ニール・ヤングの「ARC」にも似た実験的な内容は聴く人を選びますが、The BirthdayやMidnight Bankrobbersでは不可能な音楽をSOBで追求する姿勢にミュージシャンとしての矜持を強く感じました。



そして今作。前作が7年のブランクとなったのはThe Birthdayやジーダブ、バンクロなどパーマネントなバンド活動と並行して少しずつ録り溜めるしかなかった制作状況故ですが、今年はコロナウイルスの感染拡大によりThe Birthdayとしては活動休止状態となってしまい、必然的にSOBとしての曲が溜まっていったとのこと。
「出さないと永遠に作り続けるから」という理由で僅か1年でリリースされた訳ですが、明らかにSOBとしての表現が進化しています。

前作ではメインに据えた"ノイズ"を楽器として鳴らし、1stの時のように歌ものが大半を占めた本作。
MVが公開されている"スレンダー"に代表されるように、チバ流シューゲイザーと言うべき"ノイズと歌の融合"を見事に成立させているのが凄い。



チバはSOBの活動としてここに到達することまで見えていたのでしょうか。
コロナ禍が功を奏してあっという間にもの凄い境地へ来てしまったSNAKE ON THE BEACH、この先をもっと見てみたいです。
突然ですが、BRAHMANにハマりました。



とはいえ実際に聴くようになったのは昨年の夏頃から。

昨年のオハラ☆ブレイクで、Midnight Bankrobbersとして登場して間もなく、チバがリラックスした状態で冒頭だけお遊びのように弾き語った曲。
最初は何の歌か分からず、終演後に調べたらBRAHMANの"今夜"で、それまで持っていた硬派なイメージとは裏腹に暖かく心に染み渡るような曲調に衝撃を受け、今までBRAHMANを聴かず嫌いしていたことを後悔しました。



それから"今夜"収録の「梵唄」を借り、遡るように「超克」、「A FORLORN HOPE」、「ETERNAL RECURRENCE」を聴いたけど、実は全然聴き込んでなくて結局「"今夜"は良い曲だな〜」止まりの有様で。
TOSHI-LOWの歌声はめちゃくちゃ好きなんだけどね。

そんな体たらくで1年が過ぎた9月のある日、家のCDを少し整理して売りに行き、査定待ちで軽く中古CDを物色していたら「A MAN OF THE WORLD」を見つけるなり「これって結構レアじゃない……?」と思って(後で調べたら「ETERNAL RECURRENCE」のお陰で市場価格が下落したみたいですね。全然レアじゃない笑)すぐ手に取り、売った金からそのまま出して買いました。



そして翌日の通勤BGMとしてカーステレオから再生した途端、あまりのかっこよさにぶっ飛んでしまいました。
確かにこんなかっこいいアルバム出したら売れるし人気出るよな、と思いましたがそもそも「ETERNAL RECURRENCE」をちゃんと聴いた時点で気付くべきで(苦笑)、"今夜"でハマったとはいえ今まで全然聴き込んでいなかったことを改めて後悔しました。

しかしBRAHMANってハイスタやHawaiian6みたいな所謂"メロコア"とはどこか雰囲気が違いますよね。
高校時代には知っていたけど、メロコアというより"ラウドロック"な感じというか、あまりにも硬派で体育会系なビジュアルからイメージだけで苦手意識を持っていてずっと聴かず嫌いしていた訳ですが、実際に音源を聴いてみると「BRAHMANの違ってる部分」は全然そこじゃなくて。



もちろんメロディックなハードコア・パンクという部分は正しいのですが、個人的には一般的に言われる「民族音楽」の要素より、ミドルテンポでエモーショナルな歌を"聴かせる"ポスト・ハードコアの要素を強く感じました。
特に"ANSWER FOR…"や"BASIS"のようにメロディが素晴らしいけどハードコアではなくて、静かなヴァースからコーラス(=サビ)で感情が爆発するような展開は他の典型的なハードコアにはない「BRAHMANらしい」サウンドだと思います。

またかなり最近の"今夜"からハマったことで、日本語の良さを活かしたTOSHI-LOWの歌詞が本当に好きだし、「超克」以降の日本語メインで歌うようになった"変化"も受け入れることが出来ています。
ただ変則的なハマり方をしてしまったため、間のリリースとなっている「THE MIDDLE WAY」と「ANTINOMY」が未聴という現状です……。



映画「ブラフマン」も観たいんですが、まずアルバムを一通り聴いてからがスタートラインなのかな、と勝手に思ったり。
あくまで自己満足の話ですが。
そういえば。

U-NEXTに加入して、「中原昌也 作業日誌」を読んで、めちゃくちゃ観たい映画が沢山増えたんだよね。

8月である程度消化することが出来ました。



 改めてブログを読み返すと、緊急事態宣言が発令された後に見た映画のこととか全然書けてなかったけど、ここ数ヶ月で100本くらいは観たんじゃないかな。

テンテンコさんの通販特典「テンテン通信」で知った映画とか、集中的に筒井康隆を読み続けて気になった映画とか、初めて見るパンクバンドのドキュメンタリーだったり、B級どころかZ級くらいのサメ映画だったり、、、笑

とにかく興味を持ったものはなんでも観ましたね。



「フランケンジョーズ」で酷すぎて逆に楽しめる映画を確立(?)したマーク・ポロニア監督の「ジュラシック・ビースト」は、案の定映画扱いすること自体映画そのものに失礼なレベルでチープすぎるし、あまりの出来の悪さにまた笑ってしまいました。

一方で知的風ハット氏も酷評していた「デビルシャーク」はこれもチープな上に、ツッコミながら楽しめるほどのエンタメ性もないため、本当に観てて苦痛でした。笑
まあマーク・ポロニアが凄いんだよね。あのクオリティで(ある意味)娯楽性を満たしていることが奇跡。



テンテンコさんをきっかけに観たのは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」や、「お!バカんす家族」、「ハングオーバー」辺りか。普段の俺だったらまず選ばないような作品だけど、観たら結構面白かった。食わず嫌いはダメですね。

そして「ゾンビランド」を2作とも観ました。
しかも2作目の「ダブルタップ」を観た後に、ちょうどジャームッシュの「デッド・ドント・ダイ」が公開になって立て続けにゾンビ映画、しかもビル・マーレイが割とコミカルな役柄で出るという作品を連続して観るという。笑笑



「ゾンビランド」は結構本格的なゾンビ映画だけどホラーというよりアクションコメディな感じで、普通に面白かった。「ダブルタップ」の終盤にやっぱり本人役で登場するビル・マーレイのシーンは正直要らなかったと思うけど、バカすぎてめちゃくちゃ笑ったしアレがないとむしろダメだったのかもね。笑

「デッド・ドント・ダイ」はジャームッシュにしては結構ふざけた内容で面食らったし、しかもメタ展開気味というね。笑
ただ映像の撮り方とかはやっぱりジャームッシュって感じで。その相変わらずな映像美とコメディに振り切ったストーリーとのギャップが新鮮でした。あとゾンビになってもイギーの笑顔が可愛い。



またU-NEXTに加入して少し経ったタイミングで庵野秀明の「ラブ&ポップ」が見放題になって嬉しかったな。
「シン・ゴジラ」でも思ったけど、実写でも庵野は庵野なんだよね。まだ物心つくか微妙な頃の時代の感じがたっぷり詰め込まれていてなんかすごくエモかった。だからエヴァ好きなのかもしれないし。



そして中原さんのオススメの映画。

青山真治監督の「サッド・ヴァケイション」は中上健次の「枯木灘」を思い出した。親父が大好きな小説なんだけど、数年前にやっと読破した時はあまりにも重くてこれを好きな親父の神経を少し疑ったよね。笑
まあ血縁が生む重くて悲しい話なんだけど、タイトル通りに流れるジョニサンの"Sad Vacation"が結構ピッタリだった。

同じ監督の「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」には筒井先生と中原さんが俳優として出演してるけど、こっちはよく分かりませんでした……。
とにかくノイズミュージックを流したかったんだろうね。俺は好きだけど彼女がいるときに観てたから気を遣ってめちゃくちゃ音量下げて見てました……。笑



あとは何気に初イーストウッドだった「ミリオンダラー・ベイビー」、スピルバーグの初監督作「続・激突!」も面白かったけど、一番好きだったのは「ラブソングができるまで」かな。

こういうありがちなラブコメに感動する自分に驚いてるんだけど、何故かめちゃくちゃ感動したんだよね。
ヒュー・グラントの小さなジョークを次々に挟んでクスッと笑わせてくれる感じとか、ほろ苦い大人のラブストーリーな感じとか、王道なラブコメに比べたらだいぶ地味なのが逆に心に刺さったのかもしれない。



あと少し重い話になるけど、人種差別の問題。
最近もジョージ・フロイドさんが亡くなった事件があって、「Black Lives Matter」のスローガンと共にまたスポットが当たりましたが、俺は大学の卒業研究でロス暴動について触れるようになってから、今でも凄く真面目に考えています。

その流れで観たのは「私はあなたの二グロではない」と、「アメリカン・ヒストリーX」という少し対極にあるような2本。



前者は60年代の黒人公民権運動について掘り下げたドキュメンタリー。ナレーションはかのサミュエル・L・ジャクソン。

黒人公民権運動はスパイク・リー監督の「マルコムX」を観て、マルコムXの伝記を通じて知っていた程度だったので、初めて知ることも多かった。
特にメインに置かれた作家ジェームズ・ボールドウィンのことを今まで知らなかったので、観たあと彼の人種問題に関するエッセイも読みました。

印象的だったのは、ジェームズとテレビ番組で対談した白人の有識者のオッサンがあまりにも人種問題に無理解で、恐らくアメリカに住む白人の中には人種問題のことなど全く意識下に無く、それによって無自覚に差別している人もいるのではないかと思った。



「アメリカン・ヒストリーX」はベンジーが昔レコメンドしていたらしいけど、本当に重くてめちゃくちゃ考えさせられた。

主人公はデレクとダニーの兄弟。兄弟の父親はかつて黒人に殺され、その恨みからデレクは白人至上主義に傾倒し、その思想を流布するキャメロンによってネオナチ集団のカリスマに成り上がる。
そんな兄に憧れてダニーも少しずつネオナチに染まっていくが、デレクは家に盗みに入ろうとした黒人グループを射殺して逮捕、3年間刑務所行きに。

ただデレクが白人至上主義に傾倒していった原因は父の死に限らず、元々父親が差別主義的な人間で、しかも貧民層という根強い家庭環境の方が強かった。
貧しい暮らしの中で、黒人やアジア人、更に不法入国者のせいで白人の若者が職にありつけないという「歪な現実」をキャメロンに教え込まれ、その怒りが差別主義を強め、それに共感する仲間が増えていった。
これは映画に限らず、現にアメリカ社会に蔓延る問題だと思います。



白人至上主義の青年を主人公に置きながら、その思想の矛盾を痛烈に描き出し、また彼らがその思想に至らなくてはならないアメリカ社会の病巣を克明に暴いた内容で、本当に凄かった。

多分これを見なければ、「白人はどいつもこいつも差別しやがって」と思ったまま過ごしていたのかもしれません。
しかしこれを観ると白人の若者も黒人たちと同様に苦しみ、同様に怒りを覚えていることが分かりました。
結局、どちらかが正しくて、どちらかが悪いということは無いんです。

ただ「怒り」をヘイトのエネルギーにしてしまうと、悲しみが続いていくだけなんですよね。
ジョン・ライドンが歌った"Anger is an energy"はただ怒りに任せてヘイトや暴力に走るのではなく、怒りによって湧いたエネルギーをもって、有効的にアクションを起こして状況を変えていくべきだということを意味しています。



個人的に怒りのままに起こされた暴動はあまり好きではありません。
"Black Lives Matter"などの活動、行動によって人々に考える機会を与え、意識を変えていくべきだと思います。

そのためには、こういう映画でもなんでも「知る」ことが一番大事なんですよね。





少し真面目に語りすぎてしまいましたが、ちょっとだけ余談。

ベンジーは最近の言動から「右に寄った」と言われがちですが、こうした映画を観るとやはり変わってないなあ、と。
「悪いひとたち」の歌詞なんかまさにそうですが、ベンジーは白人至上主義には反対で。
でも所謂ネトウヨの人のツイートを見かけると、むしろ亡くなった黒人男性の行為を糾弾したり、トランプや白人至上主義の考えに賛同していたりするんですよね。(その考えだと我々日本人も差別される側なんですが……)

そう思うとやっぱりベンジーは右でも左でもないです。なんだかんだでどちらにも属していないのがベンジーなんじゃないですか。









映画の話で長くなりましたが、本の話も。

筒井康隆先生の著作で最後の砦だった、「現代語裏辞典」を遂に読み終えました。
最初に図書館で借りたけど期限まで全然読み終わらなくて、結局文庫本を買って、読み終えるまで3、4ヶ月掛かった……。汗

これはね、一語ずつじっくり読もうとするとやっぱりそれくらい掛かっちゃうのかもしれませんね。本自体分厚いんだけど、それだけ中身が濃かった。

この手の本が一番筒井先生の毒味を味わうことが出来ると思う。とにかくブラックな笑いに溢れてます。



で、これで終わりかと思いきや、もう一冊買ってしまいました。「最後の伝令」。
ここに収録されている「二度死んだ少年の記録」はオーケンの「屋上」という短編に着想を得て書かれたものみたいです。

そのことに気づいたのはその「屋上」が収録されている「リンウッド・テラスの心霊フィルム」を読み返していたとき。
奇しくもずっと廃盤で、しかもオーケン公式の通販でしか買えなかった朗読CD「Sleep well tonight」が再発されて、それを聴きながら読んでいて、巻末の解説を改めて読んで気づきました。
そもそもオーケンは「懲戒の部屋」の解説に寄稿していますが、逆パターンもあったなんて。

そして「二度死んだ少年の記録」を読んでみると、冒頭にしっかりと言及されていました。笑
内容は確かに筒井先生流のオマージュって感じで、こちらも面白い。



そして一度読んだけど「薬菜飯店」を文庫で買ってしまいました。ジョジョ4部を読むと、やっぱり表題作を読み返したくなるんだよね。

あと問題の「カラダ記念日」、そもそも元ネタの「サラダ記念日」を昔教科書に部分的に載ってたのを読んだ程度だったので、今度その元ネタを買おうと思います。笑





あと昨年辺りに急激に深くハマったバロウズ。
個人的にその原点となる「裸のランチ」を少し前に文庫本で買ってたんですが、ようやく読み終わりました。

読んだのは高校生の時以来。当時はビート・ジェネレーションを知ったばかりで、実家にあるケルアックの「路上」、ギンズバーグの詩集とともに読みましたが、まだ知識の浅いガキには難解すぎました。

そしてバロウズの著作をほとんど読み、ケルアックの著作も幾つか読み、ビート・ジェネレーションの考察本やクローネンバーグの映画版など数多くを通過して立ち返って読んだ「裸のランチ」。
やはり難解だなと思うのはやけに専門的なドラッグの単語やカットアップによるバロウズの造語が目立つからで、内容は本当に荒唐無稽。ヤク中とゲイが入り乱れるグロテスクでナンセンスな小説なったんだなあと。



でもバロウズのこのめちゃくちゃな感じがやはり大好きです。実家にあった単行本にはなかった文章もあったから、文庫本買って良かった。

一応「裸のランチ」のブルーレイも近々買う予定ですが、それをもってバロウズの旅は本当に終わります。

あとは気まぐれに家にある本を読み返すだけだね。
多分一番読み返すのは「おぼえていないときもある」収録の「人呼んで神父」。カートと共作した朗読CDを聴きながら。笑
このブログ、だいぶご無沙汰かと思いきや先月にも書いてましたね。

管理人が書いた記憶を失くすブログって相当だと思うけど、アメブロのアプリ自体もう基本的にハロメンのブログを読む用にしか使用してないから、オマケ的にウンチッチレベルの駄文を気まぐれで書く程度に成り下がりました。

しかも元々は小南泰葉さんのアメンバーになりたいがために取得したアカウントだから、やはりこのブログはNatural Born オマケのようなものです。



SHALLOW WELLの2nd「Spinning Margaret」が届きました。

前作の「SHELLBY」を買ったのはまだ大学生の頃かしら。多分SSR通販限定のベンジーのシングルを買うついでに買ったので、リリースからかなり経っての購入でしたが、それから最近まで廃盤状態とは知りませんでした。とはいえ2ndのタイミングで再発したので、未聴の方は是非。

そして「Spinning Margaret」。非常に良い。
これが出るタイミングで「SHELLBY」を聴き直したかったけど、タイミングが無くて比較出来ませんでしたが、前作からかなり進化していることは明らか。



というのも、全編を通してINTERCHANGE KILLSの瞳さんが参加しており、実質SHALLOW WELLのサポートメンバーとなっています。
瞳さんは本職がドラマーですが、結成前まで海外で活動していたため英語は堪能だし、キルズ結成後はキルズ名義を問わずベンジーの楽曲にコーラスで度々参加しており、本作でもメインコーラスを担当。

さらにギターとエンジニア、そして最後に収録された表題曲の歌有りver.ではメインボーカルも務めるなど、その多才っぷりを見事に発揮しています。

正直言って、キルズ結成前は全く無名のミュージシャン扱いだったので、これほど素晴らしい方をベンジーに引き合わせた仲田センパイは大手柄ですよね。今やベンジーの作品には欠かせないメンバーとなっています。



他にも本作にはSHERBETSから福士さんと仲田センパイも参加。お馴染みのメンバーによる、インストメインのSHALLOW WELL。
アートワークこそアメリカの風景を切り取ったような雰囲気がありますが、中身はまるでイタリア映画の陽気だけど物悲しいストーリーを想像させる、サウンドトラックのような世界。
……というのも少し前にベンジーオススメの「ひまわり」を劇場で観て泣いてしまったせいもありますが笑、これが一般流通ではなくSSR通販でしか買えないのはある意味勿体ない気がする。





またSSR通販ではベンジーの画集「Jet Milk Hill」と、福士さんのソロアルバム「13 TREASURES」を購入しました。少し値が張る画集のおかげで、クリアファイルは2枚貰えました。笑

実はベンジーの著書はまだ一冊も持ってなくて、最近の詩集や日記の本も欲しいけど、ベンジーの世界により深く触れるならまず絵画だと思ったし、刊行日順に買おうか悩んだけど、一番は画家にとって一つの集大成となる画集をセレクト。
多分実家にダリやウォーホルの画集(?)みたいな本が結構あったから、それが一番無難だと思ったんだよね。



「Jet Milk Hill」を見て思ったのは、色使いが結構細かくて綺麗。水彩画や色鉛筆のイラストがほとんどですが、色鉛筆だけで同系色の濃淡の加減を出せるんだなとか、どれくらいの種類の絵具を使っているんだろうとか、そんなことを考えてしまうくらい本当に色鮮やかな作品ばかりで、非常に感動しました。

自身の曲をモチーフにしたような絵も多く、ノートに沢山描き込まれた落書きのようなイラストのページではベンジーの考えていることが伺えたりして、改めてベンジーの才能に驚きました。

第一、俺は全くと言っていいほど絵心がないので、こんなにセンスある絵を描けるのは本当に憧れます。
でも結局絵が下手だから、漫画も絵画も見る専門なんだよね。笑





福士さんのソロ「13 TREASURES」はシングル、VA「posessed」に収録された既発曲のリマスターと新曲をコンパイルした内容とのことで、13曲中2曲にベンジーが参加。

しかもそのベンジー参加曲は元々「posessed」(リリースは2000年)に収録され、そこでしか聴けなかったものなのでこうして再リリースされ、簡単に手に入るようになったのは大変助かります。
そもそもベンジーがこの福士さんの楽曲に参加してた事実って今まであまり知られていなかったんじゃないでしょうか……。

またベンジーと福士さんの曲は2人でレコーディングしていますが、その他の曲は仲田センパイ、外村さん、さらにSHERBET時代の水政さんとSHERBETSメンバーが揃っていて、本作は福士さんにスポットを当てたSHERBETSの姉妹盤のような側面があるとも思います。



その福士さんのソロ曲ですが、2000年代初頭という時代故なのか、個人的にはthe brilliant greenやLOVE PSYCHEDELICOのような洋楽っぽいJ-POPだと思いました。
……と言っても個人的にはブリグリやデリコも好きなので、福士さんのソロも非常に好みの感じでした。

また以前実家から発掘されたSTUDIO VOICEに福士さんの「悲しいライオン」が紹介されてることをたまたま見つけて、CDは廃盤だけどなんとサブスクにあるので、これも聴いてみましたが非常に良いです。 



チバにとってイマイさんがミッシェル解散後のキャリアを絶妙な距離感で長く支えているように、ベンジーにとっては福士さんの存在がありました。
共通しているのは、それぞれソロとしても非常に優れた才能を持っているから、ベンジーやチバの新たな側面を引き出すことが出来たことでしょうか。
ベンジーファンの方は、福士さんの音楽にも是非触れてみて欲しいです。






そして16日には「TOO BLUE」もリリースですね。
まだMV公開してないしラジオは未チェックなのでどういう曲かは分かりませんが、SHALLOW WELL効果でベンジー強化期間に突入しているので、もうリリースが待ち切れません。

併せて音楽の人のインタビューを読みました。
音楽の人ってチバやベンジーからめちゃくちゃ重要な話を聞き出してくれる雑誌だと思っていて、今回も読み応え抜群でした。
意外にもここで遂にベンジーの口から公式にブランキーの解散理由が語られました。とはいえ、「ロメオの心臓」以降の音楽性と、「VANISHING POINT」での舞台裏の様子を見れば大方察しているファンが多かったでしょうけど……。



「ロメオの心臓」で打ち込みを多用してから、SHERBETS「SIBERIA」の完成度、さらに「Harlem Jets」の"PANTERA"でベンジーが全部の楽器をこなしたように、ベンジーが求める音楽は既にブランキーで再現することが叶わなくなっていたんですよね。

一番大きかったのはインタビューでも語られているように達也とのグルーヴの違い。
結成後、ツーバスのドラム問題などで苦悩していたベンジー、その才能にいち早く気付きながらも多忙のため最初は距離を置いていた達也。その後とりあえずサポートとして叩き始め、そのまま「ベンジーを早く世に出したい」という思いからイカ天に出演し、見事にデビューしたブランキー。

恐らく長年パンクシーンに携わっていた達也のドラムは、SKUNKの頃までは非常にマッチしていたのかもしれません。
ただしベンジーは少しずつRadioheadなどの音楽に惹かれ、達也はMiles Davisに影響されて複雑なフィルインを叩き始める。やはり決定的に違っていったのは「ロメオの心臓」辺りでしょうか。



そんな二人に挟まれて一番苦悩していたのは照さんだと思います。まだロックンロールをしていたい。その思いがチバとのROSSOに繋がったんだと思いますが、やがてGustavo Santaolallaなどの世界に惹かれ、最もブランキー時代の音楽から離れていきました。

しかし解散理由はともかく、3人が今でも友好的な関係を気付き、お互いの音楽活動を尊重し合っていることは何度も書きますが本当に理想的だと思います。



Twitterで話題になり、「ブランキー再結成」の噂が膨らんでいった3人でのスタジオ入りの件ですが、これは達也が体調を崩した2年前の話だそうで。
確かに達也が体調を崩し、スケジュールがキャンセルになったことがありました。達也が「音を出したい」ということで、特に目的もなく3人でスタジオでセッションしたそうな。

ただベンジー曰く、その時のグルーヴはブランキー解散前よりもマッチしていたとのこと。
ベンジーも語っていますが、時の流れを経てお互いが成長したことで自然と波長がピッタリになったのでしょう。



そして肝心のブランキー再結成説は、ベンジーも公式に否定しました。
もちろん、Twitterで噂になる元凶となったDONUTでのインタビューでも、直接的なことは一切言ってないんですよ。

「3人で新曲」「3人でアルバム」を作りたいという思いは実際にあるみたいですが、あくまで浅井健一名義か、3人での新たなユニット名義でのリリースになるのでしょう。

仮にブランキーをやるなら、全員が杖つくくらいのお爺ちゃんになってかららしいですね。笑
これはベンジー流のジョークでしょうけど、何だか想像するとおかしいしホンワカするしで笑っちゃいました。



ちなみにスタジオ入りの話は「神様はいつも両方を作る」にも収録されているとか。
買うの迷っていたけど、次SSRで何か買うときは必ず買おうと思いました。



余談ですがベンジーが某国を非難した話も載っているそうで、賛否両論ありますが俺は良くも悪くもいつものベンジーだから特段騒ぐことはないよなあ、と。

ベンジーって、多分特定の政治信条は無いと思うんですよ。
昔からビックリするほどに素直な人だから、偏っていようが思ったことが全てだし、それをあまり考えずに発信してしまうのが正直良くない部分もあるけど、本当に変わらないなと思う。



個人的な立場としては、"今は"少し左寄りですよ。
安倍政権にはあまり信頼を置けなかったし、すごく胡散臭いなと思っていた。極右の人たちの嫌中、嫌韓思想もナチズム的で大嫌いだし。

けどベンジーがオススメしていた「新・日本の真実」っていう本も昔読んだことあるし(最終的には宗教絡みの内容になるからあまり鵜呑みしちゃいけないけど)、左翼の人の主張だって全部が全部正しいなんてもちろん思いません。達也のツイートだって全部信じてるわけじゃないよ。

ファンとしては複雑かもしれませんが、「好きなミュージシャンがああ言ってるから俺もそれを信用しよう」なんて盲信は良くないし。
かと言って「好きなミュージシャンがあんなこと言うなんて。もうファン辞めよう」と思う人は最初からその人のことを本気で応援してないでしょ、と思うもん。多分そんなこと続けてたら好きなミュージシャンなんていなくなるかもしれないし、そもそもその人は音楽自体本当はあまり好きじゃないのかも。



ただね、ミュージシャンが云々じゃなくて、そういう話題に一度触れてみて、自分はどう思うかを考える機会にすれば良いと俺は思うんだよね。
「新・日本の真実」を読んだ時も、少なくとも自分が知らない事が沢山あったしあれを読んだことは間違いでは無かったと思う。



ということで。

今年でブランキー解散から20年が経ちました。



そんな折、Twitterでは「再結成か?」と俄かに湧き立つファンが続々と現れるなど、ちょっとした騒ぎになりました。

事の発端は下記インタビューから。




ベンジー、照さん、達也の3人が集まって久々にスタジオ入りし、新曲を作ったとなると確かに再結成に期待を寄せるのも無理はないと思います。

しかし、少々厳しいことを言いますが、ベンジーは「3人で音を出して曲を作った」という事実を述べたまでで、バンドをもう一度やるとか、再結成するという具体的な言及を一切していないんですね。



それでも再結成を望む声が絶えず、痺れを切らして達也は7月20日に投稿したインスタで
「なんか、いまだに、ブランキーやんないんすか、いわれますが、やんねーよ。」 
と再結成説をキッパリ否定。

どうやらベンジーのインタビューが公開された7月7日の深夜にも、Twitterで「ブランキーは死にました」と投稿していたようですが(現在は削除済み)、達也は一貫して再結成を否定していました。



ここまでの流れから、Twitterで「ブランキー再結成は中村が渋っているようだ」との意見も見られましたが、正直な話、3人の中で一番再結成を望んでいないのはここまで一切動きのない照さんなんですよね。

昨年IMPULSEツアーで福島を訪れた際も、「未だにブランキー時代のロックを求められるけど、俺にとってはこういうのもロックだから」と話していた照さん。
今の照さんはGustavo Santaolalla等に影響を受け、ベースとギターで美しく繊細なメロディを鳴らす音楽性に転向し、唯一無二にして孤高のミュージシャンとなっています。

昨年はインスタで(結構)失礼なファンに対し、「ブランキーの真似事だけはよしてくれよ!俺は今を生きるから。」と珍しく反応した照さん。未だにベンジーと組むこともあるけど、久々のロックンロールバンドだったPONTIACSを早々に脱退したことからも今の照さんにはロックンロールが必要ではないことが十分伺えます。





また手厳しい事を言いますが、こういう時に再結成か?と騒ぎ立てる人って、昔は確かにブランキー好きだったかもしれないけど、今の3人を知らない人が多いのかもしれません。

少し前に「今のベンジーって右寄りなんだ……」と軽く話題になりましたが、多分今どころか10年くらい前の時点で既に右傾化が始まっていて、Prints21の特集号では前野徹「新・歴史の真実」を挙げていましたからね。
(ちなみにこの本、高校時代に読みました。オチでズッコケたし鵜呑みしようが無かったけど、自分の視野を広げるためには読んで損はないと思いました。)



俺は拙劣ながら昨年照さんとお話する機会があって、「ブランキーはもちろん大好きですが、今の3人の音楽も大好きです」と伝えたら、
照「ベンジーと達也も凄いところに行っているよね。俺も負けられないよ。笑」と仰っていて、照さんのお二人に対するリスペクトに感動しました。





とにかく、今のベンジー、今の照さん、今の達也がやってる音楽を聴けば、再結成という言葉は決して浮かばない筈。

恐らく今回の新曲は、世に出るとすれば浅井健一名義でリリースされるもの。
またアルバムを作るとすれば、ベンジー名義か3人の連名(或いは新しいユニット名で)になるでしょう。

3人にとってブランキーは大切な思い出で、3人それぞれ大切な友達。そんな関係だからこそ、わざわざ再結成するメリットって全然無いんですよね。



とりあえず今は、久々に3人でレコーディングした曲を聴ける日が楽しみでなりません。
その日まで、キルズを、Signalsを、ロザリオスを聴きましょう。




最近めちゃくちゃ最高なバンドを知りました。



"Acid Blood" from Umeå Punk City.



「Umeå」はスウェーデンの都市ですが、スウェーデンといえばThe Hellacopters、The Hivesなど非常にロックンロール色の強いバンドでお馴染み。

このAcid Bloodは女性ボーカルのハードコアバンドではありますが、音を聴くだけでも存分に伝わるハードなロックンロール・パンク・サウンドは流石スウェーデン。



そしてジャケが最高。
血塗れ&トップレス(画像は自主規制してますが……)という文句無しのアー写ですね。

俺はこれをEL ZINE vol.37で知ったんですが、メンバーのKarlが書いている連載コラム「Umeå Punk City」に掲載されていて、モノクロ掲載にも関わらずジャケ写に惹かれ、すぐさまググったところリリース元のBandcampでLPが在庫ありということで、しかも試聴出来たので1曲目を1分くらい聴いたところで即買い。笑



いや〜本当にジャケも中身も最高です。
彼女にはTHE COMESと並ぶホラーチックなジャケットに「怖いから飾らないで」と言われてしまいましたが、それでも飾ってしまいたくなるほど素晴らしい。
そしてBandcampでLPを買うとDLコードも付いてくることが多いのも良いですね。





それにしても、ここ数年でハマる音楽は女性ボーカルのパンクバンドばかり……。

El Banda、Krimewatch、Exotica、Malimpliki、Kalashnikov、Subversive Rite、Amyl and the Sniffers、そしてAcid Blood。

まだ4冊しか持ってないけど、持ってるEL ZINEは上記のバンドのインタビューが載ってる号だったりするし、読んでるとやはり世界的にみて女性ボーカルのハードコアバンドが勢いを増している模様。



俺は元々好きな女性ミュージシャンが多いんだけど、多分男性ボーカルに比べて"苦手な声"が少ないからだと思うんだよね。個人的に聴きやすい声の人が多いのは女性。
で、女性でハードコアと聞くとまず浮かぶのがTHE COMESで、チトセさんのあの歌声は唯一無二だと思うけど、チトセさんに負けず劣らず、ハードコア然とした歌い方が出来る女性って結構いるんだな、というのを色々聴いてて感じました。

「女性ボーカルのパンクって迫力不足じゃね?」って思う人がもしいたら、上記のバンドのどれでも良いので是非聴いて欲しい。本当に凄くかっこいいから。



ということで、Acid Bloodまじオススメです。
Bandcampの在庫はあと数枚になってたので、LP欲しい人はお早めに!!!



7月1日に、ドラマーのサトウミノルさんがソロアルバム「Big Swing」をリリースしました。



"ドラマーのソロアルバム"という点で大方想像がつくかもしれませんが、ミノルさんの独り叩きがメインのインスト作品となっています。

ドラマーによる独り叩き、といえばここ数年は中村達也がツアーで全国を回って叩く活動が一番有名だと思います。



達也の独り叩きは以前飯坂温泉に来た時に観に行ったけど、ドラム一つの演奏って地味に思われそうだけど、他の楽器に縛られずその瞬間のインスピレーションで自由自在に叩きまくれるから、観てると鳥肌が立つくらい凄い瞬間が沢山あるんですよね。

特に達也は年々セットを縮小していって、今はスネアとバスとハイハットに、タムやシンバルを気持ち程度足すこともあれば全く無い時もあって、音数が少ないから普通は単調になるはずなんだけど、恐ろしい手数で驚異的なビートを生み出すから本当にすごい。

また個人的には、Led Zeppelinの"Moby Dick"で聴けるボンゾのドラムソロがめちゃくちゃ好きだったから、ドラムだけの演奏も全く飽きずに楽しむことが出来ます。




少し話がズレたけど、ドラム独演が珍しくなくなってきた中でリリースされたミノルさんのソロ。
山中湖でレコーディングした、と聞くとイマイさんのソロ2作目「暢気楼」のアナログ盤に付属した無観客のライブレコーディングを思い出しますが、大自然の中で録られたドラムトラックに車のエンジン音や犬の鳴き声などを被せています。とはいえ作り自体は非常にシンプル。

ROSSO時代の「DIRTY KARAT」期は縦ノリメインでミノルさん的には苦手だったんだろうなって思うけど、フリクション時代、そしてROSSOの「バニラ」や「Emissions」で聴ける所謂"横ノリ"の絶妙なグルーヴ感こそミノルさんの真骨頂。
そんなミノルさんによるソロなので、あまり派手な作りではないけど聴いてるとその空気感に圧倒されます。というか、ドラム一つでここまで完成された"音楽"を作り上げられるって本当にすごい。



で、ミノルさんといえば元ROSSO。

よくよく考えると、これで2期メンバー4人全員がソロアルバムを制作したことになります(チバはSNAKE ON THE BEACH名義だけど)。



一番上に載せたのはその4人の最新作をまとめて載せた写真。
面白いのが、リズム隊2人は完全インスト。そしてチバの方がほぼインストで、一貫して全部歌ものなのはイマイさんだけなんですよね。

過去作を考えても、照さんは1stだけ未聴だけど2ndだってやっぱりインストだったし、チバも前作は半分くらいインスト。
3作すべてちゃんと歌ものなのはイマイさんという。笑



それで以下は全部俺の勝手な妄想なんですが(苦笑)、今ROSSOが活動再開したらどうなるのかなって考えてみたり。

きっと1時間ほどのアルバムで5曲、インスト3曲で歌もの2曲。しかもリードボーカルはイマイさんっていう。笑
そもそも昨年出したバンクロのEPが5曲中3曲でイマイボーカルという状況だったから、チバは恐らく自分が歌うよりイマイさんの歌を聴きたいんだよね。笑
(ツアーでもアンコールを考える時「これやろうよ」ってイマイさんのレパートリーを選んでたし……)



照さんのモード的にも"アウトサイダー"とか"サキソフォン・ベイビー"辺りのロックンロールなノリの曲は頑なにやりたがらないだろうから、"シャロン"や"1000のタンバリン"等をより大人しくしてチバが歌うか、照さんのベースに乗せてSOBや「Big Swing」でのノウハウを活かしたセッションで曲作るか、イマイさんの弾き語りをバンドで肉付けするか、だと思う。笑





……あくまで妄想の域を出ないし、活休中とはいえ照さんはまたROSSOやろうなんて言わない気がするから、せめてバンクロにミノルさんが加わるので精一杯かも知れない。泣
バンクロはあの感じだとバスデ、イマイさんのソロと並行してマイペースに続けてくんだろうし、それが一番の希望ですね。

しかしチバさんの後ろでまたミノルさんが叩くのを観てみたい気もする……。






余談だけど、M.J.Q.でミチロウ、キュウちゃんと一緒にやってた久土さんがイマイさん、ミノルさんとも一緒にやってることに凄く「繋がり」を感じる。
というか久土さんの人脈が広すぎるのか……。
先日遂に公式再発されました。

THE STALINの幻の1st「trash*」。



今回再発に至った経緯はEL ZINE vol.41にていぬん堂オーナーの石戸氏が語ったこと、そして遠藤ミチロウオフィスよりマネージャーの伊東さんが語ったこと、それが全てだと思います。

ミチロウの急逝というあまり喜ばしくないきっかけではあったけど、出るべくしてようやく出た再発盤だったと言えます。



「trash*」は俺がTHE STALINを知り、聴き始めた9年前もやはり幻のアルバムという扱いで、あまり大きな声では言えないけど動画配信サイトには堂々とアップされていて、まだニワカな高校生の俺でも普通に聴くことが出来ました。
けど今ほど動画配信サービスが発展していない9年前のことなので、音質は当然悪く、めちゃくちゃ音が割れてしまっていましたが、当時はもう聴けるだけで大助かりという感じで。

ちなみに俺の母親が元々スターリン好きで、最近判明したのが1983年の初め頃にツアーで行った福島公演に行ってたということ。母親も当時はまだ女子高生だった訳ですが。笑
ただ当時福島にまでスターリンの情報がやって来たのも恐らくメジャーデビューしてからなんでしょうね。「trash*」のLPはやはり無し。母が持っていた音源も「STOP JAP」のカセットと「GO GO スターリン」の12インチ、おまけにミチロウエッセイの初版くらいでした……。苦笑



とにかく今回の再発で感動したのが、めちゃくちゃ音質が良いこと。
レコ倫に縛られず、初期衝動に満ちながらも計算された過激なパンクの名盤が正規CDでも聴けるようになったことには本当に感謝しかありません。

一応今回LPも再発されたけど、俺はそこまで拘りごなかったから、9年前から切望していたCDだけ買いました。笑
思えば8年前、解散ライブの完全版が出た時も再発のウワサがありましたね。結局待てどもリリースされなかったのは先に述べた事情があったわけですが、この8年の間にスター階段も正規リリースされ、「STALINISM NAKED」なるサプライズもあり、残すところは「trash*」再発だけのような状態だったので、これが晴れてリリースされたことでもう思い残すことはない気分です。



リリースに携わった方々に心から感謝します。
そしてミチロウへ。突然の訃報による喪失感がいまだに強くあるけど、残した言葉は、音楽は永遠に残る。ありがとう。
コロナ収束はまだまだ先になりそうですが、少しずつ本来の生活に戻りつつありますね。
しかし仕事はここから忙しくなりそう。それでも感染者は絶えず出ているし、油断大敵ってことで。



最近珍しく漫画を沢山読みました。
普段そんなに読まないし、大学生になってからグルメエッセイ的なものを読むようになったけど、読む人に比べたら全然だと思う。



で、一番良かったのが「ジョジョの奇妙な冒険」4部。

ジョジョは3部まで読んでいたけど、それもまだ学生の頃だったんでもしかしたら4、5年越しに続きを読んだかもしれない。笑

そんな長いブランクを経て何故今更って感じですが、4部はアニメどころか実写化もされた(観てないけど賛否両論らしいですね笑)くらい人気の高いエピソードなんだなあというのをVtuber浅井ラムの動画で知り、コロナが落ち着いてツタヤのコミックレンタルが久々に安くなったタイミングでまとめて借りました。



正直ね、ジョジョって面白いんだなとやっと気付きましたよ。笑

3部までのキャラってどこか超人めいたところがあって、4部にも出てた承太郎なんか隙のないザ・少年ジャンプの主役!ってイメージがありました。
でも仗助をはじめ、4部のキャラって凄く人間臭いというか、今までで一番コメディ要素があってめちゃくちゃ親しみがあるんですよね。宇宙人のくだりとか、最初は敵だったのに全く憎めない億泰とか。笑

一方で吉良吉影にまつわるエピソードは少しサスペンスめいていて、そのゾッとするサイコな感じが本当に大好きなテイストで、その絶妙な加減にハマって一気に読み終えた。



5部もいずれ読むだろうけど、3部で終わりにしないで本当に良かった。結局読まずにいたら後悔してたと思う。






他に読んだのは手塚治虫の「火の鳥」。

去年ベンジーがトリビュート盤に参加してたな、と思って読みました。色々考えさせられた。



全話を通じて描かれるのは「輪廻転生」だと勝手に思ってますが、各エピソードのキャラや設定が一部共通になっていて、順に読んでいくと点と点が線で結びつくような面白さがあります。

特に好きなのは鳳凰編。壮絶な生い立ちから若くして殺人も厭わない大罪人だった我王が、愛した女性を誤って殺してしまったことで罪の意識に苛まれ、良弁との出会いを経て仏の道を進んでいく、というのが大まかなあらすじになりますかね。
もう一人、優れた仏師の茜丸は我王に利き腕を傷付けられて絶望するが、 旅を続けて克服するうちに朝廷の加護を受け、権力に溺れて堕落していく。茜丸にとって因縁の相手となる我王は最後に仏師として直接対決となるわけですが、その2人の対比もまた素晴らしかった。



そして我王は源義経をモチーフにした乱世編にも登場していました。ここでは鞍馬天狗として登場していますが、我王が登場するシーンは実質鳳凰編の続編なので、結構嬉しかった。

乱世編に限らず、「火の鳥」は歴史上の事実に基づいたエピソードが多く、多少は手塚先生による脚色があるんでしょうけど「手塚版まんが日本史」といった感じで、そこも凄く楽しめました。
また現在では英雄として語られる人物もストーリーによっては悪人であるかのように描かれていますが、ある意味そこも非常に忠実な描写というか、善悪構わずにそのまま事実を描く姿勢も良かったです。



一方で未来を題材にしたエピソードはとにかくディストピアチックな内容になっています。手塚先生ならではのSFの捉え方だと思いますが、結構考えさせられた。




ちなみに「火の鳥」は俺が通っていた小学校の図書館に何故か置いてありましたが、今になって読むと子供にはキツい内容じゃないかしら。笑

確かブラックジャックも置いてあったけど、"漫画だから"と軽い気持ちで手に取ってたら絶対にトラウマになってたかもしれない、それくらい内容はシリアスです。



先にも書いたように「輪廻転生」がテーマなので、堕落した人間は来世でも人間として生を受けるとは限らない。かと言って現世で過酷な運命にあった人間が来世で報われるかと言えば、そうなる訳でもない。というメッセージに捉えました。

全ては神様の「キマグレ」ということですね。





漫画ついでに、「仮面ライダーアマゾンズ外伝 蛍火」が完結しました。

アマゾンズは仮面ライダー史上最も過激で壮絶だったシリーズでした。
シーズン1は辛うじてBSでも放送出来ましたが、シーズン2はあまりのグロさ、重さから無理でしたね。笑

完結編の劇場版こそR指定はありませんでしたが、設定も考え方によっては非常にグロテスクで、やはり子供には到底見せられない重い内容でした。



「蛍火」はシーズン1とシーズン2の間を繋ぐスピンオフで、アマゾンの視点からシリーズを捉えた内容でしたが、話は次第に"共喰い"をメインに据え、やはり壮絶な展開になっていきました。

このシリーズはどのエピソードも漏れなくつらいですね。東映は関わってないけど「S.I.C. HERO SAGA」のゾンズ編くらいか、ちゃんとヒーローやってたのは。



個人的には昔から仮面ライダーアマゾンの見た目と戦い方が好きで、リアルタイムで観ていた「仮面ライダーアギト」にはアマゾンに似た戦闘スタイルの仮面ライダーギルスがいて、ギルスが本当に大好きでした。

そんな自分にとってアマゾンズは夢のような作品でしたが、遂にコミカライズも完結。本当にお疲れ様でした。






最後に余談。

今は「中原昌也 作業日誌 2004-2007」を読んでます。
中原さんの本をちょくちょく読んでいるという話は前も書いたと思うけど、この本を読んでると中原さんの音楽、映画に対する造詣の深さにただただ驚かされます。ページを開くごとに膨大な映画、音楽の情報が載ってて、めちゃくちゃ勉強になる。