ALL THE OLD PUNX VIDEO

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ロックンロール


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今年の10月はなんとも感慨深い1ヶ月になりました。



そもそも今年は1月に昨年4月から入社した会社を1年足らずで辞めて、非正規で働きながら本採用を目指して勉強をしていて、なんとか筆記試験は通ったけど面接で落ちて、それでも引き続き同じ仕事を続けながら来年度また挑戦するという調子で、あまり思い通りにいかないけど少しずつ本当に目指していた目標に向かっている一年になっているんですが、そんな中で発表されたThe Birthdayの「青空」にどれだけ救われたことか。



最初にYouTubeで1日限定で試聴が解禁された時、あまりにも近年のチバらしい前向きなメッセージと、50歳を迎えた人とは思えない歌声に感動して、とにかくリリースを待ち望んでいたのですが、そのリリース日が10月10日。翌日11日はthee michelle gun elephantが解散してからちょうど15年となる日で、しかもチバがゲストボーカルで参加したKen Yokoyamaの新譜も同日発売でした。

もうチバ祭りですよ。その前の9月25日はやはりちょうど15年目ということで磔磔のDVDを観たし、10月11日は当然幕張のDVDを観ました。ついでに「LAST HEAVEN'S BOOTLEG」も久々に聴いたし、解散の日にリリースされた「エレクトリック・サーカス」のシングルも聴いたりして。

それでもより多く聴いたのがThe Birthdayの「青空」だし、Ken Yokoyamaの"Brand New Cadillac"でした。



二度とミッシェルがいた時代に戻ることはできないけど、その代わりに今もチバユウスケは最高なロックンロールを鳴らし、今も衰えることのない様子で歌い続けている。それって本当に素晴らしいことなんだなと思いました。

そして10月25日、南相馬市でThe Birthdayのツアーに行きました。
生憎仕事の休みが取れなかったけど、チケットはもう取っていたから終業してすぐに車で南相馬まで向かって、着いた時にはもう開演してた。

終わってから知ったけど今回のツアーは"THE ANSWER"から始まっていて、俺は全く聴くことができなかった。着いたら次の"ホロスコープ"を演っている最中だった。でも実際そんなことどうでもよくなるくらい、ひたすらに楽しくてかっこよくて最高の演奏をしてくれた。



ずっと色んなものを抱え込みながら、苦悩しながら走り続けてきたこの1年を、全て受け止めて明日へ繋げるような気持ちになれるのは、全部チバユウスケのおかげだと思う。それくらい俺はチバの歌に救われているし、久しぶりに生でチバの歌を聴いて、4人の演奏を身体で感じて、より痛感した。

生で聴く"青空"は本当に感慨深いものがあったけど、その前に俺は何故か"さよなら最終兵器"を聴きながら泣きそうになってしまったり。
でも「この曲はどうで」とか「これはこういう歌詞だから」とかそんなのはマジで関係なく、今までチバユウスケが書いてきた曲は全てが俺の青春で、ずっと俺を支えてくれるんだろうなと思います。



そういうわけでミッシェルとThe Birthdayに浸りまくってチバユウスケ・マンスリーとなった10月を経て、より前を向くことができたような気がします。

今年はなんだかんだライブに行く予定が全然無くて、南相馬に行く前の9月に飯坂で観た達也の一人叩きがなんだかんだで2月に仙台で観たテンテンコさん以来だったりしたんですよね。

でも実はThe Birthdayを観た2日後に、今度は福島でそのテンテンコさんを仙台で観た時以来にUNITED BANANAを観て、やはり楽しかった。
UNITED BANANAは仙台で活動しつつ天下のサザナミ・レーベルからリリースしたガールズバンドで、2月にバードランドに行った時は直前にCDを買っていたんでテンテンコさんと同じくらい目当てにしていたバンドだったんですが、先日はもっとじっくり楽しむことができたし、2月に軽く挨拶して以来だったにも関わらず覚えてくださってて、とにかく驚きました。

元々YouTubeでMV観たりCDを買って聴いた時にツイートしたことをメンバーさんが反応してくれてツイッター上での交流が軽くあった程度なんですが、実際バンドの人とお話しさせていただくのは畏れ多い部分がありますね(俺も一応バンド活動に足を踏み入れていた人間ではあるけどあくまでファンの一般人なんでね……)。



とはいえそんなありがたい交流もありつつ、2018年も残すところあと2ヶ月となりました。

それで先述したKen Yokoyamaの新譜を買った件なんですが、俺は大学に入るまでほとんどメロコアというものを聴いて来なかったし、ピザから出ている音源も全然持っていない人間なんですが、まさか健さんのアルバムを買う日が来るとはね(ちなみに原爆に健さんが在籍していた頃のアルバムと、BBQ CHICKENS参加の企画盤は持ってます)。
実際"Brand New Cadillac"以外にも良い曲は沢山あったし、改めてKen Yokoyamaは素晴らしいなと、一応アルバムの音源は一通り揃えているので思いました。



そんで今月はハイスタの映画「SOUNDS LIKE SHIT」を観に行く予定です。
今年何度もブログに書いていたパンク映画、とは少し毛色が違う部分があるし、ハイスタのCDを1枚も持っていない俺が観に行くのもなんとなく畏れ多いところはありますが、まあ関係ないよね。実際近年のハイスタの活動にはすごい感銘を受けたし、少しずつメロコアに対する抵抗も無くなってきました。

もう前売り券は買っているので、公開が待ち遠しいです。



そして12月は遂に、人生初のザ・クロマニヨンズを観に行きます。土曜で確実に仕事無いし、チケットは無事確保したし。最高のライブ納めできる予感がします。

ありがとうロックンロール。

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Wau Y Los Arrrghs!!!なるバンドをご存知でしょうか。

未だにこの名前を何と発音するのか判らずにいるのですが、とりあえずザックリ説明すれば彼らは2000年代以降の世界的なガレージ・リバイバルにさりげなく乗っかって現れたスペイン出身のバンドです。
スペインのバンドなだけあって名前はもちろんアルバムタイトルや曲名もだいたいスペイン語なんで、大学とかでスペイン語を履修していたような人じゃないと大抵読めないと思います(俺はドイツ語なら辛うじて読めますが……)。



そんな彼らを何故知ったかというと、たまたまYouTubeで見つけた"Demolicion"の動画にアタマをゴッツい鈍器でブン殴られるような衝撃を受けたのがきっかけ。
なんですが、実はこの"Demolicion"という曲はカバーで、オリジナルは南米ペルーが生んだ奇跡の60'sガレージバンドことLos Saicosの凶悪極まりない代表曲。
The Trashmenのガレージ古典"Surfin' Bird"を魔改造したような最狂アンセム"Demolicion"は2000年代に入るまでガレージ・フリークの間では知る人ぞ知るナンバーだったそうですが、そこにThe Hivesも驚きのパンク精神でより凶悪にアレンジした張本人こそWau Y Los Arrrghs!!!なわけなんです。

とにかく今すぐYouTubeで検索してみてください。
ハードコアなビートに合わせて演奏が始まり、狂ったようなオルガンの音色と共にLemmyもビックリすふくらいとにかく下品でワイルドなダミ声ボーカルが悪魔の呪文「タ!タ!タ!タ!ヤー!ヤー!ヤー!」を唱え出す!

この呪文にかかってしまったアナタはもう非英語圏の奥深きガレージパンク沼から抜け出せません。残念でした。



とまあ何故突然にこのバンドを紹介したのかというと、ずっと欲しかった彼らの1st「Cantan En Espanol」を遂に手に入れたからなんですが、カバーながら最早代表曲とも言える"Demolicion"のみならず、全曲マジで狂ってて最高です。
そして全編に渡ってスペイン語で歌ってるからマジで何歌ってんのか全然わかりません。英語圏のロックを聴きすぎてスピードラーニングバリになんとなく歌の意味が掴めるようになってきた俺でも、流石にお手上げです。でもかっこいーんだ。スペイン語とダミ声ボーカルの相性が良いし、まさにガレージパンク向きの組み合わせですね(わかってくれ)。
ちなみに曲名を見ても何のこっちゃすぎて、"Rey De Tablistas"がThe Trashmenの"King Of The Surf"のカバーだったのもThe Trashmenのアルバム聴いててやっと気付いたくらいだからね。歌聴いててもマジで分からなすぎる。





非英語圏のガレージといえば、これもYouTubeでたまたま見つけたんですが、The Courettesというバンドが凄く良かったです。
女の子がギターボーカルで、男のドラムとの2ピース編成なんですが、まさかの夫婦ユニットでした(要は女の子というべき歳じゃないのかもしれないけど……)。
で、ドラムの旦那がデンマーク出身で奥さんはブラジル出身。一応英語で歌ってるみたいだけど、なんかビックリした。

それでこのバンドの何が良いかって、ギターボーカルの奥さんの方がめちゃくちゃ可愛いんですよ。個人的には表情とかがブリグリとかTommy february6の川瀬智子さんに似た可愛さがあるなって思ったけどどうでしょう。多分最近Tommy february6聴きまくってるせいかもしれないけどさ……笑

でもその可愛い見た目とは裏腹に気持ちいいくらいガレージ向きの歌い方で、ファズを使ったリフもすごくかっこいい。んで旦那はストイックにビートで支えていて、その佇まいが良いんだよなあ。



CD欲しいと思ったら廃盤なのか今は配信かサブスクリプションサービスでしか聴けないです。もっといえばアナログ盤で聴きたいくらいなんだけどね、、、

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騙された気分はどうだい?

奴隷天国というタイトルにしておきながら、エレカシの記事では全くありません。



しかし新曲で"奴隷天国"という単語を使っていたバンドについて書くことは確かです。



そう、亜無亜危異の新譜だ!



亜無亜危異が18年ぶりにリリースした「パンクロックの奴隷」を聴きました。

たまたま先月に、90年代に一度再結成した頃のアルバム「ディンゴ」を購入して聴いた時はアーティストを間違えたのではないかと思ったくらいにヘヴィなサウンドに転向していて度肝を抜かれたのですが、ギタリストのマリの死去を乗り越え、オリジナルメンバーのコバンを加えて再始動した亜無亜危異は原点回帰しつつも今の4人だから生み出せる円熟したロックンロールに行き着いていました。



個人的にはミッシェル活動当時のアベフトシがファンを公言していて、トリビュート盤やギターの藤沼伸一氏のソロ作に参加していた印象がありましたが、今回のリリースに際してコメントを寄せたのがまさかのチバユウスケで、結構びっくりしました。
だったら当時チバもトリビュート盤に参加すれば良かったじゃんと思ったりしましたが、ちょうど先述の再結成時に対バンしてたらしくあのヘヴィなサウンドにはチバも驚いていたらしい。



少し話がずれましたが、俺にとって日本のパンクバンドというとすぐに思い浮かぶ存在の亜無亜危異。先に当時ライバルだったザ・スターリンにハマっていた身ではありますが、現在はミチロウさんと友好的な関係を築いているようでなんか安心。
そのミチロウさんは高齢ゆえか近年は体調を崩しがちで、今月ちょうど俺が住む近辺でライブをやるはずがキャンセルになってしまったりと心配なこともありますが、亜無亜危異の本格再始動ということで日本の初期パンク世代の方々が精力的に活動されてるのは本当にありがたいし嬉しいことです(ついこないだフリクションも奇跡的に活動再開したしね)。



俺は生まれてこのかたずっとパンクロックの奴隷であり続けていたので、もっと奴隷たらしめてくれよ。もっと!もっと!!もっと!!!と強く願っています。
奴隷人生は最高だ。まさに天国行きの気分。パンクロック天国death。

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今年に入り毎月観ることを課していた「パンク映画」。ひとまずのラストは、晩年のジョー・ストラマーが従えたザ・メスカレロスを追ったドキュメンタリー「レッツ・ロック・アゲイン!」でした。



ジョー・ストラマーはザ ・クラッシュの解散後、俳優業やソロとして映画のサウンドトラックへ楽曲提供を行うなどしていましたが、なかなか再起といえる活躍をできずにいました(この時期をジョーは「The Wilderness Years」と呼んでいます)。

そんなジョーが90年代の末に結成したのがザ・メスカレロス。
久々のパーマネントなバンド活動となりましたが、音楽性は後期ザ ・クラッシュよりもさらに幅広く、レゲエ、スカに重きを置きブルースやカントリーなども取り入れた、アコースティック要素もあるサウンドが特徴でした。



俺は高校時代に3作目にしてジョーの遺作となった「ストリートコア」を聴いたのがザ・メスカレロスとの出会いでしたが、正直なところザ・クラッシュのパンクを期待すると、間違いなく裏切られます。
俺自身高校時代のまだ教養が足りない頃はイマイチハマれないアルバムではありましたが、この映画を観るに際して改めて聴いたら、ボブ・マーリーがやはり遺作となった「Uprising」に収録した大名曲"Redemption Song"のカバーの、なんと素晴らしいこと!
ザ・クラッシュではあり得なかった、アコースティックを弾くジョーの優しい弾き語りが堪能できます。



映画でも非常にリラックスした様子のジョー・ストラマーを拝むことができます。自らのルーツとなった60'sガレージについて語ったり、ライブ前に自ら手書きのフライヤーを配って宣伝活動するジョー(!)など、やはりザ・クラッシュ時代にはあり得なかったシーンが多く見られ、晩年とはいえまだ歳も50近くながら非常に落ち着きのある一面が新鮮に見えます。

今となっては貴重なライブ映像も比較的多く、ザ・クラッシュのセルフカバー"Rudie Can't Fail"や"Armagideon Time"、先述の「ストリートコア」に日本盤ボーナストラックとして収録されていたラモーンズの"Blitzkrieg Bop"のカバーを映像で観れるのは本当に凄い!
ザ・メスカレロスはキーボードや管楽器も交えた比較的大所帯のバンドだったため、ザ・クラッシュのセルフカバーは原曲よりもルーツミュージック色が増し、ピッタリ合ってるように感じました(というよりそもそもの選曲もレゲエ、ダブ色の強いレパートリーのためセンスも◎)。





本作はあくまでザ・メスカレロスとして活動していた時期のジョー・ストラマーを追いかけたドキュメンタリーなので、たとえザ・クラッシュが好きでもザ・メスカレロスまで追いかけてないと厳しい部分が正直あります。
しかし、ザ・クラッシュを後期の作品まで追いかけた(もちろん「Cut The Crap」は除いて、ね笑)方なら、ザ・メスカレロス時代のルーツ志向な音楽性もすんなりハマるハズ。

そしてどうしても触れておきたいバンドが一つあって、それは以前紹介したジョー・ストラマーのドキュメンタリー「ロンドン・コーリング」でも取り上げられていたThe 101'ers。
これはザ ・クラッシュの結成以前にジョーが在籍していたパブロックバンドなのですが、これも最高なんです……。
ウィルコ・ジョンソンに憧れてテレキャスターを手にしたというジョー・ストラマーの原点がここには詰まっています。





そして余談!!!

なんとなくで、亜無亜危異が97年にリリースした「ディンゴ」というアルバムを買ってみたんですが、これが非常に良かった!
この当時の亜無亜危異はマリの不祥事から活動休止した後、一時的に復活してからマリとコバンを除いて再始動した頃で、その最初のアルバムがこの「ディンゴ」だったようですが、良い意味で初期の亜無亜危異とは全くの別バンドでした。

97年といえば(安易な言い方をすれば)ミクスチャー・ロックが全盛となった頃に、ヒップホップのグルーヴとメタリックなリフを刻んで流行に乗ったような音を作っていて、初期のストレートなパンクロックからのあまりの変わりっぷりに驚きました。
しかしリズムに乗せつつも初期からブレないブチ切れた日本語詞でがなり立てる茂さんの歌声を聴いた時、「ああこれはれっきとした亜無亜危異のアルバムなんだな」と納得し、これもまた一つの亜無亜危異として受け入れられました。

元々俺はRATMやNIN、日本でもDragon AshやRIZEが大好きだったし、その音楽性を取り入れて新境地に達したエレファントカシマシの"ガストロンジャー"がとにかく好きなので、こういう音は全く抵抗がなかったんですが、まさか亜無亜危異にバッチリ合うなんて思いもしなかったです。



そして亜無亜危異といえば、来月に18年ぶりの新譜「パンク・ロックの奴隷」をリリースしますが、「ディンゴ」を聴いてからあの亜無亜危異がどのように進化しているのか気になってしまって、すぐさま予約しました。
高校時代はどちらかといえばザ・スターリン派だった俺も、今や亜無亜危異の虜に(もちろん今でもザ・スターリンは大好きなバンドですけどね)。良いものはいいんです。どっち派なんて関係ない。



嗚呼パンク・ロックはいつだって最高だ、という気持ちを胸にしてこの文章をジョー・ストラマーに捧げます。

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今年に入って毎月やっていたパンクのドキュメンタリーを2本観る強化期間もそろそろ終わりに近づいてきたわけですが、少し寄り道ではないですが、広い意味で考えて繋がってくる本を読んでいました。



それは黒沢進さんという本の著作集。

色んな雑誌に寄稿した文章をまとめた1巻と、「日本の60年代ロックのすべて」というタイトルが付けられた2巻が出ていて、この2冊さえあれば日本におけるロックの黎明期について十分に理解することができます。

黒沢進氏については、以前「日本ロック紀GS編コンプリート」という本を買って、知られざるグループ・サウンズの魅力を惜しみなく詰め込んだ本でいたく感銘を受けたのですが、上に挙げた2冊は更に深く、グループ・サウンズの時代に飽き足らずアメリカで「ロック」が誕生して日本にも入ってきてから、どのようにロックが受け入れられていかに発展していったのかを、とにかく詳細に記しています。

そう、黒沢進氏とは世間であまり語られない日本のロックの誕生を熱心に研究した音楽評論家で、残念ながら若くしてこの世を去ってしまったのですが、彼が残した著作ほど重要な資料というものは無いと思います。



一般的に日本のロックが大成したのは全て日本語でロックを作り上げたはっぴいえんど、ザ・ビートルズからの影響を強く受けながらロッカーズスタイルに身を包み日本語によるクールなロックンロールを鳴らしたキャロルなど、所謂ニューロックが少し落ち着いた後の70年代前半のロックバンドが出てきた頃だと思いますが、それ以前の、果ては1950年代の歌謡曲全盛の時代にまで言及しているのは本当に脅威的だと思います。



とにかく、これさえ読めば日本のロックの誕生についてしっかり押さえることができるのではないでしょうか。
文量はかなり多いですが、得られる知識と発見もかなり多いです。



個人的には知らなかったガレージ的なバンドも気になるのが多かったんですが、どちらかといえば昔のフォークをちゃんと聴こうかなと。
ジャックスと遠藤賢司と初期のRCサクセションは聴いてたけど、高田渡を聴こうと思いました。
昔成海璃子が自宅のCD棚を紹介して話題になった時に初めて知ったけど、黒沢進氏の文章を読んで「聴いてみようかな」というより「聴かなきゃ!」という使命感に駆られるくらい、今まで通ってなかったのを少し後悔しています。





話は変わって。

パンクの誕生について必ずと言っていいほど語られるのがパブロックであり、その代表的なバンドだったのがドクター・フィールグッド。

先月バンドのドキュメンタリー「オイル・シティ・コンフィデンシャル」のDVDを購入したわけですが、今月は更にそのサウンドトラックと、ライブDVD&CD「ゴーイング・バック・ホーム」を買ってしまったのでより掘り下げています。

サウンドトラックはぶっちゃけマニアには不要なアイテムかもしれませんね。
バンドが直接影響を受けたザ・パラマウンツは音源が結構廃盤が続いてるのでレアかもしれませんが、同じくルーツとなるジョニー・キッド&ザ・パイレーツはパブロック好きの基本アイテムとなるので、もっと聴きたくなるはずだし確実に2枚組のベスト盤を買うべきです。

フィールグッズの音源はというと、意外にも上述の「ゴーイング・バック・ホーム」のCDと曲被りが多くてビックリしました。
そうでなくとも「殺人病棟」からのライブ音源が多く、「ダウン・バイ・ザ・ジェティー」「不正療法」からのスタジオ音源は僅かです。

個人的には好きじゃないウィルコのラスト作「スニーキン・サスピション」から4曲も収録されてるのはバランスを取るためなんですかね?
好きじゃなさすぎてアルバム持ってないからありがたいけど、やっぱり違う気がするなあ……

そして最後にはギターがジッピー・メイヨに交代してバンド最大のヒット曲となった"Milk And Alcohol"も収録されていますが、音が違いすぎるのでオマケみたいなもん。



……なんだか不満ばかりぶちまけてますが(苦笑)、サントラに対して思うことはこんな感じでした。

でもライブ映像と未発表音源がたっぷり詰まった「ゴーイング・バック・ホーム」は最高の出来です。
フィールグッズについては初期のアルバム3枚とこのDVDでほぼOK、更にバンドについて詳しく知りたいなら「オイル・シティ・コンフィデンシャル」を観ろ!それで全てだって感じですね。



そしてウィルコのソロについて、最近になってようやくロジャー・ダルトリーと共演した方の「ゴーイング・バック・ホーム」を聴きました(ウィルコ関係の作品には同じタイトルが結構あってややこしい……)。

個人的にザ・フーが苦手(マイ・ジェネレーションとライブ・アット・リーズ辺りのアルバムは好きだけどネ)で、ロジャー・ダルトリーが歌うっていうのでなんとなく敬遠して聴かず嫌いしてました。



でもいざ聴いてみたらめちゃくちゃ良いですね……。
ブリローに比べちゃあ相性の面では劣ってしまうけども、なんとなくフィールグッズ時代に立ち返ったような渋いR&Bのオンパレードって感じで、まさにパブロックな1枚でした。ロジャーもこういう歌い方出来るんだね……っても思いましたけど。笑

それで、アウトテイクやライブを追加した2枚組のデラックス盤が少し後に出てて、輸入盤だと1枚組の国内盤より少し高いくらいの額で買えたので、通常盤が出たタイミングで買わずに良かったのかなとも思いました。それは少し得した気分ですね。



ウィルコといえば、ようやく自伝「不滅療法」を買いました。
まだ読んでる最中なんですが、ウィルコの視点に限られるとはいえ文章ということで「オイル・シティ・コンフィデンシャル」よりも更に掘り下げて知ることができるので結構面白いです。
この流れでウィルコ単独に焦点を当てたドキュメンタリー「The Ecstasy of Wilko Johnson」も国内で公開かDVD発売して欲しいんですが、難しいのかなあ。
ウィルコの親日っぷりを考えれば絶対やってくれるハズなんですがね。



そんなわけで飽くなきロックンロール探訪はまだまだ続きます。
先日はザ ・ローリング・ストーンズが自身のレーベルからルーツとなったブルースのコンピレーションをリリースするというニュースがあって、トラックリストには既に持ってる曲もいくつかあったけどこういうのをオフィシャルでリリースするとは夢にも思わなかったので、今から凄く楽しみにしています。

ロックンロール、ガレージロック、パンクロック。俺が好きな音楽はシンプルなようでいて、非常に奥が深い。
その泥沼に沈み込まれそうだけど、それすら楽しいように感じます。

探求の旅はまだまだ続く……。

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以前仙台のレコード屋で見かけたこのアナログ、とあるきっかけで別の店で「アウト・ブルーズ」の7インチを購入してから、思い出して同じ店に久々に訪れたら売れちゃってて後悔。

そんで筋肉少女帯のCDをディスクユニオンの中古販売で買うついでに、なんとなく調べてたら比較的安く状態の良い盤が売ってるではないか!ということで購入。

我が家に2枚目のミッシェルアナログ盤がやってきました。



それで、以前「アウト・ブルーズ」のアナログ盤を買ったときに、CD音源と違ってレコーディングのテープを回した瞬間のノイズやカウントなどCDではカットされてる部分も収められている、という話をしましたが、
「ベイビー・スターダスト」の場合は3曲全てCDと全く同じ音源でした。

でもやはりアナログ盤で聴くと気分的なものかもしれないけど音が違うように感じますね。迫力あるというか、分厚くなったというか。



結局のハナシ、CDとアナログで本当に僅かな音源の差異があるのは、「アウト・ブルーズ」から「GT400」までのどれかのシングルまでということになりますね。
「スモーキン・ビリー」と「GT400」のアナログ盤も手に入れたいなと思いました。

もちろん「G.W.D」以前のシングルのアナログ盤や、アルバムのアナログ盤も欲しいのですが、なかなか難しい道のりではあります……。

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来月に買う予定が、前倒しで購入してしまいました。Teengenerateという世界的に伝説のバンドとして知られる、日本が生んだ最強ガレージパンクバンドのドキュメンタリー。

2018年の初めから長きに渡って個人的に続けてきたパンク映画企画の一環としてDVDを買ったんですが、この映画自体は以前レンタルして観たことがあります。
しかしセルDVD限定の、膨大なライブ映像や未公開シーンを収録した特典ディスクが観たいがために、わざわざちゃんと買いました。



この映画はアンダーグラウンドでありながら世界的に強い影響を与え続けている日本独自のガレージロックシーンを紹介する作品として「GARAGE ROCKIN' CRAZE」と並び大変貴重なドキュメンタリーです。
しかも、「GARAGE ROCKIN' CRAZE」を監督したマリオ・クジク氏は90年代の僅か2年間のみの活動だったTeengenerateをリアルで体感した世代ではなく、同作にはTeengenerateについてあまり言及はされていないので、加えて「GET ACTION!!」を観ることで、1980年代末から少しずつ盛り上がって独自の文化を築いてきた日本のガレージシーンの全貌をようやく理解できると言っても過言ではないと思います。



Teengenerateは活動当時から日本ではほとんど知られていない、非常にマニアックなバンドと言わざるを得ないのですが、前身バンドのAmerican Soul Spider時代からアメリカへと渡り、メンバーの脱退によってTeengenerateと改名してからもアメリカでのライブ活動や現地のレーベルから音源をリリースを行い、その人気はヨーロッパへも渡って日本が誇るガレージパンクバンドとして世界的に評価を得るに至りました。



しかし結局日本国内で全国的な知名度を得ることはないまま1995年に解散してしまったのですが、同時期に活動していたギターウルフをはじめとしてTeengenerateに影響を受けたバンドは数多く、その後直接的な関わりのないバンドですがthee michelle gun elephantの台頭に始まり、ギターウルフやMAD3といったバンドが次々とメディアへの露出を果たした90年代末のジャパニーズガレージバブルに至るきっかけとなりました。
(Teengenerateの活動がもう少し長く、FACTORYなどのイベントに出演していたらきっと全国的に知られるバンドになっていたんだろうなと本気で思うくらいです……)



そもそも俺がTeengenerateに出会うきっかけは、ギターウルフがメジャー1st「狼惑星」でカバーした"Let's Get Hurt"を聴いたことでした。
ただ俺がギターウルフを聴き始めた高校時代には全く気づかず、大学時代にコピーバンドを組むにあたって久々にブックレットを読み込んでいた時に初めて気づいたのですが……(苦笑)

ともあれTeengenerateがオリジナルと知り、YouTubeで原曲を聴いた時の衝撃は今でも忘れられません。
ただでさえ音の粗いギターウルフよりも遥かに粗く、速く、かっこいい!
日本にこんなバンドがいるなんて思わなかった。教えてくれたギターウルフ自体も狂うくらい大好きなバンドだけど、一時期狂ったように毎日Teengenerateの曲を漁って聴くくらい、ひたすらのめり込みました。

そしてギターウルフのコピーバンドを組んだ際も、"Let's Get Hurt"のみTeengenerateのバージョンで演奏しました。とにかくみんなにTeengenerateというバンドの音だけでも感じて欲しかった。この辺りでは俺だけしか知らないこの伝説のバンドを、もっと広めたいという思いが強くありました。





Teengenerateの解散後、メンバーはそれぞれFirestarterやThe Tweezers、The Raydiosを結成して活動していますが、映画にもある通り何度か再結成を果たし、映画の公開前後にもライブを行いました。
ただ、再結成といってもパーマネントに活動することは叶わず、記念的なイベントの際に出演する程度に留まっています。

それでも現在は彼らに影響を受けたバンドが日本には多く存在しています。
映画「GARAGE ROCKIN' CRAZE」に登場したような、Back From The Graveに出演するバンドには、どこかTeengenerateの幻影を見るようなサウンドを奏でるバンドが多いように感じます。
一度ライブを観たことのある、俺が大好きなThe FadeawaysもTeengenerateの影響を感じるし、こうしたバンドを集めたコンピ「I don't like Sex」も「GET ACTION!!」の関連CDとしてDVDと同日に発売されています。



一方Teengenerateの音源自体は廃盤により入手困難なものもありますが、名盤「Get Action!」などはiTunes Storeで落とせたりするので、実物に拘らなければ手軽に音源を聴けたりもします。





最後に、95年12月23日の、ライブ盤にもなった下北沢シェルターでのライブ直前のMCがとても印象的なので紹介します。

「ワカリマスカ?ロックンロール!!!」



ここにはTeengenerateのとにかくピュアで、ひたすらかっこいいロックンロールをただただ感じて欲しい、これを観ずしてロックンロールを理解した気になるんじゃねえよ!という熱い思いを感じました。





Teengenerateはロックンロールそのもの。本当に最高のバンドです。存在してくれて、ありがとう。

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これをコベインと呼んだアナタはニルヴァーナ検定2級です(適当)



3年前くらいに公開された「モンタージュ・オブ・ヘック」という映画を当時劇場で観て、わざわざDVDも買ったんですが、その映画公開の少し前のタイミングで、「病んだ魂」というニルヴァーナの公式バイオグラフィー本を読んでから、カート・コベインという若くして自殺したロックスターのパーソナルな側面に強く興味を持ちました。



中学時代にニルヴァーナに出会ってからずっと大好きで聴いてたし、実家に「Live! Tonight! Sold Out!!」のVHSもあったのでテープが擦り切れるほど観てました。(後に特典映像付きのDVDを買い直したくらい)

大学に入ってから改めて熱心に聴くようになり、「Bleach」と「In Utero」はデラックス盤を購入し、なんとなく聴かずにいたライブ盤「From The Muddy Banks Of The Wishkah」も買って聴き込んだし、中古で運良くボックスセット「With The Lights Out」も買ってちゃんと聴いたくらいにはマニアに近いレベルまで達しました。



ここまで深くハマり込んだのは先述のドキュメンタリーとバイオグラフィー本の影響ですが、カート研究はこれで終わりませんでした。

映画「モンタージュ・オブ・ヘック」公開時には劇場でパンフレットが発売されなかった代わりに、参考書というべき大型本と膨大なコレクションの中に眠る数多くのデモテープから編集されたサウンドトラック(という名の宅録音源集)も発売され、当然両方とも手に入れました。



さらに、かつてロッキング・オン社からは先述の「病んだ魂」と同様に2本の著書が発売されています。

一つ目はカートの半生について関係者へのインタビューやコートニーから許可を得て閲覧した数多くのコレクションを基に綴った伝記「HEAVIER THAN HEAVEN」(この制作経緯は「モンタージュ・オブ・ヘック」と非常に似ていますが、こちらの出版がうんと先でした)。

2つ目は、その「HEAVIER THAN HEAVEN」執筆にあたって発見された数多くのカート自筆の日記を、大型本として出版した「JOURNALS」。

そして、この2冊に加えて、「HEAVIER THAN HEAVEN」の著者チャールズ・R・クロス氏が、執筆時に参考にした数多くのコレクションを視聴覚でより深く触れることのできる大型資料集「COBAIN UNSEEN」を出版しました。



この「COBAIN UNSEEN」をやっとの思いでつい最近入手したのですが、ここまで書いた全ての本を手に入れるにはかなりの労力とお金がかかりました。

カート・コベインという人物については数多くのことが既に語られているので今更語るまでもないとは思いますが、しかしセンセーショナルに語られてきたポピュラーな一面ではなく、彼の生涯における真実を知るためにはここまで膨大な資料を目にし、理解し、感じることなくして叶うことができません。

それほどカートの人物像というものは、繊細で混沌としたものというわけです。





しかし、わざわざ故人となったロックスターのパーソナルを残された資料や証言から生々しいほどありのままに描き出すことは当然批判も多くありますが(現にザ ・ストゥージズのドキュメンタリー「ギミー・デンジャー」を非常に限られた証言や資料からシンプルなタッチで制作したジム・ジャームッシュは、カートの映画「モンタージュ・オブ・ヘック」について痛烈に批判している)、カート自身はたとえひどく恥ずかしいような内容でも、自分の日記が誰かに読まれ、自らの考えや人物像を理解してもらうことを強く望んでいたことがリチャード・R・クロス氏によって語られています。

だが皮肉なことに、カートはロックスターになるにつれて自らの意思とは異なる人物像をタブロイド紙によって勝手に作り上げられ、言われなき誹謗中傷に苦しみ、逃げるようにしてヘロイン中毒の道を辿り、結局自殺してしまいました。
そして「早世したロックスター」として半ば伝説化されるのとは裏腹に、このように優れた著書によって本来の姿を世間に伝えられ、良識ある音楽ファンから理解されるようになったときには既に故人になっていたことも、皮肉的なものと言わざるを得ません。





俺ほど熱心にこれらの著書に興味を持つのはよほどのニルヴァーナファンでなければなかなかいないとは思いますが、カートの闇の深い内面に触れるのは、結構エグくてしんどいです。

あの悲劇のロックスターのような悲しみを帯びたかっこいいミュージシャン像を期待すると、180度裏切られるくらい実は情けなかったり、醜い部分も当然あります。ガッカリしてもうニルヴァーナを聴けない、そんな人がもしかしたら出て来てしまうくらい、どうしようもない男だったりします。

でもその人はその人で全然構いません。一般的なイメージのみを保ったままニルヴァーナを聴くのも全く問題はありません。



ただこれだけは言っておきたい。
カート・コベインという男に深く触れると、ニルヴァーナの聴き方が驚くほど変わります。

ただ音を聴いてかっこいいと思っていただけの曲も、そこに込められた感情や思いに触れ、非常に人間臭い感触を伴ったものに感じられます。



実際俺は、それまで何とも思わなかった「Sappy」という曲が、狂おしいほど切なく、愛おしいものになりました。

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今年1月から始めた、毎月2本パンク映画を観るシリーズもいよいよ終盤となり、リストに挙げていた観るべきパンク映画も残り少なくなりました。



今月は既に2本観て、それは前回の記事にさ書いたものですが、先月は試験のためお休みとなっていたので、更に2本追加で観ました。
しかも今までは予算の都合上レンタルで済ませていた(但しほとんどが店に置いてないマニアックな作品扱いなので少し高めの料金を払って取り寄せたもの)のですが、追加した2本はそもそもレンタル扱いがなく、通販サイトでも気を抜くと売り切れて1万近くなる代物だったりするので、思い切って購入したものです。



というわけで例によって2本とも紹介します。





まずはザ ・クラッシュの「ルード・ボーイ」。
この作品はセックス・ピストルズの「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル」と並びパンク映画の金字塔たる作品と名高いのですが、何気にレンタル扱いがない作品だったため、気軽に映画DVDを買えない学生時代の俺にとって今まで観れなかった映画なので、やっとの思いで観ることができました。



この映画はドキュメンタリーというよりもラモーンズの「ロックンロール・ハイスクール」や先述のピストルズ映画と同様にストーリーがあり、メンバーが演技をするフィクション映画です。
この映画のストーリー自体はポルノショップ店員をやめ、ザ・クラッシュのローディーとしてメンバーと共にツアーを回ることになった"ルード・ボーイ"の視点からザ・クラッシュの姿を捉えたもので、ローディーに対しても優しいジョー・ストラマーの兄貴肌だったり、フィクションではあるもののメンバーのプライベートを垣間見ることが出来たりして興味深い作品です。

まあ、ストーリー自体はあまり面白いものではないんですが……(苦笑)。

しかし、先述のピストルズ映画と大きく異なるのは、ピストルズの方はマルコムとの確執によりジョニー・ロットンがほとんど関わっておらず、崩壊したバンドの姿を敢えて利用した半分悪ふざけの作品に見えますが(当方ジョンの自伝を愛読するくらいのファンなため、ジョン側に立っての記述であることを了承願います……)、
「ルード・ボーイ」はまだ「動乱」をリリースした頃の、次作でミュージシャンとして大成する直前の非常に活気溢れていた頃のザ・クラッシュに密着した作品のため、挿入されるライブ映像もとにかくかっこよすぎる。



ザ・クラッシュのヒストリーをしっかりと追ったドキュメンタリーなら「ウエストウェイ・トゥ・ザ・ワールド」が非常に分かりやすくオススメですが(俺は昔ミュージック・エアというCSのチャンネルで放送されていたので観ました。DVD-Rに焼いて今でも大切にしてます。)、
非常にかっこいいライブ映像や貴重なプライベートの姿をたくさん観たいなら「ルード・ボーイ」も必携です。





次に「オイル・シティ・コンフィデンシャル」は、パンクに直接的に影響を与えたとされるパブロック・シーンの最重要かつ最も代表的なバンド"ドクター・フィールグッド"のキャリア、特に結成から初期のバンドを支えたウィルコ・ジョンソンの脱退までを描いたドキュメンタリーです。

監督はジュリアン・テンプル。彼はやはり先述の「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル」でメガホンを取った監督ですが、その後も同じピストルズの「ノー・フューチャー」、そしてジョー・ストラマーの急逝に際して作られた「ロンドン・コーリング」と長くパンクシーンに関わりの深かった映画監督です。
その彼が、「ノー・フューチャー」、「ロンドン・コーリング」に続いて70年代のブリティッシュ・ロックシーンを回想した3部作を締めくくる作品として制作したのが、この「オイル・シティ・コンフィデンシャル」です。



ドクター・フィールグッドについてはこのブログを覗いて頂いてる方であれば大方知っているとは思いますが、「Down By The Jetty」「Malpractice」「Stupidity」という3枚の傑作を残し、強烈なダミ声とブルースハープが光るリー・ブリローと狂人のようなパフォーマンスとフィンガー・ピッキングによるマシンガン・カッティングの超絶ギタリストことウィルコ・ジョンソンを擁し70年代半ばから後半にかけて活躍したイギリスの最強バンドです。

元セックス・ピストルズのジョニーことジョン・ライドンも自伝「怒りはエナジー」で影響を語っていたり、ジョー・ストラマーもザ・クラッシュの結成前にはウィルコと同じテレキャスターを手にしてThe 101'ersという分かりやすく影響を受けたパブロックバンドで活動していたりとパンクに直接繋がるバンドでありますが、
日本国内ではウィルコと鮎川誠の交流に始まり、THE ROOSTERSやTheピーズ、thee michelle gun elephantといったバンドが影響を公言し、ウィルコ自身も頻繁に来日する親日家であったりと非常に関わりの深いバンドだったりします。

特にthee michelle gun elephantはメンバー全員が影響を受け、彼らの影響でフィールグッズを知った人も少なくないと思います。(俺はまさしくその一人)



とまあ少し話題が逸れてしまいましたが、俺はギターを弾くにもウィルコ・ジョンソンからの影響が計り知れないのでついつい熱く語ってしまうのを了承で、映画について紹介していきます。

映画はオリジナル・メンバーの4人が育ち、バンドを結成するに至ったイギリスのキャンベイという石油工業地域(というか小さな島ですね)がどういう場所だったのか、そのバックボーンから始まり、彼らに影響を与えた音楽や時代背景からバンドの成立、人気と成功、そしてウィルコ脱退による第1期の終焉までをジュリアン・テンプル特有の手法によって描いています。

ライブシーンはあまり多くはないけど、商業的な活動を行わず地道にライブを重ねていた彼らがどうして「Stupidity」で全英1位となるほどの人気を得たのか、それが後の世代にどれだけの影響を与えたのか、その当時をファンとしてリアルタイムで見てきたジュリアン・テンプルの熱意によって、非常に分かりやすくなぞっているのが個人的に嬉しかったです。

そしてウィルコが最も影響を受けた人物、ジョニー・キッド・アンド・ザ・パイレーツのミック・グリーンについて幾度となく言及していたのも良かった。



リージョン・コードの関係で当然国内盤を買ったんですが、日本版DVDには本編を超える長さの特典映像が付いたりして、本当に充実した内容です。
(とはいえ全てインタビューなんですが、あまり資料のないこのバンドにおいて、リー・ブリローとウィルコ・ジョンソンが自らのルーツをたっぷりと語るインタビューは本当に貴重!!!)



この映画が作られた後、ニュースにもなったようにウィルコは末期のすい臓がんであることを告げられ、余命幾ばくもない中わざわざ来日して日本のファンに別れを告げた後、遺作としてザ・フーのロジャー・ダルトリーと共作した「Going Back Home」をリリースしましたが、末期のすい臓がんと思われていた病気は実は癌とはまた異なる症状であることが判明し、その後手術によって無事完治という奇跡的なカムバックを果たしました。
そして2017年には自伝「不滅療法」を出版、2018年には完全新作のオリジナル・アルバム「Blow Your Mind」をリリースするなど、一度余命宣告を受けたとは思えないほど精力的に活動を続けています。

ただ実は、ジュリアン・テンプルはウィルコの癌告知からの奇跡的なカムバックを追いかけたドキュメンタリー「The Ecstasy of Wilko Johnson」を2015年に制作しているのですが、残念ながら未だに国内では公開される見込みがありません。
今年の9月にも約1年ぶりに来日公演を行うウィルコの、新作リリース&来日記念としてこのドキュメンタリーの日本公開も是非果たして頂きたいところです……。





さて、あまりにも好きすぎて肝心の映画の内容そっちのけで思いを語り過ぎてしまっていますが笑、個人的に、世間的にドクター・フィールグッドというバンドは過小評価されていると思うので、こうしたバンドを広めるためにも、「オイル・シティ・コンフィデンシャル」は非常に重要なドキュメンタリーだと思います。
(本来ならレンタルの取り扱いがあって気軽に観れるようになっていればもっと良かったんですが……)

俺は結構ディスクガイドの本が好きで、特に渋谷陽一氏が書いた「ロック ベスト・アルバム・セレクション」は俺がロックを聴き始めた頃からずっと愛読してるんですが、この手のロック史を総括したディスクガイド本を手に取るとだいたいドクター・フィールグッドやパブロックというジャンル自体が黙殺されているように感じられるのが、個人的にはとても悲しく思います。



確かにドクター・フィールグッドの音楽は地味です。ハードロックやプログレみたいに大袈裟でなければ、パンクのように過激なサウンドでもない。
非常にシンプルで、時に泥臭いサウンドではありますが、一聴して地味に思えても聴きこむとロックンロールの旨味を凝縮したような強烈なかっこよさに酔いしれるハズ。

俺は大学でギターを始めて、元々ミッシェルやドクター・フィールグッドが好きだったのをギターを弾くようになったことでよりその魅力に気づき、「俺はもうカッティングしか刻まない!速弾きなんか死んでもやるか!」と胸に誓うくらい、この手の音楽に随分と狂わされたものです。



あと、このブログでは以前熱狂的なほど「ガレージ・パンク」というジャンルについて詳しく書いた文章を載せましたが、パブロックというジャンルはとにかくプリミティブなロックンロールを追求するという点でガレージ・パンクと非常に近いものがあります。

ガレージとパブロックは成立した時代が違うものの殆ど兄弟のようなジャンル、否、The InmatesやCount Bishopsなどはまさしくガレージ的なパブロックバンドだったし、つまりパブロックは70年代中期の英国におけるガレージ・リバイバルムーブメントだったのではないか?(結構な暴論) 

とまあめちゃくちゃな論理になってしまうのでそろそろ締めますが、ロックンロールを追い求める者にとってパブロックは避けては通れない道です。
パンクも当然70年代後半に勃興したロックンロール再興のムーブメントでしたが、同じく重要なムーブメントだったパブロックについて、詳しくなりたいなら絶対に「オイル・シティ・コンフィデンシャル」を観るべきです。

ロックンロール!

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「7月/july」といえばbloodthirsty butchersですが、こないだ梅雨明けしたと報道があったにも関わらず、福島は来週いっぱいまで雨の予報です。明けたはずの梅雨に入り蒸し暑い日が続く7月、マジで毎日クソみたいな気分です。(死)





先月は試験のために休んでいたパンク映画毎月観るシリーズも今月から再開し、早速「ROCKERS(完全版)」と「極悪レミー」の2本を観ました。



「ROCKERS」は70年代に制作されたジャマイカ映画でなければ、陣内孝則がメガホンを取ったTH eROCKERSのドキュメンタリー風映画でもなく、日本における最初のパンクムーブメント"東京ロッカーズ"シーンを追いかけたドキュメンタリーです。

実はYouTubeにもさりげなくアップされている作品ではあるのですが、それはVHSをダビングしただけの古く画質も悪い動画だったりするので、わざわざYouTubeに頼らずDVDで見たほうが絶対良いです。なんてったって「完全版」なので。(ここ重要)

東京ロッカーズの主要バンドの貴重なライブ映像はもちろん、クールかつユニークなインタビューやかのザ・ストラングラーズのライブ映像まで入って、やけにインテリ気質でアーティスティックなバンドが揃った日本独自のパンクシーンがいかにして誕生したのか、しっかりと押さえることが出来ます。
個人的にザ・ストラングラーズは苦手なバンドの部類なんですが、映像を観て彼らがピストルズやクラッシュといったバンドとは異なり、その高いアート性が東京ロッカーズの面々を刺激したんだなとよく伝わりました。
あと個人的に東京ロッカーズといえばフリクション。一番好きなアルバムは何気にイマイアキノブ氏が参加した90年代の「Zone Tripper」だったりするんですが、ツネマツマサトシがいた頃の非常にキレキレな演奏をDVDの画質で拝めるのは本当に素晴らしいと思います。圧倒的大感謝……。



ただ唯一不可解なのが、映画の最初を飾るLIZARDのライブシーンの直前、誰だか知らんオッサンの肖像イラストが割と長めの尺で画面にデカデカと映される部分。アレはマジでよく分からなかった……。





そして「極悪レミー」はモーターヘッドの故レミーを追いかけたドキュメンタリー。



ここで「いや待てよ、レミーとモーターヘッドはパンクじゃなくないか???」と聴いてくる人がいたとしたら俺はソイツをリッケンバッカーのベースでブン殴りますよマジで。(真顔)

たしかにモーターヘッドはパンクではありません。

じゃあヘヴィメタル?ハードロック?

いやそれも違う。



モーターヘッドはれっきとしたロックンロールバンドです!!!



この作品にコメント出演したミュージシャンには実際HR/HM畑の人が多くを占めますが、その中にクラッシュのミック・ジョーンズやダムドのキャプテン・センシブルなどパンクの人も少なくなく、ジャンルを超えてレミーがいかに愛されていたのかがよく分かります。



レミーのジャンルを超えたスタンスは人間関係に限らず、ジャンルに縛られずに自分を貫くライフスタイル。暑ければ太もも丸出しの短パンを履くし、どんな時もマルボロとコーラのジャック・ダニエル割りは手放さない。女好きだがドラッグは嫌い(特にヘロイン)。無愛想で口は悪いが憎めないキャラクター。その全てがレミーであり、彼が体現するロックンロール精神そのものである。

モーターヘッドを知らなくても、ロックンロールが好きだったらこの映画を観ずして語ることはできない。
自我流の「ロックンロール道」を生き続けたレミーの人生がこの映画に全て込められています。



ということでもう少し詳しく語ると、この「極悪レミー」はダムドのドキュメンタリー映画「地獄に堕ちた野郎ども」の監督ウェスオーショスキーが、そのダムド映画に先駆けてグレッグ・オリバー氏と共に制作した映画です。

時系列ではないもののカメラを持って本人を追いかけながら、そのキャリアを分かりやすく総括してまとめた作風はたしかに通じるものがあります。



カメラ嫌いなのか何度もカメラに向かって悪態をつきつつも、インタビューには独特のユーモアを交えて真摯に答えるレミーの姿は「極悪」とは程遠く、その人柄が多くのミュージシャンを惹きつけた要因なのかもしれません。

個人的には、レミーをとにかく尊敬し、かつ親友として過去にも数多く共演してきたデイヴ・グロールがドラマーとしてレミーとセッションしていたシーンが嬉しかったなあ。
またレミーがベースを弾く姿を結構アップで映すシーンが多かったので、今まで意識してなかったけどベーシストにも関わらずピック弾きでギターのようにストロークする弾き方には驚きました。このピッキングが生み出すギターにも近い独特の音色が、モーターヘッドのあのサウンドを生み出していたんですね。



レミーは既に還らぬ人となってしまいましたが、死ぬことを恐れず、健康が云々なんて全く考えずやりたいように生き続けたレミーの姿は、ロックンローラーの最も理想的なあり方なのかなと思わされました。
非常にかっこよく、チャーミングなレミーに実際に会うことはもう叶わないけど、この映画にはその生き様が永遠に刻まれています。



モーターヘッドは世界最高のロックンロールバンドだ!!!!!





ということで、今月のパンク映画はここで終わるはずだったんですが、今月は特別に購入したDVDも2本あるので、週末にかけてまだ続きます。

次は待ちに待ったザ・クラッシュの「ルード・ボーイ」と、ドクター・フィールグッドの「オイル・シティ・コンフィデンシャル」の2本。非常に楽しみです。

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