引き続きペルーの旅。

 

飛行機でペルー第二の都市、アレキパに向かう。現地は標高2300m。クスコと比べて低い。すでに高山病の初期症状は克服していたが、万全とはいいがたい中、これまでの体調を整えるいい機会になる。

 

アレキパに行った最大の目的は、保存状態のよいミイラを見ること。ペルーにはあちこちでミイラやそのたぐい(加工済みの頭蓋骨)を見ることができるが、15世紀に生贄にされた少女ファニタの遺体は、加工されることなく自然な姿でミイラとなり(正確には凍ったまま腐敗せず保存され)、1995年に発見された。

 

ファニタに関する説明は次のサイトにある。(苦手な人は閲覧をご注意ください)

 

ファニタは博物館の奥に設置されている。たどり着くまでには当時の文化風俗を説明する展示をいくつか経る必要がある。彼女が捧げられた理由、どのように行われたか、その学術的な推察など知らされたうえで、最後に彼女のご遺体に会うことができる。

 

何もまだ13歳の女の子を生贄にせずとも……いくら文化も時代も違うといっても……最後の時間は麻薬でうつらうつらしていたらしく、恐怖は最小限だったろう……でも死因が頭への一撃だなんて……などといろいろな気持ちが頭をよぎる。

 

そして目の当たりにしたファニタのご遺体に対峙すると、なんだかこみ上げるものがあった。

 

客観的に見れば、訪れた人をこういった気持ちにさせるうえで、ファニタの展示は文化的に上手くいっていたといえるだろう。ペルーの博物館にはほかにも大量のミイラがあるし、対戦後に首を取られ、トロフィー扱いされた戦士の頭部があちこちで展示されている。好奇な眼差しのもと展示されるそれに比べると、ファニタは格段の扱いである。とはいえ、生贄にされてしまった子供の遺体を見るのは、やはり別の気持ちが浮かんでくる。

 

ファニタのいる博物館の写真撮影は禁じられていた。その後はアレキパの街を散策し、風景を写真に収める。

 

ところで私はアレキパでもう一つやりたいことがあった。野生のコンドル観察である。しかしそれにはアレキパから丸一日をかけたハイキングが必要になる。旅程の都合上、アレキパ滞在に許されるのは一日だけ。その一日をコンドルに使うか、ファニタに使うかの選択を迫られ、私はファニタを取った。まあコンドルは、運がよければこのあとどこかで見られるかもしれないし。

 

しかし現実は甘くない。この後、さらにペルーを周遊するも、野生のコンドルに逢うことはなかった。ペルー内にはいくつかコンドルを見ることのできる地域があるが、どれも一日をかけて山奥に入らねばならぬ。巨大な鳥が人里近くにそう簡単に飛び回っているわけはないのだ。

 

今後ペルーに行く予定はなし。残念ながら今生で野生のコンドルを見ることはなさそうだ…。

 

 

以下、アレキパの街並み。地元の白い岩を用い、スペインの建築技術を使った建物から成る、美しい街並みが印象的だった。いっぽう欧州とは違う「緩さ」もある。ミイラやコンドルに興味のない人でも、行ってみる価値はあると思う。

 

町の中心部は世界遺産に登録されているらしい。

 

ニューメキシコのサンタフェに似ているな、と思ったが、そういやサンタフェもスペイン人が作った街だから似ているのは当然か。

 

石畳の街並みで、欧州の都市ににている。

 

展望台から。街をのぞむ。