昨日は、FFCC(フランス料理文化センター)主催のセミナーでAOCのお勉強をしてきました。
前回はチーズのAOCについて、今回は肉のAOCについてのセミナーです。

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前半は、大澤隆先生から歴史背景も含めた詳細なAOCの成り立ちについての説明を受け、後半はAOCのシャロレ牛についてさらに踏み込んだ説明があり、そこから実際の試食へ。

大澤先生の講座は何度も受講していますが、溢れんばかりの知識を惜しみなくどどーっと大放出してくださるので、本当にいつもエキサイティング。
同じ話でも、聞くたびに新しい発見があるから不思議です。


シャロレ牛のAOCについては、ノーザンエクスプレスの花岡さんが講義をしてくださいました。

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年間160万頭出荷されるシャロレ牛のうち、厳しい規定審査をパスしてAOCを取得できるのはわずか1000頭程度だとか。
これぞまさにブランド牛ですよね。

花岡さん曰く、「シャロレ牛は40ヶ月前後が最も味わい深い」のに、日本は30ヶ月以内の牛肉にしか輸入許可が降りないそうです。
シャロレ牛を名乗るための最低期間が28ヶ月ということなので、日本に入ってくるのは本当に若いシャロレ牛だけということになります。
本領発揮したシャロレ牛の美味しさを味わおうと思ったら、もうフランスに行くしかないってことなんですね~・゜・(ノД`)・゜・。

もう少し、具体的な肉類のAOC規定や畜産農家の現状なんかも知りたかったなーと思いましたが、
まずは食べてその価値を実感せねば!
ということで、試食はAOCのシャロレ牛と、そうでないシャロレ牛との食べ比べです。

これが通常のシャロレ。
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こっちがAOC。
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比べてみると、断面の発色が明らかに違いますね。
AOCのシャロレはとても鮮やかで艶もある。
火入れ温度も火入れ時間も同じとのことなので、これは確実に肉質の違いでしょう。

味わいは…うーーん。違いが難しいなあ。。
どちらもとても上質な赤身のお肉で、十分に美味しかったです。
強いて言えば、AOCのほうが確実に熟成香が強かったですね。肉質も若干脂身が混ざるせいか柔らかかったし。

ただ、霜降り崇拝な日本人の価値観からすると、こういう噛んで噛んで味わいを引き出すタイプの赤身肉は評価が難しいかもしれませんね。
最近では赤身肉が流行り始めてはいるものの、まだまだ市場価値としては難しい…という花岡さんのお話にも納得。

そしてやっぱり、40ヶ月のシャロレ牛が食べたい!と思うわけです。

だって、日本で食べられるシャロレ牛は、チーズでいうなら6ヶ月熟成の若いコンテのようなもの、ワインでいうならリリースしたてのサロンのようなものってことですよね?

30ヶ月、36ヶ月熟成のコンテを食べないと、20年熟成したサロンを飲まないと、そのブランドのブランドたる所以が理解できないじゃないですか。
シャロレ牛も、やっぱり同じことだと思うんです。

あ~、早く輸入規制が緩和されないかなー(涙)

手前がAOCシャロレです。
あ、シャンパンも飲みました♪
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AOCについては国内議論も高まっているし、ワイン法の制定なんかも話題になっていますが、
今こそフランスのAOCについて、その仕組みや成り立ちを知ることが本当に大切ですね。

歴史的、文化的な背景を知れば知るほど、日本がフランスの真似をして同じような法律を作っても何の意味もないということがよくわかります。
日本とフランスの歴史や現状の違いを考慮しつつ、日本では何が求められているのか、何を守り、何を目指した法律を作るのかをしっかり考えていかなくては。

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ちゃーんとセルティフィカまで頂きましたしね。


いやいや、本当にたくさんのことを考えさせられ、学ばせていただいた有意義な時間でした。
得た知識を自分の中で消化しつつ、みなさんにもしっかり還元できるように頑張ります!