今日から新年度ですね。
通勤電車も、しばらくは乗り慣れない若者たちで大混雑することでしょう。
ここ数年、子供たちの進級にばかり気を取られていましたが、
今年は久しぶりに、自分が入行した時の事なんかを思い出しました。
ああ、あの年も桜がきれいだったよなあ、と。
私が新卒で入ったのは、大手の銀行。
あんまり(っていうかぜんぜん)ガラじゃないなあと自他ともに感じながらの就職でしたが、
入行前から同期の友達もできてたりしたので、
みんなで大手町のOLさんになるのも悪くないなあなんて、それなりに楽しみにしていました。
が。
蓋を開けてみたら、配属先は「システム管理部」なんていう銀行に存在することさえ知らなかった部署。
しかも、場所は市谷にある別館。
しかも、同期配属は二人だけ。
あれ?あれ??あれ???
…っていうのが、当初の正直な感想でした。
が。
行風なのか私の運のよさなのか。
初日、配属が決まると各部署から先輩方が新人ちゃんをお迎えに集まってくるんですが、
私たちのお迎えがびっくりするぐらい美しい方で。
しかも、緊張気味で若干落胆気味の私たちを気遣ってか、
わざわざ四ツ谷から桜のきれいな線路沿いをずーっと歩いてくれたんですね。
桜を見ながら歩いているんだけど、どんなところに行くんだろうとかどんな仕事をするんだろうとか、
不安で不安でいっぱいで、でも桜はすごくきれいで、淡い期待も交じってみたりして。
なんかもうね、あの時の景色は忘れられないです。
そして、古びたビルの入り口でさらにショックを受けつつ中に入ると、
その古くさい建物の中で働いている方々が、みんなものすごい美男美女!(に見えたw)
特に女性の美しさたるや!!なんだここ!!
しかもですね、みなさんものすごく優しい。先輩も上司も、すごく優しい。
びっくりするぐらい気を遣ってくれるし、丁寧に教えてくれるし。
もうほんとに右も左も、むしろ言葉すらわからないんじゃないか私ぐらいの状況の中で、
周囲の方々の暖かさは本当にありがたかったです。
でも、ふと我に返ってよくみると、決して暇な部署ではないんですね。
みなさん、本当に忙しそう。残業だって当たり前。どうやら深夜に及ぶことも多いらしい。
海外関係の部署だったから、誰かしら出張して飛び回っているし。
何やってるかわからないけど、とにかく忙しそう。
それなのに、あれ?
自分って何の役にも立ってないんじゃない?
新人ちゃんなんだから、当たり前よ。ゆっくり覚えてね。と、先輩たちは優しく言ってくれる。
嫌みじゃなく本当に、温かく見守ってくれてるのがわかる。みんな本当に、優しいの。
でもそのぶん、辛い。
役立たずな自分が辛い。
自分が不甲斐なくて、切なくて、定時に帰る帰り道で泣いたこともあったっけ。
よく考えると、誰にも強く怒られたなんてなかったし、
誰かに追い立てられたり、無理を強要されたりすることもなかった。
ただ自分が、「なんとかこの人たちの役に立ちたい、認めてもらいたい」って、勝手にあがいていた感じ。
本当にみんないい人たちだったから。
こんな風に思える職場で働けたっていうのは、今考えるとものすごく貴重でありがたいことですよね。
銀行でお世話になったのはわずか3年。
その後は無謀にも料理の世界に飛び込んだ私ですが、
この3年間で得たものは、本当に大きかったなあと今でも思います。
人を育てる側、会社を経営する側に立つようになって、
この3年間から感じることはさらに増えました。
「どんな経験も、無駄にするかしないかは自分次第。」
これからたくさんの経験をしていくであろう新社会人にエールを!
そして、これから彼らを育てていく辛さと真摯に向き合う先輩社会人に、さらなるエールを!!