一回1死一、二塁、国学院久我山の四番江川尚輝選手は鋭い振りで快音を響かせた。左越え二塁打。先制の2打点を挙げた。
一緒に暮らす父方の祖父隆之さん(78)は元高校球児。千葉県の千葉一(当時)の遊撃手で甲子園に出場した。野球は祖父に教えられ、小学生の時
は、祖父と自宅でティーバッティングをするのが日課だった。「練習を手伝ってくれる祖父への恩返しになる」と甲子園が目標になった。
こつこつと練習を重ね高校では一年の秋から主砲としてチームを支えてきた。シード校として臨んだ今大会は3回戦から登場
し、準決勝を含む5試合
で打率六割を誇る。
この日も4打数3安打の活躍。しかし、3点を追う七回の1死一塁では、内野ゴロの併殺に終わった。「絶対に返す、と力んでしまった。ここ
まですべてコールドで勝ってきて、接戦
を経験していない。精神面の弱さが出た」と悔やむ。
祖父は今大会
もずっとスタンドから声援
を送ってくれた。「3安打とも芯に当たっていない。まだまだ」と納得していない。それでも「祖父のアドバイスする『コンパクトでシャープな振り』はできていた」と胸を張った。 (林朋実)