誤接続といえば、

「機体を制御する2種類の装置の配線を逆に接続していた」(重工業 2007年10月)、「水道管と防火用配水管が誤って接続されていたため、家に続く支管から、ため池に生息していたドジョウが出てきた」(民家 2008年5月)、「駅構内のトイレの汚水が浄化槽を経ずに駅近くを流れる川に排水されていた」(鉄道 2009年3月)、「汚水配管系統の更新工事をした際、トイレや従業員食堂の汚水を流す汚水配管を、下水処理場につながる排水管ではなく、空調などの排水を川に流す排水管に誤って接続していた」(デパート 2009年4月)、その他、医療の世界でも、ガス管や輸液ラインの誤接続による事故が発生しています。

「気合いが足りない!」


のではなくて、確認不足。確認不足を補えない設計ミス。設計ミスを引き起こす現場知らず。現場知らずを生みだす出張費の削減。いくらユーザーを理解しろったって、字面を追っても、並べられた数字を追ってもわかりっこないよね。現場に行って、現物に触れて、行動観察しなきゃ。



「起きる可能性のある不具合は、起きる」(マーフィーの法則)


大切なのはこのセンス、先見の明。可能性が何パーセントとか議論する前に、物理的に(誤った接続が)できないようにしようよ、というのがヒューマンエラー防止の考え方。




トリチウム含む水24年間放出=配管誤接続が原因-柏崎原発1号機

11月5日22時19分配信 時事通信

 東京電力は5日、柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)1号機で、放射性物質トリチウムを含む水を24年間、誤って海に放出していたと発表した。微量で外部環境への影響はないとしている。排水配管の誤接続が原因という。
 柏崎原発によると、東芝の関連会社が1985年の運転開始前に工事をした際、原子炉格納容器内の装置から廃液処理用タンクに接続する配管を誤って接続。同年以降、1カ月に約210ミリリットルのトリチウムを含む水を放出していた。

s23 さて、公的資金(税金)を使って再建することが決まった日航ですが(税金は特に“あの高額の企業年金”にあてられる)、国交相が送り込んだ「JAL再生タクスフォースチーム」は十分な成果を上げることを許されずに、ほぼ自然解散に近い状態。国交相に「法的整理(民事再生法のこと)を選ばない」だなんて、早々と言明されてしまっては、「企業再生支援機構に支援を仰ぐのが適切です」って報告するしかないじゃない。おかしな話だよね。会社更生法を適用すれば、新会社で中核事業は継続できるし、不採算部門や企業年金は旧会社で精算できるし、いいことづくめじゃない。

「法的整理になれば、飛行機が飛ばなくなる。」とか、「独占禁止法上も1社寡占は望ましくない。日本航空の再建で全日本空輸との競争が維持されることが利用者メリットになる。」なんてことがありえないのは(あっても数日か?)、「業務」を「継続」するために作られた「法律」を「適用」するという話だから。

国交相や民主党は「企業再生支援機構」を使ってみたかったのかな? 下記にあるとおり、「経営陣の派遣などの再生実務を主導する」ことができるからね。表舞台に出たいんでしょ、って勘ぐられてもしかなないよね。餅は餅屋に任せないとどうなるかは「かんぽの宿」で十分わかったはずだけど。。。            

■企業再生支援機構 官民共同で200億円を出資して設立した政府系機関で、1兆6千億円の公的資金を投入できる枠を持つ。業務期間は5年間。関係者間の利害調整のほか、金融機関からの債権買い取り、対象企業への出資、経営陣の派遣などの再生実務を主導する。対象企業の経営が改善した後は、新たなスポンサーに譲渡して再建を終える。


さて、「心をひとつに立ち向かおう・・・」って、あなたの会社はOBも含めて労組も経営もバラバラじゃない。。。。

「客離れ誘発に危機感」をお持ちなら、問題のシーンごとに反論してみてはいかがでしょうか。「企業の信頼を損なう」ことがあったのなら清算してはいかがでしょうか。というのが筆者の意見。「こんな不正があるわけがない」というおどろおどろしい記述には、それ相応の根拠が必要かと。。。

法的手段に打って出て、透明化を図るのもひとつの手かもしれません。


「沈まぬ太陽」、社内報で批判=客離れ誘発に危機感-日航

11月3日3時0分配信 時事通信

 経営再建中の日本航空が、同社をモデルにした公開中の映画「沈まぬ太陽」(山崎豊子原作、若松節朗監督)を社内報で取り上げ、「当社を取り巻く厳しい経営状況は世間の注目を浴びている」との認識を示した上で、「企業として信頼を損なうばかりか、お客様離れを誘発しかねない」と批判していることが2日、分かった。混迷する再建をめぐる社内の危機感が浮き彫りになった形だ。
 社内報は映画公開直前の10月21日付。「心をひとつに立ち向かおう 風評・批判に惑わず」と大見出しが躍る。
 映画で描かれている社内の報復人事や役員の不正経理、政治家・旧運輸省幹部らへの利益供与や贈賄について「こんな不正があるわけがない」と一刀両断。「国民航空」の名称やジャンボ機墜落事故の克明な描写から「『フィクション』と断っているが、日航や役員・社員を連想させ、日航と個人のイメージを傷つける」と反発している。
 また、事故をめぐって「作り話を加えて映像化し、商業的利益を得ようとする行為は遺族への配慮に欠ける」と非難。さらに「しかるべき措置を講じることも検討している」と法的手段も辞さない姿勢を見せている。

ふーん下請け企業に対するトヨタのコストダウン圧力は尋常ではないと聞いている。他社様の工場に土足で立ち入り、ストップウォッチ片手に作業効率の悪さを追及して建議するのだから、たまったものではない。やれ、手待ち時間が何秒あるだ、ラインが長すぎるだ。仮にトヨタサさまさまとはいっても、他社向けの製品も作ってたり、多品種少量生産方式を採用してたりする企業もあるであろうし、製造にはトラブルがつきものなだけに、それを解決する時間と手足をもがれてはたまったものではないだろう。大企業の社員に、中小零細企業の何が解ろうか。

ところで、マグロの養殖に成功した企業は、次に、四角い生けすの四隅で「泳ぐのをなまけているマグロ」を目にした。そこで生けすを円形にして、泳げ、育て、引きしまれ、と効率を追求したところ、マグロたちがバタバタと死んでいった。「人間も自然の一部なんだ」と考えれば、何かが見えてくる、ような気がしないでもない。

事務系の社員を本格的に組み立てラインに入れるのは、トヨタというメーカーにとっては異例なのかもしれないが、筆者は別に驚かない。むしろ、購買系を含む事務系社員が、お膳立てなしの「本当の生産現場」で働いてみて、すべてが大学の論文や参考書のようにはうまくいかないことを知って欲しいと思う。

できれば、「不安全な状態を発見して、安全にする術」も身に着けて欲しいと思うけど、それは四角い生けすを丸くするに値しそうなので、やめておこう。


トヨタ苦肉の増産策、大卒社員を生産ラインに

10月31日14時31分配信 読売新聞

 トヨタ自動車は、今春入社した大卒事務系・技術系の新入社員約900人を来年1月から約3か月間、工場に配置し、車の組み立て作業などにあたらせる。
 大卒の新入社員は研修などで工場勤務を経験するが、本格的に組み立てラインに配置されるのは異例だ。
 トヨタの生産現場では、「プリウス」を始めとするハイブリッド車(HV)の好調な販売などで人手が不足しているものの、コスト削減のため新たな雇用は難しい。需要の先行きも不透明なため、当面は、新入社員の活用という「苦肉の措置」で乗り切る考えだ。
 新入社員は工場や販売店での研修を終え、10月に本社や研究所などの各部署に配属されたばかり。再配置先は、プリウスを生産する堤工場(愛知県豊田市)など主力車種生産工場が中心になる見込みだ。

最終更新:10月31日14時31分

コンテナ船、追突避けようと急旋回…護衛艦事故

10月29日15時26分配信 読売新聞

 海上自衛隊の護衛艦「くらま」とコンテナ船の衝突事故で、コンテナ船は前方の貨物船に約2倍の速度で近づき、追突寸前になっていたことが、第7管区海上保安本部(北九州)の調べでわかった。

 コンテナ船は、貨物船を避けようとして左へ急旋回してほぼ真横を向いた状態になり、対向する航路を進んできたくらまとぶつかったという。

 7管が分析したコンテナ船、貨物船のAIS(船舶自動識別装置)データなどによると、貨物船は約6ノット(時速11キロ)で東方向へ航行し、コンテナ船はその約2倍の12~14ノット(同22~26キロ)で進んでいた。

 貨物船は、海上保安庁の関門海峡海上交通センターから無線で「コンテナ船が接近している」として右側へ寄るよう促された。貨物船はかじを切った際に減速し、コンテナ船が追突しそうになったという。

 7管幹部によると、コンテナ船はくらまと衝突した衝撃で停止したが、衝突しなければ山口県下関市側に座礁した可能性もあったという。

 7管は、コンテナ船の操船に問題があったとの見方を強め、業務上過失往来危険容疑で乗組員らから事情を聞いている。

海保が追い越しコースを指示=海自護衛艦衝突のコンテナ船に-7管

10月28日18時31分配信 時事通信

 海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナスター」が関門海峡で衝突した事故で、第7管区海上保安本部は28日、コンテナ船が前方の船を追い抜く際、同本部の関門海峡海上交通センターが「左側を追い抜いてください」と情報提供したことを明らかにした。
 コンテナ船の運航会社は取材に対し、「右側から抜こうとしたが、指示を受け、左側から抜こうとした際に衝突した」と話している。

護衛艦「くらま」衝突事故 韓国海運会社「管制室から左側から追い越すよう指示」

10月28日12時47分配信 フジテレビ

27日夜、北九州市沖の関門海峡で起きた護衛艦とコンテナ船の衝突事故について、衝突したコンテナ船を所有する韓国の海運会社は、関門海峡の管制から「左側から追い越すよう指示を受け、事故が起きた」と話している。
南星(ナムソン)海運の担当者は「関門管制室から左側から追い越せとの指示があり、進路変更する途中に事故が起きたと聞いています」と話した。
韓国籍のコンテナ船「カリナスター」を所有する南星海運によると、船は韓国・釜山(プサン)を出港後、27日午後7時ごろに関門海峡に進入し、航行中の船舶を右側から追い越そうとした。
その際、関門海峡の管制から「左に曲がって追い越せと指示があり、左に曲がってから右に曲がる途中に事故が起きた」と説明している。
カリナスターは釜山と大阪や神戸を頻繁に往復し、船長も関門海峡を通過する経験は豊富だったという。