二回目は、昨年の統計で細菌による食中毒患者数が最も多い
サルモネラについて話しましょう。
サルモネラは割と有名じゃないでしょうか?

この菌は畜肉全般で注意しなければいけないのですが、
鶏肉なら、前回お話したカンピロバクターと同じ対策で防止できますし、
牛、ブタ肉については、それらによく着く別の菌の対策で防止できます。
ですから、話をわかりやすくするために、敢えて、

「卵を使う時注意しなければいけない菌」としてお話します。


サルモネラの成人での発症菌数は1g当り1万~10万個以上と言われてます。
ですから、大人は管理が悪くて菌が増えた食品でないと発症しにくいのですが、
子供や老人ではずっと少ない菌数で発症することが知られています。

特に卵はお弁当に使われる食材であることを考えると、
お母さんの責任は重大です。
それでは対策を書いていきます。


/中毒が怖い人は、卵料理もきちんと熱をかけましょう。
特に、小さな子供には生や半熟、半生の卵料理を食べさせるのは控えましょう。


サルモネラは70℃1分の加熱で死にます。
カンピロと同じように、気持ち長めに加熱するだけでもかなり効果があります。
卵は熱を通し過ぎないほうがおいしいのは事実なんですが、
子供が食べる場合などは硬くなるまで熱を通しましょう。
大人の分は自己責任でお好きな加減で召し上がり下さい。
私は半熟が大好きです。(^_^; アハハ…


∪戸颪鮨べるのが好きな人は、卵を低温ケースで販売している店で買いましょう。


常温で籾殻に入っている卵はおいしいそうに見えますが危険です。
また、生で食べる場合は、賞味期限をきちんと守り早めに食べる習慣をつけましょう。

実は卵は生食しないのであれば、常温でもかなり日持ちします。
購入後冷蔵庫で保管したものを、きちんと加熱して食べる分には
表示してある賞味期限に縛られる必要はありません。
仮に少し切れても、すぐに捨ててしまうのは賢い選択とは言えないと思います。
期限が切れたものは固ゆでのゆで卵にするとか利用法はいろいろあります。
沸騰水中で7分以上加熱すれば食中毒を起こすことはまずありません。

しかし生で食べる場合は話が別です。
卵の賞味期限は生食によるサルモネラ食中毒のリスク回避が目的です。
従って生食用の卵は、採卵以降は低温管理がされていなければいけません。
10℃以下で管理していないとサルモネラが増える危険があるのです。
ところが日本では卵が常温で流通していることも珍しくありません。
商品管理にうるさいと言われるスーパーでも常温販売されています。
本来、意味のない残留農薬の検査に多額の税金を使うより、
卵の低温管理を徹底させることに税金を使うほうが重要だと私は思うんですけどね。


マヨネーズや菓子の手作りをする方は最大限の注意を払いましょう!


<マヨネーズ>
市販のマヨネーズがあの味で日持ちするには、それなりの理由があります。
元々マヨネーズは、びしっと酢を効かせて低温管理しないと危ない食品なんです。
マイルドな手作りマヨネーズでサルモネラ食中毒になった方が沢山います。

世は健康マイルドブームで、薄塩の梅干とか砂糖の少ない砂糖漬けとかを
手作りしてる方が多いのですが、私には非常に危険な綱渡りに見えます。
一つ間違うと重大な健康危害を受けますよ。
保存食を作る場合は昔ながらのレシピに準じるのが一番なんですけどね。
長年の人体実験が済んだ結果ですからね(^^;;;

食品会社はプロですから、
酢、塩、砂糖など菌を抑える成分を減らすことによるリスクの増加に対し、
必ずその低減措置を実施しています。
でも、普通の主婦は自分の作った食品にどんな菌が生きていて、
そこから酢を減らしたら何の菌が増えるかなんて
わからないですよね。

漠然と手作りは安全と思っている方が多いのですが、
微生物の知識のない人の手作りは危険なんですよ。
本来はね(^^;;;

<菓子>
菓子では卵白や卵黄をよく使います。
洋菓子、和菓子とも全体の調理時間が比較的長い場合が多く、
溶いた卵液がキッチンに放置されることもしばしばです。

器具も色々使いますね。
ジューサー、泡だて器など洗浄が難しい器具が多いのも特徴です。

また、加熱工程があっても十分に熱がかからないものも多いですね。
菌というのは水分が少ないと加熱してもなかなか死なない性質を持っています。
簡単なスポンジケーキ程度の加熱では菌が死なない場合もあります。
  
卵を使う場合はなるべく使うタイミングに合わせて割るようにし、
割った後の卵液はすぐに冷蔵庫に移しておくなどの作業が重要です。

ケーキ屋さんとか卵液を使う食品加工業では、
卵液の取り扱いにはすごく神経を使っているんですよ。


ね颪鮖箸辰晋紊法△ちんとした洗浄をしないで、サラダなど加熱しない料理を作らない。

これは鶏肉と同じ理由です。
先にちょこっと書きましたが、泡だて器など洗いにくい器具が多いのも特徴です。
他の器具より念を入れて洗うようにしましょう。

  
ナ欖匹垢詬颪論?錣覆ぁ


卵の中にサルモネラが侵入している場合もあるのですが、
多くは殻に付着しています。
だからと言って、購入してきた卵を水洗いしてはいけません。
例えば採りたてで糞がついたような卵を貰っても、
それを水洗いすると、サルモネラが卵の中に侵入する危険が増大します。
乾いている状態では、菌は死にませんが移動も増殖もできません。
汚れをどうしても落としたいならティッシュなどで掻き落とすようにしましょう。
ただし、使う時、殻に糞がついてるのは好ましくないので、
そういう場合は使う直前に水洗しても構いません。

また、卵を割ったら、その後一度必ず手洗いをするとサルモネラのリスクを減らすことができます。

<追記>
誤解があったようなので追記しておきます。

サルモネラの汚染卵は割合的には1万個に1個くらいと言われてます。
鶏卵協会によればこれは毎日1個卵をたべて10年に1回汚染卵に出会うくらいだそうです。
汚染菌数も極めて少ないので、不適切に扱わなければ滅多に食中毒にはなりません。

ただし、それがいつ来るかは誰もわからないから、
来た時に食中毒にならないように常に適切に処理していく。
言い換えると自分が使っている卵は常に汚染卵という前提で、
それでも決して食中毒事故を起こさないように調理する。
というのが基本的な考え方です。

備えあれば憂いなしですね。

数字を入れてみます。国民一人当たりの卵の消費量が1日1つ、
つまり1億2千万個らしいので、年間で約440億個の卵が売られていることになります。
そのうちの1万分の1、約440万個が汚染卵ということになります。
汚染卵の数は実数としては多く感じますよね。

平成19年のサルモネラによる食中毒事故は126件ですから
大まかに3日に1回どこかでサルモネラ食中毒が起こってます。
これは多いのか少ないのか微妙な感じですね。

仮にサルモネラ食中毒が全て鶏卵によるものだとしても、
以上の割合から計算すると、汚染卵が3万5千個流通して
その汚染卵のうちの一つが食中毒を起こすと考えられます。
非汚染卵も含めて考えると、3億5千万個の卵が売られると
そのうちの一つが食中毒事故につながるということになります。
これは確率的には非常に小さい数ですね。普通は無視できる確率です。
ですから必要以上に怖がる必要はありません。