アカデミー賞かなんかでみて、簡単なあらすじは知ってた。
重苦しい作品なんだろうなぁーと、覚悟して視聴。
流浪の月
10歳の少女・更紗 (さらさ)は、引き取られた伯母の家に帰ることをためらい、雨の公園で孤独に時間を持て余していた。そこに現れた孤独な大学生の文 (ふみ)は、少女の事情を察して彼女を自宅に招き入れる。文の家でようやく心安らかな時を過ごし、初めて自分の居場所を手にした喜びを実感する更紗。しかし2ヵ月後、文が誘拐犯として逮捕され、2人の束の間の幸せは終わりを告げる。15年後、恋人と同棲生活を送っていた更紗は、カフェを営む文と偶然の再会を果たす。
10歳のさらさ役は、「テセウスの船」に出てた子。
白鳥玉季ちゃん。
最近だと太陽ホールディングスのCMで宇宙に浮いてるあの子。
声が低いからもっと大人だと思ってたけど、まだ(今年で)14歳なんだね。
さらさは幼い頃に父を病気で亡くし、母は恋人の元へ。
親戚の家に引き取られたが、そこでいとこのタカヒロから性的虐待を受け居場所を失う。
公園で声をかけてくれた文の家に転がり込み、奇妙だけど温かい同居生活が始まる。
文は初めて出来る友達に寄り添ってる感じだった。(決して性的な目で見てる感じはなかった)
世間からしたら、ロリコン誘拐×監禁犯と可哀想な被害者少女だけど、みんなが想像するようなゲスいことは微塵もない。
夜ごはんのアイス、映画とピザ、好きな本、ケチャップまみれの目玉焼き、目新しいものを与え合うふたりの時間はしあわせそうだった。
大人になってからのさらさの恋人の方が100億倍ヤバい。
優しそうに見えて、束縛キツめストーカー気質DV男子。
結婚結婚うるさいし、さらさの職場にシフトの確認したり行動調べ上げて突然現れたり…怖いて。
自分の行動は正当化して、さらさを異常者扱いするのが気持ち悪い。
何が異常で何が正常なのかって、難しいね。
誰が間違ってて、誰が悪いってことでもなんだけど…
とにかく、それは優しさでも愛情でもないよ流星と教えたい。笑
再会してからの文の態度をみて、文はロリコンなんじゃなくて、文自信が子供のまま大人になったっていうか、純粋と言うか、清らかなんだと思った。
…まぁ、正解なんだけど。
その理由が最後にわかるんだけど…(衝撃過ぎて、一瞬理解できんかった)
んー。ちょっと複雑。だいぶ複雑。
凄く良い映画で好きだったから、病気オチだけはやめて欲しかった。
実際、文と同じ病気の人はいるんだと思う。
思うというか、実際会ったことがある。(その時は病気とは思わず、ただ個体差というか身体の個性だと思ってた。)
病気ありきだと、文の純粋さにモザイクがかかってしまう。
「自分だけ大人になれない・誰とも繋がれない」ってそういう意味なのか?ってなるやん。
個人的に不満なのは、文の病気オチとクライマックへの畳み掛けるような不運。
ハイエナのようなマスゴミが職場まで来たり、流星(役名忘れた…りょうくんかな?)が全く死ぬつもりのない自殺未遂をはかったり、文はさらさの知人の娘を預かって面倒みてるだけなのに警察がしゃしゃって来たり…しんどいて。
なんの罪になるのよ?先に親に確認取れよ。
でも、まぁ、一応ハッピーエンドだったし(だったよね?)、綺麗なカットが多く、カフェのあの感じも好きだし、音楽の使い方・光と影の使い方も秀逸。
楽しくしあわせな時間もちゃんとあって、重々しいだけの時間が垂れ流される作品じゃなかったのはほんとに良かった。
原作読みたい。
なんかさ、近年の松坂桃李はどこへ向かってどこへ行ってしまうんだろう?って不安感が拭えないすんげーヤバい役ばっかやんな。
またしあわせな役もやってくれーーー