~11月~
世界時計。彼女の街の夏時間が終わっていた。
これからは、僕の街の12時は、彼女の街の19時になる。
~11月~
12の月のなかで、いちばん好きな月。
冷たく澄んでいる空気。そして、少しずつ冬に近づいていく季節。
僕は仕事の帰り道、オンボロの愛車を道端に止めた。
車のドアを開け、外に出る。そして夜の空を見上げる。
南西の空に、三日月。
その横に、寄り添うように輝く一等星。
♪夜空を見上げてみる 澄み切った夜空
♪浮かぶ三日月 言葉はいらない
ひんやりとした空気が、頬にあたる。
『シュリ・・・』と僕は彼女の名前を呟く。
確実に時間は経過していく。彼女と会ってからもう半年近くになる。
いまはもう、彼女への気持ちをコントロールできない。
だから、いつも怯えている。
彼女を失う日が来ることに。
♪愛しいひと、愛しいひと いつのまにか 追いかけていた