PDCAサイクルの錯覚──努力してもヒットしない理由とは?
こんにちは。
今回は、多くのビジネスパーソンが信じて疑わない「PDCAサイクル」について、少し違った角度から考えてみたいと思います。
よく「PDCAを回せば成功に近づける」と言われますが、果たして本当にそうでしょうか?
特に、「商品開発」や「ヒットを狙うマーケティング」のような分野では、必ずしもPDCAが効果を発揮するとは限らないのです。
■ PDCAとは何か?そして、なぜ信じられているのか? ![]()
まず基本的なおさらいです。 PDCAとは、
Plan(計画)
Do(実行)
Check(評価)
Act(改善)
という4つのステップを繰り返しながら、業務や製品を少しずつ改善していくという考え方です。
この手法はもともと、製造業や品質管理といった「再現性」のある業務において強力な効果を発揮してきました。その成果が広く評価され、今ではビジネス全般で使われるようになっています。
しかし、ここにひとつ大きな落とし穴があります。
■ 商品がヒットする理由は、PDCAとは限らない
たとえば、ある商品が何年も売れなかったのに、ある年から突然ヒットする──こんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか? ![]()
一見、これは「PDCAの成果」と考えたくなりますが、実はそうとは限りません。
というのも、商品がヒットする背景には以下のような「偶然の要素」が強く関わっていることがあるからです。
- 時代やトレンドの変化
- SNSなどでの拡散(偶発的なバズ)
- たまたま影響力のある人物が使った
- 社会的なムードや空気との一致
つまり、いくらPDCAで地道に改善しても、ヒットしたその本当の理由が「偶然」や「文脈」といったコントロール不可能な要素であることも多いのです。
■ FXや株と似ている? 「再現できない世界」の話
この構造は、投資の世界──たとえばFXや株式取引にも似ています。
投資の世界では、「分析して行動しても、必ず儲かるとは限らない」「過去の成功は未来の利益を保証しない」というのが当たり前の考え方です。
同じように、商品や企画も「PDCAを回したから成功する」というような単純な話ではなく、むしろ「回していたら偶然ヒットした」というケースのほうが多いのではないでしょうか。
■ PDCAの有効な場面、そうでない場面
誤解のないように申し上げますが、PDCAそのものを否定しているわけではありません。
むしろ、以下のような場面では非常に有効です。
A 「適した場面」 B 「理由」 とすると・・・・。
A 製造業・品質管理 B 不良率などが数字で管理でき、再現性がある
A 飲食店の接客改善 B 顧客の反応が安定しており、改善しやすい
A 定型業務の効率化 B 手順が明確で、改善点が可視化しやすい
一方で、以下のような場面ではPDCAが錯覚に近くなることがあります。
A 「適した場面」 B 「理由」 とすると・・・・。
A 商品ヒットを狙う B 流行や感性が大きく、数値化しにくい
A SNS施策のバズ狙い B 拡散の構造は予測不能
A 若者向けカルチャー商品 B 感情・直感・空気感が支配的
■ 努力の正当化ツールとしてのPDCA ![]()
PDCAがもたらす最大のメリットは、「やるべきことが見える」安心感です。
しかし裏を返せば、それは「頑張っている感」の演出でもあります。
現実には、どれだけ回しても成果が出ないこともある。
でもPDCAを信じていると、「もっと回せば結果が出るはずだ」と思ってしまう。
このとき、PDCAは努力の正当化ツールになってしまうのです。
■ 終わりに ~ ヒットは「狙って出す」ものではない
成功する商品には、努力や改善の成果もあります。
しかし、それ以上に「偶然の一致」や「時代の波」による側面が強いのが現実です。
だからこそ、PDCAを盲信するのではなく、
運を受け入れる柔軟さ
再現できない成功を過信しない冷静さ
直感や偶然の価値を軽視しない姿勢
が、これからの時代には求められているのかもしれません!!![]()
