小学生の頃、雪かきをして、あたたかい部屋に帰ったらどん兵衛を食べるのが大好きだった。寒暖差で鼻水を流しながら、出汁の効いたスープを飲んで独特な平たい麺を啜る。大きなお揚げは後で食べる派。この時期、両親が共働きであったのもあり、カップラーメンを食べる機会が多かった。まだ10歳にも満たないくせに1週間に3回は食べるほどカップラーメン狂であった。
大人となった今、私はあまりカップラーメンを食べなくなったが、この前急に郷愁の念に駆られ、幾年ぶりにどん兵衛を食べた。
記憶より全然おいしくなかった。
こんなもの(ごめんなさい)を昔は本当に美味しいと思って食べていたのか、信じられない気持ちだ。もっと美味しいものが世の中にはたくさんあるのだと、私の舌が知ってしまったか、それとも味の好みが変わったのか。きっと前者だろうな。これからもっといろんなものを食べていろんな味を知っていくようになり、これまでおいしいと感じていたものが陳腐な味だと思うようになってしまうのは少し寂しい。
どん兵衛をほくほく啜るあの頃の自分をまた思い出してみる。もう戻ることはできないんだ。