誕生日おめでとう、ディラン
こんにちは。常盤です。
あっという間だった2008年。みなさんにとって、この1年はどんな年でしたか?
今年は私にとって、昨年末から関わりつづけていた『最後の授業 』をようやくみなさんにご紹介することのできた、思い出深い年になりました。
本書をお読みいただいたみなさん、動画をご覧いただいたみなさん、そして、松井と細々とつづけているこのブログを訪れてくださるみなさん。ほんとうにありがとうございました。
また来年からも、どうぞよろしくお願いいたします。
みなさんにとって、2009年がより楽しく、より実り多い年になりますことを心よりお祈りしています。
あ、そうだ。
今日はパウシュ先生の長男、ディランくんの誕生日。
生まれたときにはわずか1325グラムの小さな小さな未熟児だったディランも、もう7歳になります。
『最後の授業』pp.108-109より
帝王切開手術が始まり、僕はジェイの手を強く強く握りしめた。
彼女の唇は真っ青で、体は震えていた。ジェイの頭をなでながら、
両手で彼女の片方の手を握りしめ、ありのままに、でも安心できるように、
手術の様子を説明した。ジェイも意識を失わないようにしようとしていた。
「赤ちゃんが見えるよ」と、僕は言った。「赤ちゃんが出てくる」
ジェイは涙があふれて、いちばんつらい質問ができなかった。
でも僕は答えた。
「ちゃんと動いてるよ」
そのとき赤ん坊が――僕たちの最初の子、ディランが――聞いたことの
ないような甲高い声をあげた。あらんかぎりの力をふりしぼって。
看護師たちが笑顔になった。
「えらいわね」と、だれかが言った。弱々しく生まれてきた未熟児は、
たいてい問題をかかえている。でも、元気よく大声で泣きながら出てくる
未熟児は闘志にあふれている。力強く成長するのだ。
そう、力強く成長してほしいものです。
パパがあれほど愛した、自慢の息子ですものね。
誕生日おめでとう、ディラン。
