アナザー・ヒーロー | 『最後の授業』担当者ブログ

アナザー・ヒーロー

こんばんは。常盤です。


最後の授業 』ではパウシュ先生にばかりスポットライトが当たってしまいますが(当たり前か)、もうひとり、忘れてはならない「アナザー・ヒーロー」がいます。

それが本日の主人公、ジェフリー・ザスロー。

パウシュ先生の最後の授業がこれほど多くの方に注目されるきっかけをつくった立役者です。


そもそも、パウシュ先生の最後の授業をいちはやく記事にしたのは、ウォールストリート・ジャーナルのコラムニストであるザスロー氏その人です。


そのときの記事 はいまでもネット上でご覧になれます(英語です)。

2007年9月20日、つまり「最後の授業」の2日後にアップされたこの記事は、ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版)史上もっとも反響の多かった記事となりました。



さて、『最後の授業』のカバージャケットには、次のような著者名表記があります。


    Randy Pausch with Jeffrey Zaslow


「and」ではなく「with」。
パッと見ただけではたいした違いはないように思えてしまいますが、この「and」と「with」には歴然とした違いがあります。
前者は共著者。後者は執筆協力者。つまり、『最後の授業』におけるザスロー氏の位置づけは、執筆協力者ということです。


とはいえ、全編にわたってパウシュ先生の一人称で綴られている本書にわざわざザスロー氏の名前が入っているのは、それだけ彼の貢献度が高かったからにほかなりません。


「はじめに」でも触れられているように、ザスロー氏は53回もの追加取材を行い、「最後の授業」以降の残された時間を家族と過ごすと決めたパウシュ先生に代わって、本書をまとめるべく筆を執りました。
私の手元に、オリジナル版(英語)の完成原稿が届いたのは今年の2月初め。たしか昨年(2007年)の年末にはまだ1文字も書かれていなかったはずですから、驚異的なスピードです。



ザスロー氏にとっても、パウシュ先生と共同作業をしたことは、生涯忘れえぬ思い出となったのではないでしょうか。いつか彼と話をする機会があったら、そんなことも訊いてみたいものです。



pausch & zaslow
パウシュ先生とザスロー氏。
photo: Carnegie Mellon University