原書の造本を味わう
こんにちは。常盤です。
みなさんは、『最後の授業』の原書The Last Lecture をご覧になったことはありますか? 日本語版とは全然ちがう装丁・造本なんですよ。
これが原書。
原書は、古いアルバムをモチーフにしています。パウシュ先生が子供たちのためにメッセージと思い出を詰め込んだアルバム、というイメージなのですね。
カバー表4には、先生と子供たちの写真。この写真は、日本語版ではp.247に使いました。
表4には先生と子供たちの写真。
この原書、よくよく見てみると、ちょっとおもしろい体裁になっていることに気づきます。
その名も「小口アンカット」。ページの端が不ぞろいなのです。
こ、これは…。伝説の秘技、小口アンカット…。
日本の書籍でも、ページの端っこがわざと不ぞろいになっているものがありますよね。有名な例としては、新潮文庫さん。新潮クレスト・ブックスのシリーズもそうです。
ただし、日本の書籍でアンカットというと、だいたいはページの上側(天)が不ぞろいになっているもの。これは、製本の際に機械にセットする方向と関連しています。
アンカットといえば、普通はこうですよねぇ。
ではThe Last Lectureがなぜ小口をアンカットにしたのか? 事情はよくわかりませんが、これはかなりめずらしい仕上げ方です。それとも、アメリカの製本機械だと小口アンカットもそれほどコストをかけずにできるのかな?? うーん、謎。
事情をご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ私に教えてください(笑)。



