パソコンの頭脳ともいえるCPU、その大手メーカーのIntelがプロセス技術の微細化に大苦戦してかなりの時間が経過した。


ライバルのAMDはとっくに7nmプロセスのCPUが大盛況し、盤石の状態になっている。


また、最新のMacBookなどに搭載されたSoCのM1チップに至っては、5nmプロセスと次元の違うサイズを実現している。


ではインテルはどうかといえば、現在もなお14nmプロセスで製造されており、そろそろやっと10nmに入るかどうかといった感じである。


このプロセスの大きさは数字が小さい程、性能が高く、発熱が低く、消費電力が少ない。

携帯電話でも同様である。プロセスルールが小さいCPU…もといSoCの方が待たされることはないし、熱くならないし、電池は持つし、いいことづくめだ。


で、話の本題はここからで、微細化に苦しむインテルから、すごい発表がされた。


正直唖然とした。こんなの付け焼き刃どころではない話だからだ。


インテルは、この〇〇nmという表記をやめ、独自の表記を行うというものだ。


例えば、10nmは10nmのままだが、10nm十プロセスはIntel7と表記、それ以降は7nmプロセスはIntel4に変更される。その先も同様のようだ。


これはIntel側の見解として、10nm十プロセスと7nmプロセス相当の性能ということに意味する。


しかしちょっと待ってほしい、確かに性能は謳い文句かもしれない。ただ、微細化の恩恵である発熱の低さや低消費電力は実現できるのだろうか?


違う話になるが、スポーツカーの代名詞、日産スカイラインGT-RのR32型~R34型に搭載されているRB26DETTエンジン。

このエンジンは2.6リッターという中途半端な排気量を採用したかというと、このエンジンはレースでの使用を前提としていた。そのため4.0リッター相当の性能に合わせ、ターボ係数1.7に合わせた結果、2.6リッターに決定したという。

ただ、ツインターボで馬力を絞り出し、4.0リッター相当とはいえ、基本性能は2.6リッターエンジンであり、パワーバンドに入るまでは馬力、トルクなどは2.6リッターエンジンの性能である。

幸いGT-Rはユーザーから2.6リッターエンジンという認識で受け入れており、誰も4.0リッターエンジンとは思っていないはずである。


ちょっと例えが悪かったが、CPUの場合は自動車のエンジンとは異なり、微細化が正義であり、自動車のエンジンたと排気量により税金のランクが異なるので、まだ言い訳ができるが、CPUに税金は関係ないので、純粋に性能が要求される。


だからこそインテルのとったこの表記の変更に関する案件は、何の意味もなさない、ただの誤魔化しでしかない。


単に処理性能だけ合わせても、意味はないのだ。

CPUの進化は微細化により性能ちょい上げの発熱、消費電力低下によるシュリンクという工法の方が圧倒的に魅力的なのだ。


しかもインテル、これが初コケではない。デュアルコアCPU登場前でも散々やらかしている。

まぁあの時はわすかな時間でCore2Duoという希代の名CPUを生み出したのだが、もちろん出遅れであり、Pentium4/Dの没落と終焉を自作erたちは目の当たりにしたのだ。


インテル、お願いだから、こんな小細工はやめて現在の性能のままで5nmプロセスで製造してくれ。

微細化はコストダウンにもつながるので多少は安価になるはず。

皆が期待して待っている。特にWindows11の要求仕様でCPUもハードウェアセキュリティ機能を実装したものとされているので第8世代Core以降が必須条件だ。


自作erでインテル派の多くはトータルパッケージングでの安定性で評価している人が多いと私は思うので、こんな愚策とっとと廃止にして、急いで昔のバランスのいいCPUを製造してほしいと願うばかりだ。