今回、USB3.0のUSBハブを買いました。

目的はUSB外付けHDDを複数接続するためです。

で購入したのがこちら

お値段はAmazonで2840円、USBハブとしては結構お高いです。

ここで、事前知識ですが、

USBハブはバスパワーとセルフパワーの2種類があります。

バスパワーはどこでも売ってる補助電源不要な安価なタイプで、電源はPCのUSB3.0で供給されます。

主にUSBメモリなどを用いる際はこれで十分機能します。

対するセルフパワーは売られている場所は電気店などに限定される高価なタイプで、電源は

ハブにACアダプターを補助電源として用いることで、電力消費の大きいバスパワー駆動のUSB外付けHDD/SSDや

DVD-ROMなどが使えるようになります。

で、今回の目的はUSB外付けHDD/SSDの複数接続なので、

後者のセルフパワーが必要になります。

ここに、注意事項が1点、化粧箱の記述に大事なことが書かれていました。


「供給電流:[セルフパワー時]4ポート合計:2900mA以内」
これは、ACアダプタの仕様が3A(3000mA)なので、安全マージンをとってのことだと思いますが・・・。

こういうのは、もっと大体的に書いてもらいたいものです。

 

さて、もっと大事なことがあります。

「この製品は、ACアダプタさえ接続すれば、4ポートすべてにUSB外付けHDD/SSDを接続できるわけではない」

ということです。

以下に詳細を記述してますが、ここで、仮に外付けHDD/SSD1台の消費電流を1A(1000mA)としましょう。

補助電源のACアダプタの許容電流はいくつだったでしょう。はい、2900mAですね。

では、何台、接続できるか計算してみると、2900mA/1000mA=2.9台⇒つまり2台が上限です。

つまり、4ポートあるのに、2ポートしか使えないんですね。この罠に引っ掛かり、外付けHDD/SSDが認識しない、故障した

などの悪いレビューを書いている方を散見します。これらの方々は、この計算を行ったのでしょうか、謎です。

 

さて、詳細な内容に入ります。
ここで、2.5インチの外付けHDD/SSDやバスパワー式DVD-ROMのロジテックLDV-P8U2LBKで考慮してみます。
本体のラベルに記述されている値を見てみますと
HDD:T社:1.0A(1000mA)、H社:800mA、F社:600mA
SSD:S社:最大値は書込み時:3.3W(電流は3.3W/5V=0.66A=660mA)メーカーHP調べ
C社:1.7A(1700mA)MX500というモデルです。これはかなり高いですね。要注意です
DVD-ROM(LDV-P8U2LBK):800mA
これらを組み合わせて使ってみますと、まずハッキリわかるのは、F社のHDD以外は4ポートすべて使うことはできません。

(F社は600mA×4台=2400mAで許容)
それ以外は主に3ポート分が限界で、T社HDDに至っては、2台までしか接続できません。
この制限事項を把握して利用するなら、問題なく使用できます。

 

次に、接続するUSB3.0ポートを検討してみます。

現行のパソコンのUSB3.0ポートは規格通りに900mAを供給可能だと思いますが、

USB3.0ポートが出て間もなくのパソコンのUSB3.0ポートや、

デスクトップPCならPCIe拡張カードで増設したUSB3.0ポートや、ノートパソコンならExpressCardのUSB3.0ポートは

規格通りの900mAを満たせず、カード側の制約により、実際は300mA前後しか供給できません。

つまり、完全なACアダプターの電源供給に依存することになります。

この条件でテストし、無事にパスすれば、この製品の正しい使い方が理解できるといったわけです。


そこで、テストとして、ThinkPad X220のExpressCardのUSB3.0ポートを用いて、きちんと動作できるか確認します。


今回用いたのは、T社HDD1台、H社HDD1台、S社SSD1台なので、
理論上は1000mA+800mA+660mA=2460mAで許容範囲です。
で、実際は、全機きっちり認識しましたので、問題なしです。

 

したがって、この製品は上記の条件さえ守れば、ちゃんと使える良品と判明しました。


こういう風に、USB3.0ハブでバスパワー駆動のHDD/SSDやDVD-ROMを接続する際は
必ず、こういう計算をして使用ポート数を決めるか、計算が面倒なら、1~2台までに留めるような使い方をすればいいわけです。
よくこの手の製品のレビューで不良品とか言ってる人は、大半は接続する製品の消費電流の調査やこの手の計算を怠って使用しているから不具合が発生しているだけだろうと思います。


要は、考えてから使用すれば問題ないだけなのですが、せめて5AぐらいまでACアダプタの容量を上げてくれれば
わざわざこんな計算しなくても安定動作するんでしょうが、なぜか、セルフパワータイプのどの製品も付属ACアダプタが3Aなのは、どこも作ってないから設計コストが上昇するのか、理論上、USB3.0の規格上の回路の限界なんでしょうかね。この辺りはよくわかりませんが。

また、余談ですが、携帯電話充電機能を持っているUSBハブもあるようですが、これも、充電に必要な電流とACアダプタの許容範囲などを計算してみてから使ってください。恐らく、ものによっては最低限の充電のみ保証されてたり、ましてや、PC側か電話側が動作不安定になるかもしれません。これは完全に携帯電話のスペックに依存するので、検討される方は購入前に充電の電流を計算することを勧めます。

しかし私なら、別にUSBハブで充電する必要はないと思いますので、全くお勧めしません。

 

といったわけで、進化して、ますます便利になったUSBで、複数接続が可能になるUSBハブですが、

現在は利用方法によっては以前までの手軽さが無くなってしまいました。それゆえに、事前に電流計算などの

下調べを入念に行ってからお使いください。