千秋楽サプライズ!
大阪から朝8時の新幹線で東京に帰り、昨日は「その男」東京公演の千秋楽でした。
千秋楽ですから演出家は普通なら、見て、挨拶すりゃあいいんですが。
実は私にはもうひとつ大仕事があったのです。
今回の音楽は津軽三味線の上妻宏光さん。
それはもう素晴らしい音楽を沢山作っていただきました。
その上妻さんに、最初の音楽打ち合わせがあった去年の12月から頼んでいたことがありました。
それは東京の千秋楽で、出演者たちにも内緒のサプライズで、生で演奏してもらう事です!
まあ、これは大変な贅沢で、普通有り得ないお願いですが上妻さんは快諾してくれました。
さあしかしいざ実行するとなるとこれが大変!
サプライズにするためには、上妻さんを役者が沢山行き交う舞台袖で見つからずスタンバイさせ、しかも誰もわからないように舞台に登場させなければいけません。
なおかつ役者に気づかれないように、一度音合わせもしなければならない。
そのためにまず前日の夜、役者が帰ったあとに、ひそかにリハーサルを決行した。
制作に嘘をついてキャストの皆さんには早く帰って
もらい、サウンドチェックやら立ち位置を確認してもらう。
忙しい上妻さんにも無理を言ってわざわざ前日に来てもらった。
ああ、なんていい人なんだろう。ありがとうございます!
さて本番。
役者に会わないようにわざと観客と同じ入口から入ってもらい、1幕2幕は客席で見ていてもらう。
3幕になったら休憩中にスタッフルームに移動してそこで待機。
いよいよラストシーン。
役者全員が舞台に出ているタイミングで私が上妻さんを誘導し舞台の幕の裏にスタンバイ。
ここなら誰にも見えない。
そしてカーテンコールが始まり、役者たちが全員並んだところでGO!
上妻さんが走って階段を駆け上がり三味線を弾き出す。
そのときの役者たちの驚き!
いやあ面白かった!
ギャーっと叫んで飛び上がってました。
カーテンコードはオールスタンディングで4回。
上川くん越しの客席です。
いい千秋楽になりました。これで少し肩の荷がおりました。
その後みんなは飲み屋に、私は伊東四朗一座の稽古場に向かいました
「その男」いよいよ次は大阪です!