平穏な日 | ラサール石井オフィシャルブログ「ラサール石井の生き急ぎ日記」Powered by Ameba

平穏な日

昨日は「その男」稽古場最後の日でありました。

すでにスタッフは劇場の仕込みに入っているので、今まで稽古場にあった大道具や小道具類はすべてなくなり、芝居だけを少し合わせる程度の稽古しかできないのですが、それでもかえって細かい所をチェックするいい稽古になりました。


今回のテーマのひとつは「橋」なので、舞台美術はできるだけシンプルにして大きな橋が出てくるだけになっています。

その橋の段差の中で上川君は欄干を飛び越えたりの大殺陣があるので、すでに初日を前にして満身創痍の状態。

殺陣はかなりの迫力なのですが、心配なのは上川君の身体。でも、彼は絶対に弱音を吐かない人なのです。

すでに痛いところはあるはずなのに、表情にも出さず芝居をこなしています。

すごい人ですわ。


ここから2ヶ月の本番はかなりの苦労だと思います。でも、やらねばなりません。

ですからなんとか上川君の体力を温存できる形で進めていかねばと思っています。


終わって吉祥寺に今井事務所公演の「悪戦」を観劇に。

今井事務所は昔からの仲間の渡辺哲さんや新納敏正、江端、堀本など俺の大好きな俳優のいる事務所。

てか、この公演がなかったらみんな「その男」に出て貰うはずだったんだけど。

かぶっちゃって残念だったのでした。


お芝居はゲストに浅野温子さんを迎え、ハードボイルドなお話。これまた俺たちとはずっと芝居をやってきた作家の水谷龍二さんの作品なのだが、今までとは一味ちがったお芝居だった。


なにより浅野さんのあのぎょろっとひんむいた目の演技、健在でした。怖かった。いい意味で。

哲さんは相変わらず可愛かったです。



今日は劇場は仕込みの日。役者さんたちはお休みです。

私も夜から明かり合わせに付き合えばいいので、久しぶりに少しゆっくり。


10時頃起きて、久々にご飯を炊き朝ご飯。豆腐の味噌汁、いかソーメンにほうれん草ごま和え。

昼から渋谷に本を買いに。

実は間寛平さんのアースマラソンのチャレンジに触発され、自分ももう一度受験勉強をしようと思ったのでした。


で、一年分の問題集を買いに。

色々買って4万円ぐらい本を大人買い。

まあ、いっぱい買いましたけど、銀座や北新地のクラブで飲んだら一回分ですからね。

それを思えば本って安い。価値があります。

帰ってきて30分ぐらい勉強のまねごとをして、劇場に。



劇場では着々と舞台が出来上がっていました。

セットの感じなど、多少は思っていたものと違うところもありますが、それでも自分が思い描いたものが形になるのは素晴らしい喜びです。

中川さんの照明があたると、何もないだだっぴろい劇場の空間に命が込められていきます。

そこに役者たちが衣裳を着て演技すれば、きっと面白い空間が生まれるはず。

明日はいよいよ舞台稽古です。