5年生の作る花のアーチをくぐって退場していく6年生です。うれしいけれども、ちょっぴり照れくさい、どこか寂しい、そんな表情でした。3月11日に行った「卒業を祝う会」のラストシーンです。

 昨年度は体育館と各教室をオンラインでつないでこの「卒業を祝う会」を行いました。体育館で待つ6年生のもとへ1学年ずつ訪ねて行き、直接対面してお祝いと感謝の気持ちを伝えました。じつはこの方法、6年生だけが対面でお礼の言葉や演奏演技ができず、オンラインで各教室へ伝えました。

 今年度はオンラインではなく、6年生にも各学年の子どもたちへ直接伝えられるようにしようと計画しました。ただし6年生には、少々というかかなり負担をかけることになります。下学年の子どもたちへの挨拶や演奏を3回繰り返すというもの。それでも卒業式前の全校児童での最大イベントですから、対面で伝え合うことを今回は大切にしました。

 体育館の舞台側にひな壇を作って6年生がそこに座り、各学年が順番に体育館へ入って行き、言葉や演奏演技などでお祝いする。それを受け6年生はお礼の言葉、演奏を1,2年生へ、3,4年生へ、5年生へと3度繰り返す流れでした。

 慕い憧れる6年生へのお祝いと感謝の気持ちをどのように伝えようか、それぞれの学年で考え準備し当日を迎えました。各学年の内容を紹介します。

 まず1年生です。「私たちは6年生ファンクラブの会員です❗️」冒頭のこの一言で、いきなり6年生から笑顔と歓声がわきました。ファンクラブ会員である理由、憧れベスト5の発表でした。学校生活がより楽しく過ごしやすいようにと6年生が児童会活動を頑張っている姿であったり、連合運動記録会や音楽学習発表会の時に見た6年生の体力や技能、演奏などの圧倒的な素晴らしさであったり、縦割り班活動で一緒に関わって感じた6年生の頼もしさや優しさであったり、1年生にとって6年生は憧れの的。ベスト1の理由はやはり一緒に活動して楽しかった「6年生は優しいから」でした。

 2年生はお祝いと感謝の気持ちを言葉にして皆で声をそろえて呼びかけました。そして、12月の音楽学習発表会で演奏した「となりのトトロ」をこの日のために再度練習して贈りました。6年生もじつは自分たちが3年生の時にトトロの劇中歌を演奏していたようで、その頃のことを思い出して懐かしく思った子もたくさんいたことでしょう。

 3年生は6年生への思いを6文字の漢字を提示しながら伝えていきました。「共」「優」「勇」「強」「輝」「最」です。どの文字からも下学年の子どもたちから見る6年生のすごさが想像できると思いますが、6年生の様子を見ているとやはり照れていました。6年生本人たちにとっては当たり前にやっていることだと思いますので改めて面と向かって言われて照れてしまう気持ち、分からなくもありません。

 4年生は、6年生が楽しめる3択クイズ10問を用意して場を盛り上げました。6年担任2人についてのクイズでした。1年間教室でずっと一緒にいながらじつは知らなかった担任の一面を卒業直前になって知る楽しい問題ばかりでした。担任の先生が6年生の頃、どんな職業に就きたいと夢見ていたか。中学校時代の部活は何だったか。憧れの女性はどんな人か。ペットの名前は何か。担任2人も笑顔でした。

 最後の5年生も3択クイズでした。6年生が入学してからこれまでの6年間を振り返ることのできる、これまた楽しめる問題でした。○年生の時に「最も売れた商品は?」「最も流行った映画は?」「流行語になったのはどんな言葉?」など。ちなみに直近の今年度については、「6年生の今年、東京でオリンピックが開催されましたが、日本のメダル獲得は何個だったでしょう」。ついこの間の感激ですが難問でした。6年間をつかの間振り返ることのできた5年生の出し物でした。

 6年生から在校生へのお礼の言葉やプレゼントは、伝える相手が違いますので、すべて全力です。家庭科の学習で制作した雑巾を「大谷田小をきれいにするのに使ってください。」と各クラスに手渡しました。そして、お礼の演奏は歌唱「ひろい世界へ」と合奏「宿命」でした。本番初演の謝恩会から全4ステージにもなりました。平時の教育活動では緊張の本番を4回も行うことはまずありません。何人かに聞いたところ、皆「疲れたー!」と言いながらも、やり遂げて満足した表情でした。

 6年担任や音楽専科の教員から聞いていましたが、年明けに全員が揃うことはほとんどありませんでした。音楽の授業も限られていました。そんな中、一人一人が個別練習をし、何人かが集まって休み時間や放課後に寸暇を惜しんで音合わせを重ねてきました。最高学年としてのプライドと、仲間たちと一緒に創り上げる小学校生活最後の機会という思いが強くあったのだろうと思います。

 【校長:菅原】