青道vs稲実、西東京大会決勝。5回裏。ゼロ対ゼロ。1死1・3塁。打席に稲実の2番白河が入った。
技巧派バッターの白河だから、あらゆるテクニックを駆使して三塁ランナー神宮寺をホームに帰し、稲実が先制点を取る可能性がある。
そこで、青道選手は互いにコミュニケーションを取って、ショート倉持と二塁手小湊(春市)はベース寄りの、ゲッツーも狙える位置に移動。一塁ランナーは走るのが異常に速いカルロス。彼に2点目を入れられてしまうのを防ぐため。稲実ピッチャー成宮は、準決勝で投げずに体力温存していたこともあり、この決勝では絶好調。そんな成宮から青道が2点以上取るのは難しいだろうから。
青道選手たち、「あっちー」「こっちー」と互いにやり取りしてますね。
こういうところ、野球というスポーツの魅力だと思う。
立ち止まってよく考える時間がある。
コミュニケーションを取る時間がある。
それは、あれこれ悩んだり落ちこんでしまう時間もあるということ。
個人の身体能力だけで勝てるスポーツではない。
思考力や精神力、チームで励まし合い一丸となるための協調性も試される
。
青道の片岡監督は、その全てに優れたチームを作ろうとしてる。欲張り意欲的。(だから監督は自主的に長時間残業のようです。落合コーチが来て助かった。)
一方、稲実の国友監督は、特に今年のチームは、主力選手たちの特徴(性格に問題あり。もしかすると思考力もいまいち)を生かして、身体能力重視なんだと思う。
降谷対白河。初球。御幸が選んだのは、低く落ちる変化球(縦スライダー?)。白河は予想していたので、見逃した。ボール。
2球目、ストレート。白河は振り遅れ、ファール。
3球目の前に、稲実ベンチからサインが出た。
そして白河の独白シーン。
「稲実は強くて当たり前」「稲実なら勝って当たり前」
おお、野球部OB会応援団らしき人たちが大勢、そろいのTシャツ着て息の合った応援をしてますね。老若男女、子ども連れらしき人もいる。すぐ隣の私服のグループは同窓会応援団かな。うわー、こんなに期待されたら選手はプレッシャー感じるかも。卒業生からの寄付の金額
も相当なんだろうな。お金のかかる野球の設備、東京の高校では稲実が一番充実
しているそうだから。そりゃ、OB・同窓会の応援も熱が入るわ。
白河は言う「野球を楽しむなんて、考えたこともない。」わかるよ。勝たなきゃいけないという、プレッシャーが凄いんだね
。大変だね・・・
おっとー。あやうく、可哀そうに~と、同情するところでした。
いやいや、字ではなく白河の顔の方をよく見ると、やる気満々じゃん
。そういうのを「楽しむ」って言うんだよ。--- そういえば、白河は、何でも否定的な言い方をする変人なのでした。だから彼の言葉をそのまま受け取ってはいけない。
ほらね。白河、スーパー根性で飛んで、片手で無理やりバント成功させましたよ
。これには御幸もびっくり顔
。
白河は言う「俺たちはただ、勝利の味を知っている」--- 試合で負けるのは年に1度あるかないか、という常勝チームなんですから、そりゃあ楽しいでしょう。勝つ-->もっと練習したくなる-->もっと勝つ-->もっと練習する、の好循環。
白河はこのバントを決めて「もっと喰わせろ」つまり「もっと勝ちたい」。野球で勝つことに非常に貪欲なんですね。
本当は熱く燃える男
。見た目がひょろっとして宇宙人みたいな雰囲気だし、超クールを気取ってますけどね。
このコミックス31巻の表紙は白河です。ここから白河の本性、「熱さ」に注目。
結局、白河のスクイズは成功、三塁の神宮寺がホームイン、稲実は先制点を挙げます。
ホームを踏んだ背番号15の神宮寺は、次のバッター、同じ2年生スタメンの早乙女とエアハグ
をして一緒に喜んでますね。これはもしかすると、今の3年生がこの夏大会後に引退したら、稲実野球部はもっと普通のチーム、もっと連帯感
のあるチームになるという前兆なのかもしれない。違うかもしれませんが。
稲実に先制されて悔しい沢村と奥村の姿で276話は終わります。この試合、青道の先発ピッチャーは、降谷。沢村は試合開始から今までチームの応援や、降谷の世話を焼くのに励んでいます。
しっかし、ですよ。
降谷は夏の暑さに弱く、この試合完投できなさそうで、エース沢村が途中から継投予定。だから沢村はブルペンで奥村相手に投球練習もしてる。だけどー、投球練習中に自チームを熱く応援してるシーンが何度も出てくる。ちゃんと練習してウォームアップできてる?自分のコンディションをチェックできてる?沢村はリリーフとしての自覚をもって自分のことにもう少し気を使った方がよくない?
それに、沢村はこの決勝の前に、寮で騒動を起こして、みんなに迷惑かけてる。沢村が八つ当たりした相手は御幸だった。そのため、御幸は沢村の精神面にばかり目が行き、身体面への注意が不足しているかもしれない。沢村自身も、あんなに錯乱した
ので、準決勝後の身体ケアがおろそかになってないか?準決勝は市大三高相手に1点差で勝った激闘、しかも沢村は最初から全力投球のまま完投。しかも新球「ナンバー9」を初めて実戦で投げた。何度も投げた。いつも以上に体に負担かかってないか。いくら頑丈な体を親からもらったとしてもねえ。
ほら、成宮を見てごらん。チームが先制点あげても、静かにベンチに座ったままだよ!コンディションに気を付けてるよ。沢村も少しは見習ったら・・・まあ、協調性なしの成宮は熱く応援する気がないだけかも。
次回ブログは 277話 稲実のホームランアーチスト山岡の頭の中 です。






