平素は大変お世話になっております。議員番号2番廣田直己です。どうぞよろしくお願いいたします。

明日、11日で、東日本大震災から6年となりました。6年たったとはいえ、故郷の失った方々、家族を失った方々の痛みを考えますといたたまれないものがあります。現在もなお、御苦労されている皆さんに心からお見舞いを申し上げます。

昨今でも、震災被害にあった福島県から子どもたちが転入した先の横浜や新潟の小学校でいじめを受けたいわゆる「震災いじめ」問題があったことは記憶に新しいと思いますが、やはりこれは子どもたちだけの問題ではなく、私たち大人が作り上げた社会による被害者であり、私たち大人が責任をもって社会を変えていかないといけないと感じております。

また、これから数年は菰野町にとって大きな転換期になるのではないかと考えています。新名神高速道路が平成30年に新四日市ジャンクションから新亀山西ジャンクション間が開通し、平成35年には三重・滋賀・京都・大阪・兵庫の全線において開通が予定されており、観光産業や物流産業に関する影響はもとより人の流入と流出も加速し、地域の環境も大きく変わることが予想されます。

このような大きな環境の変化が待ち受ける中、今回ご質問させていただく内容は大きく分けて2項目ございます。

まず1項目は、「子どもの健全な育成に向けた仕組みづくりについて」です。現在菰野町は平成27年に作成された子ども・子育て支援事業計画に基づき多くの施策が実施されていますが、その中でも大きい地域環境の変化の中で特に危惧されているのが、地域のつながりの希薄化により地域で子どもを育てるという認識とその力の低下ではないでしょうか。地域社会には様々な役割がありますが、その中でも「青少年の健全な育成」は地域の役割として大きく、子どもが社会に適応するために必要な知恵を様々な年齢層や立場の人々と触れ合うことで、社会経験を積み重ね、社会性や公共性を得ることのできる「場」であり、その意味からも地域の役割は重要であるといえます。そこで、1点目は希薄化が危惧される地域の環境の中で、子どもたち、そして子育て世帯に対してどのような問題の認識があり支援を行っていますでしょうか?ご答弁願います。

2点目は、昨今話題になっているイクメンについてです。男性の育児参加については国や県でも積極的に推進しているところでもありますが、実際は男性の育給取得率も約2%と、あまり進んでいないのが現状ではないでしょうか。個々の家庭の事情や仕事の事情等があり、結果が出づらい課題ではりますが、菰野町としてどのような考えで支援を行っているのか教えて下さい。

3点目は、子どもの貧困を社会で支える仕組みづくりについてです。子どもの貧困問題に関しては相対的貧困率にもとづいて算出すると6人に1人が、つまり所得中央値の半分金額で言うと親子2人世帯の場合、月額約14万円以下を下回る所得で生活をしている子どもたちがそれだけいると言われており、また三重県内の保護世帯の子どもの大学進学率は、県全体の70.4パーセントとくらべ、24.2パーセントとかなり低い水準となってます。このような貧困は教育環境にも悪影響を及ぼしており、貧困の世代間連鎖が起こりやすいとのデータもある中、国と県では様々な施策を行っていますが、菰野町としてはどのような認識のもと、どのような支援策を実行しているのでしょうか。ご答弁願います。

 

次に若者が活躍する町づくりについて質問させていただきます。

私は、菰野町が、子どもたちが自分自身で夢を考え、自分自身で実行して夢をかなえていける町になっていって欲しいと考えています。その為には、小学校入学から中学校卒業にかけて、自分自身のやりたいことは何なのか、自分にはなにができるのか、菰野町にはどんな仕事があるのか、そこで何ができるのかを知り、考える機会としてキャリア教育が必要不可欠だと考えています。そこで、現在菰野町ではどのようなキャリア教育が行われているのでしょうか。ご答弁願います。

もう一つの質問は、菰野で働きたいと考える若者への就業支援についてです。せっかく菰野が好きで菰野で働き生活したいと考える若者がいても、就業に結びつかなければ、若者にとっても、菰野町にとっても損失になると思います。そこで、若者の就業支援について、現在どのような支援を行っているのかご確認したいと思います。よろしくお願いいたします。

 

【答弁】

 

ありがとうございます。

平成29年度に予算案が計上されている子ども医療費について、現状では小学校卒業まで医療費無料であり、中学に入るといきなり有料になるという、非常に歪な状況を一部所得制限を設けた上で中学校卒業まで無料とし是正することで、生活が困窮している方にとって非常に助けになるセーフティネットの施策であり、有意義であると思っています。今後は所得制限の範囲が町民の方々が自分自身で対象になっているかなっていないかを判断できるよう、内容の周知徹底を行って混乱を避けるとともに、喘息やアトピー等の長期化する恐れがある特定の疾病・難病についても支援を検討いただけるとありがたいです。

では再質問にうつらさせていただきます。

まずは、男性の育児参加の支援についてですが、まだまだ男性の育児参加については心理的ハードルがある方が多いように見受けられます、特に男性は共感力や仲間を作る力は女性に及ばない部分もあり、孤独に陥りがちであること、また、母親の代わりとしての育児の手伝いではなく、父親としてのあり方や遊び方なども学べる場ももっとあった方が心理的ハードルが下がるのではないかと考えますがその様な考えのもと男性の育児に対する支援施策をするのはいかがでしょうか。

 

【答弁】

 

ありがとうございます。

それでは、子どもの貧困対策についてですが、離婚をし1人親になることで経済的にも時間的にも困窮し貧困が始まるケースが多いようです。そこで兵庫県明石市を例にとらせていただくと、まちの未来でもある「こども」を社会全体で守り、健全に育んでいく視点から、離婚や別居に伴う養育費や面会交流などの「こどもの養育支援」について、平成26年4月から「明石市こども養育支援ネットワーク」の運用を開始し、①相談体制の充実化②参考書式の配布③関係機関との連携、という3つの観点から支援を実施しています。

具体的には「こどもと親の交流ノート(養育手帳)」の配布、「親の離婚とこどもの気持ち(書籍)」の配布、親子交流サポート事業、離婚前講座(こども養育ガイダンス)の試行や、親の離婚などを経験したこどもを対象としたこどもふれあいキャンプを実施して養育支援に積極的に取り組んでいます。これらの養育支援は子どもの貧困対策だけでなく、離婚後子どもに会いたくても会えなくて困っている親の救済にもなると思いますが、この様な内容を菰野町で実行することは可能でしょうか?

 

【答弁】

 

ありがとうございました。

確かに、行政がどこまで踏み込めるかは難しい問題ですが、一部の自治体ではここまで踏み込んでいるとところもあるとご認識いただければ幸いです。

それでは、小学生と中学生のキャリア教育について再質問させていただきます。先ほどの答弁をお聞きして、私が小学生・中学生だったころより様変わりし、充実した内容になっていること確認させていただきました。これから、今まで実施していなかった企業や団体、様々な業種で実施していただけるとありがたいです。また、夢先生について、非常に面白い試みであると感じました。スポーツ選手だけでなく企業の経営者や創業者、そして芸術家などの講演も実施していただけるとより充実したものになるのではないかと思いました。

その中で、子どもたちが自分自身の夢と向き合う一つの取組み例として夢ハンカチプロジェクトをご紹介させていただきたいとおもいます。これは、子どもだけではなく、その親御さん、先生方、地域の方々全員が、耐水性のある丈夫な正方形の専用のハンカチ(無料)に自分の夢であったり願いを書き、それを日本だけでなく世界中から集めて旧暦の七夕に1,000人以上で富士山の火口でを囲って空に掲げることで明るいニュースを世界中に届けようという活動です。例えば、佐賀県武雄北中学校の夢ハンカチを使った夢プロジェクトでは、東北大震災の被災地を勇気付けようという目的で、生徒・教師・地域の方々が協力し11,111枚という夢ハンカチを集めて、校庭に夢アートを作成しテレビのニュースで取り上げられました。どれだけの教育機関が携わっているかは正確にはデータを取っていませんが、主催者による情報ですと、2012年10月の九州PTA大会では、校長先生、教頭先生、PTA会長など教育関係の役職者およそ8,000人が、夢ハンカチに関するドキュメンタリー映画を見て、佐賀県では、県内ほぼ全ての小学校と中学校で取り扱ったとのことで、全国では少なくとも200校以上が何らかの形で取り扱っているとのことです。

夢ハンカチを書いて集める理由は様々で、被災地を応援したい、いじめ自殺があった町にもう一度信頼と連帯感を取り戻したい、夢を発表する場を作りたいなど様々です。このような型にはまらない活動・遊びと教育の境界線のない活動の中で自身の夢と向き合うというのも面白い試みかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 

【答弁】

 

ありがとうございました。

それでは、次の再質問に移らせていただきます。

菰野で働きたい若者の支援についてですが、先日四日市大学の准教授とも話をしていたのですが、学生たちが就職先を選ぶ際、どおしても名前を知っている企業を優先させる傾向があり、必然的に大企業や都会の企業を選んでいるとの話がありました、私自身も当時を思い返してみると、同じだったように思います。しかし、選んだ理由が知っている。有名だから、大企業だから、では若者自身がのぞんでいる「やりがい」との間にミスマッチが起きてしまい早期に退職してしまうのも仕方ないことなのかも知れません。その中で、不遇な立場にあるのが、地域の優良な中小企業ではないでしょうか、日本の中小企業数(会社数+個人事業者数)は、約4,326,000社です。全企業数に占める割合は99.7%で、その多くは地方に所在しています。それは菰野も例外ではありません。その多くの企業が直面している問題はやはり人材の確保です。経営者の多くは企業を継続して発展させていくためには、若くて優秀な人の確保こそ必要と考えています。しかし、実際は大企業のように大々的に広告を打つことも困難であり、効果的な対策ができていないというのが現状です。地域の優良な中小企業に若い優秀な人材がはいらず、会社が先細りしていってしまうのは菰野町にとっての損失もおおきなものだと思います。それら、若者にとってのミスマッチ、企業にとっての優秀な人材確保、菰野町にとっての安定した税収を確保するための施策として、産官学が連携して、菰野町に本社・工場・営業所がある、企業を対象とした新卒と第二新卒向けの合同企業説明会を開催してはどうかと考えるのですがいかがでしょうか?菰野は住みやすいまちですので、居住環境もあわせてアピールできれば、近隣の若者だけでなく、全国の優秀な人材に菰野町で就職し生活してもらえる機会ともなると思います。開催場所は町民センターの体育館でも可能ですし、四日市や鈴鹿など近隣市町では頻繁に行われているのでできない理由はないのではないかと考えているのですがいかがでしょうか。

 

【答弁】

 

ありがとうございます。まずは企業や高校・大学に対する意識調査とニーズ調査を行っていただくのも一つだと考えます。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

今後とも、バランスよく予算配分していただき、総合的な観点から子ども・子育て支援、若者支援について共に議論していければと思います。

以上をもちまして、私の一般質問を終えさせていただきます。