ある意味、日本で最大の心霊スポットはテレビ局かも知れない。
人間の欲望
恨みツラミがこれほど集まる場所も少ない。
売れる為なら、人気者になる為なら何でもやる人間は多いです。
うちの会社のように、番組のスポンサーをやる会社の人間がテレビ局に行くと、いろいろなタレントが挨拶に来ます。
過去にCMに採用したタレントや、スポンサーに着いた番組に出たタレント。
これからCMに使って貰いたいタレントや芸能事務所の人間が挨拶に来て、媚びを売って来ます。
ある時、社長の同級生がテレビ局のトップになったから、その局に行く事になりました。
昌昭、お前もテレビ局に入る機会は少ないだろ?
付き合え。
社長に言われて仕方なく某テレビ局に行きました。
私がベンツを運転しました。
当時の私の肩書きは、部長でした。
私が玄関に車を着けると、役員が出迎えました。
私は、地下駐車場にベンツを入れました。
玄関で車を停めた時に、入局許可証を貰いました。
最高ランクの許可証らしくて、対応は良かったです。
ロビーで社長に合流しました。
社長は、同級生の部屋に行き、私はテレビ局の内部を見て周りました。
バラエティーの収録、ドラマの収録を見てから楽屋の一室に案内されました。
丁度、昼過ぎでしたから弁当が用意されました。
こちらで、お待ち下さいと上司から言われています。
どうか、お寛ぎになって下さい。
私は、出された焼き肉弁当を食べていました。
すると、音もなくドアが開いて、一人のアイドルらしい女性が入って来ました。
あの、番組スポンサーの方ですよね?
この部屋は、VIPルームですから、そうでない人はいません。
お願いです、私を番組に出して下さい。
どんな事でもします。
貴方の愛人にでも、オモチャにでもなります。
そう言って服を脱ぎ始めました。
流石の私も焦りました。
しかし、奇妙な事に気がつきました。
この女、影が無い。
私は、お経を唱えました。
女の顔がみるみる変わりました。
何で分かった?
私は、有名になりたかった。
私をオモチャにしたプロデューサーに復讐したかった。
私の近くに水溜まりが出来ました。
焼き肉弁当を食べ終えていて良かったです。
凄い異臭が残りました。
私は、フロントに向かいました。
社長も丁度そこに居て、迎えの人をやるつもりだったと言ってました。
私は、先程の出来事を社長に報告しました。
すると、プロデューサーが真っ青な顔になりました。
すいませんが、その女、こいつですか?
スマホの写真を私に見せました。
そうです、この女ですよ。
その女、3日前に病死しましたよ。
遅刻が多いから、私が番組から降ろしました。
そう言った途端、ライトが全て消えて、室内が真っ暗になりました。
私を殺したのは、お前だろ?
酒の飲めない私に強引に飲ませて、意識がなくなったあと、何か注射しただろ?
私のお腹には、お前の子供がいたんだよ。
それが邪魔になったから、殺したんだろ?
プロデューサーは、逃げました。
助けてくれ、俺が悪かった。
そう叫んで表玄関から飛び出しました。
そこへ、スピード違反で逃げているスポーツカーが来ました。
グシャグシャと言う音がしました。
プロデューサーは即死でした。
昌昭、帰ろう。
社長は、一部始終を見ています。
帰り道、社長は無言でした。
本社に着いて、ベンツを車輌担当に任せました。
昌昭、テレビ業界はあんな世界なんだろうな。
広告は、考えて出すようにしよう。
そうしましょう。
私は、そう言うしか無かった。
それから一年間、そのテレビ局のスポンサーはやらなかったです。