真言宗の寺院の多くは、2月3日の節分が最大のお祭りです。
成田山新勝寺のように盛大に行う寺院も多いです。
公美子の寺も盛大に行いました。
檀家である美和子の両親も、この日は手伝いに来ていました。
公美子は、事務所の手伝いをしていました。
美和子と母親は、御守りを売る売店にいました。
今年は、美女が売っていると、大勢の参拝者が長蛇の列を作りました。
そんな中、一人の男性が美和子の母親に声を掛けました。
失礼だけど、貴女は道子さんでしょ?
旧姓、芦屋道子さんでしょ?
同級生の神田ですよ。
懐かしいですね。
私も、檀家ですから、後で会話しましょう。
そう言って、男性は去りました。
神田さんは、檀家総代補佐です。
めったに手伝いには来ないけど、節分大祭だけは、毎年来ていました。
まだ、室井夫妻は新参者ですから、席は下座でした。
慰労の食事会の時は、檀家総代と総代補佐は酒を注いで周ります。
神田さんは、室井夫妻の席に来ました。
室井さん、御苦労様でした。
今日は、初めての大祭だから驚かれたでしょうね。
こんなに大勢が来るとは思いませんでした。
室井さん、私は奥さんの道子さんの高校の同級生です。
宝塚に入るくらいの美女ですから、高校時代もマドンナでした。
こんな美女を嫁さんにした、貴方が羨ましいですよ。
そんな雑談をしたあと、神田さんは、公美子の父親の住職に告げました。
室井さんの奥さん、芦屋道満の末裔ですよ。
あの人の祖父は、呪術を生業にしていた恐ろしい人物です。
地元でも、恐れられていました。
私は、大学から東京にいますけど、美貌が全く衰えていない事が異常ですね。
やはり、そういう家柄でしたか?
黒いオーラを感じていたんですよ。
この予感が数年後に現実になりました。