人間、調子に乗るとろくな事が無いですよ。
先週、本社の入口ロビーで、東北支社長の伊達さん、アメリカCEOになった鶴田さん、ユーロCEOの私の三人がコーヒーなどを飲みながは雑談していました。
私は、胃が調子悪いから、アクエリアスを飲んでいました。
会議まで時間があるから、外に出るか、誰かのオフィスに行こうか相談していたら、受付に見覚えのある人物が来ました。
しかも、アイドル並みの美女を連れて。
私が、思い出そうとしたら、伊達さんが言いました。
あの男、証券会社の奴だよ。
美女に枕営業させる、セコい奴だよ。
前に、私のオフィスに来た事があるよ。
確か、吉田専務の紹介だったな。
二人がエレベーターに乗った事を確認してから、受付に、誰のオフィスにアポをとったか確認しました。
取締役3人が揃い踏みの質問です。
受付は、答えない訳にはいきません。
予想通り、吉田専務にアポをとっていました。
吉田専務は、財務担当の取締役で、部下の稲葉常務と組んでいますが、反社長派です。
嫌な予感、しませんか?
私は、二人に言いました。
吉田専務は、次期社長を狙っています。
しかし、社長は、浅田副社長の昇格を考えています。
実際、取締役の75%は、私達主流派です。
メインバンクも、私達のシンパです。
その日の会議は、揉めました。
吉田専務が、資産運用で留保金を増やしたいと発言しました。
しかし、私は反対しました。
景気悪化に拍車がかかり、株価下落は避けられない。
近いうちに、20000円を割り込むから、止めるべきだと、反対しました。
しかし、吉田専務は、株価は反転上昇すると言って強行しようとしました。
私も、反対です。
鶴田さん、伊達さんが私を助けてくれました。
流石に、取締役三人の意見ですから、社長も無視出来ません。
真田、株価はいつ頃下がる?
社長に聞かれました。
年度内、もしくは、4月半ばには、20000を切ります。
すると、吉田専務が言いました。
もし、4月までに株価が20000切らなかったら、どうする?
私は、責任取ります。退職しますよ。
逆に、20000切ったら、専務はどうなさいますか?
面白い、1日でも、20000切ったら、私は退職するよ。
しかも、退職金無しで辞めてやるよ。
二人とも、二言は無いな。
全員、今の会話を聞いたな。
秘書課長、今の発言、録音してあるな。
社長が言いました。
録音しました。
秘書課長の高木が答えました。

そして、今日の終値は、20000を切りました。
吉田専務は、今月末で退職金無しの退職が決定して、正式に発令されました。
証券会社の甘い誘惑に刈られて、身を滅ぼしました。
消費税増税、ブレイクジット、コロナウィルスと、マイナス要因しか無い現状を読めない役員は、存在価値は有りません。
社長から、電話で言われました。
吉田専務が、せめて退職金を一部下さいと言ったけど、録音を聞かせて却下したと。
どうせ、来年度は転勤でしたから、本社から消え失せる予定の人でした。
社長は、退職に追い込めて、良かった。
しかも、千万単位の退職金が浮きました。
私達三人に、寸志をくれました。
本当に口は、災いの元ですね。