うちの会社では、取締役に女性はいません。
肉体的にも、精神的にも相当タフなメンタルじゃないと勤まりません。
過去には、数人いましたが、一年持たないで辞任しました。
そんな女性部門のトップは、秘書課長です。
今は、たまに名前の出る高木がやっています。
秘書課長は、社長の秘書でも有ります。
社長のスケジュール管理をするから、権限が有ります。
誰を何時に合わせるか?
それも秘書課長の権限になります。
その高木の同期で、ライバルなのが、北川専務の秘書の小泉です。
北川専務は、九州支社長から、アパレル担当専務を経て、今度石油系に専務で来ました。
私の上司ですけど、名目上で、実際には私が仕切る事になりました。
高木に負けたくない小泉は、枕奉仕して、北川専務の秘書に移動したと噂されています。
今、ドバイには、社長、北川専務、私の三人の取締役がいます。
護衛役の前田夫妻は、今は、社長と北川専務のボディガードに回しています。
男は、男で固まって食事をします。
いろいろな話をするから、当然です。
女性四人も固まって食事をします。
高木と小泉の会話が怖いと、私の秘書が言ってましたね。
差し障りの無い会話ですが、空気が凍る雰囲気です。
男性のテーブルは、和気あいあいで、たまに爆笑が起こりますけど、女性のテーブルは、通夜のような雰囲気です。
北川、小泉を秘書にしたのは何故だ?
社長が聞きました。
偶然ですよ。
前の秘書が寿退社しましたから、後任を探していました。
岡崎副社長が定年退社したので、秘書をしていた小泉を指名しました。
そうか?
社長は、疑っていました。
実際、次期社長候補は、北川専務です。
小泉は、それに賭けたのでしょう。
秘書課長は、いろいろな人から、袖の下が入ります。
その役得と、女性社員のトップと言う名誉。
しかも、同期のライバルです。
お互いに負けたくないだろうな。
二人共に、負けず嫌いで強情な美女です。
笑顔の裏側が怖い女です。
毎週の秘書課のミーティングは、小泉が来てから、長くなったと、私の秘書が言ってましたね。
私は、本社に行く事は苦痛じゃないけど、私の秘書は、秘書課の空気が張り摘めていて怖いと、愚痴を言ってましたね。
今は、お互いに相手の出方を見ている様子です。
北川専務が、女の闘いに巻き込まれそうです。
北川専務が失脚すれば、秘書の小泉も格が落ちます。
秘書課も、高木派、小泉派に分かれているらしいです。
氷川には、中立を保てと言って有ります。
ドバイにいる時に、揉め事は起こさないだろうけど、東京に戻ったら、何かしらあるかな?
社長達は、月曜日にシンガポール経由で帰国します。
私は、もう少しドバイで商談してから、ロンドンに入ります。
どこの会社にも、女同士の争いはあるでしょうね。