今回の台風の影響は、千葉県に甚大な被害をもたらしました。
千葉県、埼玉県、茨城県を統括している支社長は、私の同期入社でライバルの野田です。
仲が悪い訳では無いし、会えば軽いジョークを言う間柄ですけど、お互いに数字を意識しているライバルなのは事実です。
しかも、私がユーロCEOになり、中部支社長と兼任している現在の状況は、野田には愉快では無いでしょう。
しかし、これほどの被害が出れば応援は必要です。
本社からも応援は出ています。
しかし、野田は私に助けを求めて来ませんでした。
私がまだ日本にいる事を知っているのに、助けを求めて来ませんでした。
そんな野田を社長が叱りました。
下らない意地を張るな。
真田に頭を下げて、応援に来て貰え。
あいつも、千葉県には短期間いたから、システムは分かっている。
お前達だけで出来ないなら、動ける人に助けを求めろ。
社長が野田に雷を落とした1時間後に、野田から電話が来ました。
真田支社長、千葉県の危機です。
どうか力を貸して下さい。
野田が私に敬語を初めて使いました。
月曜日に本社に寄ってから行く予定だと伝えました。
本社に必要な物のリストを送るように指示しました。
東日本大震災に匹敵する被害をシーサイドエリアは受けました。
停電と浸水で相当な被害が出ています。
メインコンピューターが、どれだけの被害か?
それは、現物を見ないと分からないけど、災害保険で治すしか無いでしょう。
うちの会社だけで、億の金額が動きますね。
閉店勧告を野田に告げるガソリンスタンドもあるでしょう。
他の支社長に、閉店勧告を告げらる事は、支社長にとって、一番嫌な事です。
逆に、それを告げる方も愉快ではありません。
だから、野田は私に頭を下げる事が出来なかったのです。