人の上に立つなら、実力で示すのが一番です。
イギリス支社長のジョージは、昔はレーサーを目指していた、走り自慢の男です。
ならば、その走りの上を行ってやろうと思いました。
エンジンオイルの走行テストをイギリスでも行います。
某サーキットに、モービル石油のスタッフと、ジョージと私が行きました。
テスト車輌は、ロータスエリーゼです。
エンジンは、トヨタですから安心して走れます。
イギリス車は、伝統的にシャーシは良いけどエンジンは信用出来ません。
特に電気系統が弱いです。
サーキットでは、モービル石油のテストドライバーが数周走りました。
それから、比較する為に、ライバル会社のエンジンオイルを入れて、走りました。
そして、数周走ったら、別のライバル会社のエンジンオイルを入れて走りました。
モービル石油のテストドライバーが休憩している時に、ジョージがエリーゼを走らせました。
モービル石油のテストドライバーと、変わらないタイムを出しました。
ピットに戻ったジョージは、得意満面でした。
私が、エリーゼに乗りました。
三周目にタイムアタックをしました。
このエンジンの特性は知っています。
ミッドシップは、フェラーリで走り慣れています。
私は、ジョージにラップタイムで1秒差を付けました。
サーキットで、1秒差は、大差です。
しかも、同じ車ですから、腕の差は歴然です。
ピットに、私が戻ったら、ジョージは悔しそうな顔をしていました。
CEOには、負けましたよ。
素直に敗けを認めただけ、ジョージはましでした。
ここで変に言い訳したら、フィンランドに更迭するつもりでした。
人間は、敗北を経験して成長します。
上には上がいる。
それを知る事も大切です。