たまたま買い物をデパートでしていました。
スーツ売り場で、どれにしようか悩んでいたら、経理課長の児玉に声をかけられました。
部長、幾らくらいのスーツを買うつもりですか?
10万くらいのスーツだよ。
やはり、副支社長だと、安いスーツは着れませんか?
そんな話をしていたら、見覚えのある女性から、声をかけられました。
主人がいつも、御世話になっています。
児玉の妻です。
そう言って挨拶しました。
部下の奥さんなんて、めったに見る機会は有りませんけど、児玉の奥さんは、色っぽいと噂は聞いていました。
そりゃそうだろうな、元、ソープ嬢だし、面接したのは、私だから、裸も見ています。
取引先が、ソープランドだったから、頼まれて面接官をした時に会っているし、ソープランドの控え室に灯油配達した時に、納品伝票にサインを貰っているから、旧姓も知っています。
私は、仕事柄表情も態度も変わらないのは当然ですが、児玉の奥さんも、顔色一つ変えないのは凄いタマだと思いました。
児玉、ちょっと飲み物買って来てくれ。
私は、スポーツドリンクね。
そう言って、500円硬貨を渡しました。
分かりました。
児玉が自販機に行っている間に、奥さんと会話しました。
何年間、あそこで働いていたの?
やはり、面接した、あの方でしたか?
三年働いて、辞めましたよ。
主人とは、友達の紹介で知り合い、結婚しました。
少ししたら、児玉が戻って来ました。
真田様、御待たせしました。
採寸しましょう。
スーツの採寸の順番になったから、別れました。
自分の妻が、元、ソープ嬢と知ったら、児玉はどうするかな?
悪魔の気持ちが芽生えましたが、そこは堪えました。
世界最古の職業ですから、否定はしません。
ソープランドも、正式に許可された店でしたから、疚しい事は無いけど、世間体はどうかな?
児玉も、課長だから、それなりの収入は有ります。
幸せそうな家庭を壊す必要は無いかな?
一番のテクニシャンと言われた女性を妻にした、児玉は幸せだろうな。
床上手な嫁さん貰った児玉が、少しだけ羨ましかったです。