智子の悪霊は、念を送って来ました。
私は、裕子に呪い殺されたんだよ。
恵利華も、藁人形を見たはずなんだよ。
私も、裕子も、あの人が好きだったんだよ。
智子の悪霊は、血も凍るような冷たい声で、とっとと語りました。
あのドクターは、控え室で、嫁さんにするなら、私か裕子と言っていたのさ。
裕子は、私を蹴落としたかったんだよ。
そして、藁人形を使ったんだよ。
見事に、私は心臓麻痺で殺されたんだよ。
だけど、成仏なんてするもんか。
精神科の患者さんに憑依して、婚約者の前で殺してやったんだよ。
同期生で、幸せな奴が憎いんだよ。
一番幸せな恵利華を殺したいのに、邪魔しやがって。
私は、御神酒をコップに注いで置きました。
音も無く、御神酒が減っていきました。
話は、御仏が聞いていた。
無限地獄に堕ちろ。
あの世で、裕子が待っているから、永久に争えば良いだろ?
人を呪わば穴二つ
相手を一つの穴に落としたら、もう一つの穴に自分が落ちるんだよ。
だから、呪術は怖いんだよ。
智子と裕子は、今でも無限地獄で争っているでしょう。
お互いに、相手を罵りながら。