あれから10年くらい経ちました。
猟師達も、あの話をやっと語れるようになりました。
誰が被害者になるか分からない不思議な出来事です。
害獣駆除の為に、普段は禁猟区に入る事が有ります。
林野庁の依頼で増え過ぎた鹿を30頭くらいは駆除して欲しいと言われて、応援に近隣の猟師にも来て貰いました。
総勢20人と言う、めったに揃わない人数で狩猟に行きました。
それぞれが持ち場を決められて、移動して行きました。
一番外側を受け持ったのは、応援に来た人で、腕の良いハンターで有名な人でした。
午前中だけで、20頭ほど駆除しました。
その鹿を解体場に運ぶメンバーに私は選ばれましたから、午後は、解体場に向かう5人を減らして15人で狩猟を始めました。
この時は、70キロ級の鹿を沢山駆除したから、解体場で解体する方も大変でした。
力仕事だから、地元の若手がこちらに来ていました。
3時頃まで狩猟をして、午後も20頭駆除したから、目標は達成しました。
しかし、一人だけ猟師が戻りません。
その人の猟犬も戻りませんでした。
一度解体場に全員で集まり、全員で捜索しました。
白い鹿を見つけたから、仕留める。
それが午後2時半頃の無線連絡でした。
全員が日没まで探しても見つからない状態でした。
家族に話して、捜索願いを出して貰いました。
警察、消防などの組織を総動員して捜索しました。
3日後に、遺体として、そのハンターは発見されました。
しかも、北海道の山奥です。
司法解剖の結果は、死因は出血多量で死後1ヶ月と判断されました。
どうやって北海道に行けたのか?
どうして、3日前に消えた人が、1ヶ月経った死体になったのか?
誰も説明出来ない不思議な出来事です。
それから、その禁猟区には誰も入らなくなりました。
現代の神隠しと言われています。