和泉、大変だ、お前のお母さんが死んだぞ。
ある、土曜日の午後の体育館での出来事でした。
私は、いつものようにバレーボールの練習をしていました。
沙保里は、たまたま練習を見に来ていたのです。
沙保里の担任の教師は、原田と言って冷静な事がウリの人でしたが、この時ばかりは慌てていました。
沙保里は、急いで病棟に帰りました。
原田先生が車で送りました。
そして、原田先生と沙保里は、沙保里の実家がある、長泉町に行きました。
一連の行事は、原田先生が取り仕切りました。
沙保里は、母親の遺体を見ても泣かないどころか、表情一つ変えなかったと、原田先生が私に教えてくれました。
酔っぱらい運転の車に跳ねられての死亡ですから、生命保険が降りました。
更に、跳ねた人からの賠償金も入りました。
しかし、天涯孤児になった事が沙保里には、良い結果を生みました。
私の叔母が、沙保里を養女に迎えたいと言って北からです。
叔母夫婦は、金持ちでしたが、子宝には恵まれないでいました。
養女を探していた時に、沙保里を見ていたから、丁度良く孤児になった沙保里を養女に迎えました。
沙保里は、義理の又従兄弟になりました。