いわゆる、客室乗務員。
学生の頃結構スポーティだった私に、クラスメートが「入社試験は荷物の上げ下げだったの?」と揶揄するほど、私を含めて、誰もが私が「スッチー」になると思わなかった。
本当は広告代理店に入りたかったが、雇ってくれるところがなく、ひょんな拍子で日系航空会社を受けたら、入ってしまった。真剣にCAを目指して勉強している人には憎たらしい話だが。
そんな歴史背景もあって、きのう同期と「ハッピーフライト」を見に行ってきた。
ヒロインの綾瀬はるかが演じるドジなCAに、どこか若き頃の自分の姿が重なって見えた。
飛んでいた頃、私もかなりヘマやったからだ。
まず新人訓練の合宿時からすでに目立っていた、それも悪い意味で。
ある晩、小腹がすいて、消灯時間を過ぎた後カップラーメンを持って給湯室に走った。その姿を教官に見られてしまって、翌朝連帯責任で同期全員が一時間も正座させられた。
今考えると何んとも日本的な馬鹿げた処罰だったと思うが、そのことで、私は暫くの間同期たちに恨まれていた。
怖い先輩ももちろんいた。
OJTの初日、フライト中ずっと意地悪な先輩にいびられていて、お手洗いに隠れて泣きはしなかったが(というよりも泣く暇がなかった)、ステイ先のホテルの部屋に入ったとたん涙がせきを切るように流れた。

寝坊して、ブリーフィングに遅れたことも、そして、大遅刻して客と同時に飛行機に搭乗したことも。

客にお茶をこぼしたこと、行き先を間違えてアナウンスしたことなんかは朝飯前だった。
数えればきりがないほどの失敗談は、今となれば懐かしい笑い話。
映画を見て意外だったのは、CAを辞めてかなりの年月がたったのにもかかわらず、私は未だに機内アナウンスの内容を覚えていた。
映画にも出ていたが、自分の初フライトで私がもっとも感動したのは、整備士たちが手を振りながら出発機を見送る姿を目にしたとき。今でも客席からそのシーンを見ると眼がしらが熱くなったりする。

業界の事情を知っているだけに、「ハッピー・フライト」は同期と私にバカうけた。上映中も二人でげらげら笑いっぱなしだった。
大げさな表現がこの映画に多々あったが、民間機のオペレーションにかかわるスタッフたち―CA,ディスパッチャー、整備士、バードさん、グランドスタッフなどなど、さまざまのその道のプロフェッショナルのアングルから描くストーリーの展開はコミカルで面白い。

ただ、映画冒頭の航空機のショットや空港で働くスタッフの風景をソフトロックにのせてダイナミックにカットをつなげたら、もっとインパクトのあるエントリーに仕上げられたのでは。
それでも、話の軽快さがとてもよかったので、星3.5個を差し上げよう。





