線合成と面合成 その3 | 一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

どの作品にも共通してる「動画作業において気をつけて欲しいこと」を書いてます。
動画をきちんと教えてもらってない人も増えてるようなので、参考にして頂けたらと思ってます。
今は、iPad版クリスタを使った動画作業の流れについて書き加えてるところです。

線合成と面合成に加え、今回は別セルも加えたお話。

 
面合成は、「別セルと同じように考えればいい」とも言えますが、いくつかの点で「同じとは言えない」部分があります。
請求枚数や、合成伝票の有無、色々ありますが、合成なら可能でも、別セルでは出来ない処理というのも存在します。
 
例えば、壁に貼られたポスターを剥がす、という演技。
 
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こういう原画があった場合、動画は
 
<Aパターン(線合成)> 線の途中から繋ぐパターン
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<Bパターン(線合成)> 区切りのいいところまで同トレスするパターン
 
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<Cパターン 面合成> A-①を親にして、めくれる部分を合成子にするパターン。(A①+A2’→A2)
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があります。
セル画時代はAかBのみの選択でした。
ポスターの絵柄も描きこみの場合、同トレスしなくてはならない部分が多くなり、ブレブレになってしまいます。
けれど、デジタルの場合、大元になる絵を合成の親として、消し込みのように処理する事が出来ます。
 
上の絵では不親切ですが、
 
<Dパターン 面合成>
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このように、消してほしい部分を色トレスで囲っておくと、仕上げさんにも分かりやすいようです。
(赤で囲った部分を、合成後に透明にします。)
 
これは、合成ならではの技で、A-①を下セルにして、A-2’~A-4’を別セル(Bセル)にしてしまうと、不要な部分を消せません。
Bセルに透明部分を作っても、Aセルを消すことは出来ないからです。
なので、必ずしも、「面合成にできるなら別セルにして」とは言えないのです。
 
以前、Cパターンのように合成を作って、「不要な部分を消してください」と裏書きした事がありますが、消したい部分を色トレスで囲っておいた方が分かりやすかったんだな、と後になって知った次第です。
 
ペイント後のリテイクで絵を描きなおす場合も、修正後の輪郭線からはみ出てる部分など、このように消したい部分を色トレスで囲ってカブセを作ると、仕上げさんにも分かりやすいそうです。
 
とはいえ、特殊な合成の場合は、仕上げ担当者に相談してから行うようにしてください。
 
このブログでは、「こういう方法があるよ」と伝えてはみるものの、会社によっては「横顔口パクは線合成のみ」というところもありますし、セル検さんの好みもあるでしょう。
RETAS以外では、合成の作り方も全く違うかもしれません。
これを正解とは思わず、参考程度に思ってください。
 
私もまだまだアップグレードしなくてはならないことだらけなので。